表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリィは不老不死の魔女のようです  作者: パンダ小太郎
第一章 森の中で
38/57

第三十八話♫結果オーライ


失敗したわ。







もう少し寝ているかと思ったけど、状態異常にある程度の耐性があったのか、つい先ほど少女が目覚めた。耐性があると分かっていれば、もっと精神魔法をかけておいたのに。


うーん、もう少しリリィと2人でいたかったんだけど、仕方がないわね。


私とリリィはお互いに名前を付け合った特別な繋がりがある。


でも、足りない。もっと確実な何かが欲しい。


誰かとの、もっとしっかりとした繋がりが欲しい時はどうすればいいんだっけ?


エリーの時には…あぁ、そうね。エリーには私の祝福をあげたわ。


そうだわ。リリィにもあげましょう。


一応私はリリィの眷属に分類されるが、眷属が主に祝福をあげることってできるのかしら。


まぁ、私たちはお互いにお互いの眷属みたいなものだし、多分大丈夫。


一番心配なのは自分の魔力。


私たち緑の妖精は自分の木に魔力を貯蓄できる。今までのがかなり溜まっているはずだから足りるだろうが、祝福を重複させたことがないからどのくらい魔力を使うのか、私にも分からない。


でも、祝福は与える側の気持ちが大きく影響する。気持ちが強ければ強いほど魔力の消費が少なくなるらしい。これは、色々な種族に祝福を与えてきた妖精のお友達から聞いた話だ。私自身は他種族に興味がなく、祝福の経験が少ないため、まだ分からないことが多い。


でも、きっとリリィなら大丈夫。


私はせっせと花指輪を作る。祝福の証は個人の好みによって変わる。体にマークをつける場合もあれば、髪の色などを変化させる場合もある。


でも、私のお気に入りは指輪。手袋をしない限り、ふとした時に見える私の存在の証を見ると、心が満たされる。


リリィは嬉しそうに花指輪を右手の小指につけた。そして、祝福について気になったことを質問してくる。


何でも聞いて頂戴!


そう意気込んでいた。


「祝福っていくつも貰えるの?」


「ん〜。説明が難しいわね。まぁ、基本はひとつよ。持ってない人の方が圧倒的に多いけど。ふたつ目以降は祝福をあげる側の魔力の消費量がもっともっと多くなるの!」


「え!じゃあ、レアはたくさん魔力があるんだね!すごい…!」


「えっ!?…あっ、うん!そうね!私って魔力がとても多いもの!」


咄嗟にそう答えたが、実際は違う。リリィへの想いが強すぎたのか、あまり魔力を消費しなかったのだ。


でも、恥ずかしいから教えてあげない。


お友達の妖精に

「祝福の重複したんでしょ?実際、どのくらいの魔力を使ったの?」

なんて聞かれたら

「普通の祝福とは比べ物にならないほど多く使ったわ!でもまぁ、私はそもそもの魔力量が多いからそんなに影響がなかったけどね!」

と言ってドヤ顔をしてやるんだから。


「ありがとう、レア!レアとお友達になれてよかった!この指輪は大事にするね!」


そう言ってリリィは明るく笑った。


「私も!!」


って言いたかったけど、つい恥ずかしくなって言えなかった。


そのまま、何も言わずにいようと思った。今までのように。


でも、私はエリーの事が頭をよぎった。


だめだ。今、伝えないと。私は強くそう感じて、言葉を振り絞る。


「……そ、その…。私もリリィがお友達でよかった……」


そう伝えると、リリィは溢れるような笑顔を私に向けた。本当に、心底嬉しそうに。






あぁ…。伝えてよかったわ。

私は自分の心が暖かくなっていくのをしみじみ感じた。


あの女の子が起きてよかったわ。だって、リリィに祝福をあげれたし、私は今、舞い上がるほど気分が良い。





あの女の子には、感謝をしなくちゃね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ