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三つ目の再会とこれから

少し遅くなりました。

 話が一段落したところで、聖奈が口を開いた。


「あ、そろそろ御影君と合流する時間だ。」

「一緒に来てたの?」

「うん。日が暮れる前に一度合流することになってるの。そこで成果を共有する予定だったんだけど……」

「目的達成しちゃったと。」


 会えたのは偶然だったけど、手間が省けて良かったな。


「そうなるね。これでやっと休みを休みらしく過ごせるよ。勿論一緒にいるからね?」


 そうしてきゅっと僕の手を握った聖奈は期待に満ちた、輝く瞳をしていた。


 あ、この上目遣い攻撃力高い……


「うん。寂しい思いをさせた分、これからは一緒にいよう。」

「私たちとも仲良くしようね、聖奈さん。」

「これからよろしくお願いします。」


 そう言って皆で聖奈を抱き締めた。


「ええ。後輩として綴理君とのこと、しっかり勉強させて貰うわ。」

「任せて!綴理くんのあんなことやこんなこと沢山教えていくからね!」


 何故か二人共すごい張り切ってる。


「そう言われるとなんか恥ずかしいな。まあでも……それだけ僕のこと考えてくれてるってことだし、いいのかな?」

「良いと思います。私ももっとツヅリさんのこと、勉強しないといけませんね。」

「そっか。それなら僕も頑張って皆のこと知っていかないとな。」

「いっぱい教えていくから安心して。ね?」

「はい。」

「ええ。」


 これからまた楽しくなりそうだ。


「さて、そろそろ行った方が良さそうだね。皆掴まって。」

「あ、跳ぶんだね。」

「分かりました。」

「さっきのね。やっぱりこれってすごい便利。」

「まあ、沢山動いた時は楽してもいいよね。ということで……」



舞台は変わって(シーンスイッチ)



 僕たちはギルドのすぐそばの裏路地に転移した。



「着いたね。あ、あれじゃないかな?丁度ギルドに入ろうとしてる人。」

「ん〜、あ、そうみたい。」

「行こう。」


 僕たちはその影を追ってギルドに入った。すぐに姿を見つけた僕は声をかける。


「御影先輩。」

「!!……その声は、紡詞か。」


 振り返った御影先輩はとても驚いた顔をしつつ、何処か嬉しそうな顔をしていた。


「お久しぶりですね。」

「ああ、久しぶりだな。合流していたのか。」

「ついさっき会ったばかりなんです。それで、ここで待ち合わせしてるって聞いたので。」

「そうか。王都に戻ってすぐに見つけられるとは運が良いな。おかげで目的が果たせる。」

「目的、ですか?」


 なんだろう?


「ああ、以前のお前を考えたら、お前が追放されたのはおかしいと思っていてな。もう一度会えたら俺の認識が正しかったのか確認しよう、と。」

「そうですか。」

「ああ、早速で悪いがそこの修練場で一戦交えてくれないか?」

「いきなりですね。でも、いいですよ。散々お待たせしたお詫びです。今殺し無しで出せる最高をお見せしましょう。」

「感謝する。」


 そうして修練場に入り向き合った僕たちは模擬戦を始めた。


「それじゃいきますよ。」

「準備は出来ている。いつでも来い。」


 許可も貰ったし、早速いきますか。まずは身体強化全開に……よし。


「俺の方も行くぞ。『炎槍(ファイアランス)』、『風刃(ウィンドカッター)』『土棘(クレイスピア)』!」


 いきなり連射か。流石『詠唱破棄』持ちだな。でも、



『瞬間移動』



 僕は大量の魔法をすり抜けて御影先輩の目の前に転移し相棒の短剣を突き付ける。それと同時に先輩の周りを先輩が放った魔法と同じ物で囲んだ。


「どうでしょうか。」

「降参だ。これ程とは……流石だな。」


 御影先輩は諸手を挙げてそう言った。すっきりとした顔だった。


「いえ、満足していただけたのなら良かったです。」

「想像以上だ。やはりお前は面白いな。良ければこれからもたまにこうして模擬戦をしてくれないか。」

「いいですよ。でも先輩は魔法戦中心ですよね?なら言葉の方が丁度良いかもしれません。」

「ん?それはお前と一緒に追放された彼女のことか?」

「そうです。魔法に限っていえば、僕とは比べ物になりません。正直勝てる気がしないくらいには。」

「お前がそこまで言う程なのか。」

「はい。言葉、ちょっといいかな?」


 そう声をかけると言葉はすぐに応じてくれた。


「お、私の出番みたいだね。確かに魔法に関しては綴理くんよりも得意だけど。それを見せればいいの?」

「うん、お願い。」

「分かった。じゃあせっかくだから初出しのやつやっちゃおうかな。」



火属性魔法『極炎煌玉アルティメットファイアプラネット



 一瞬にして目の前に小型の太陽ともいえる火の玉が生まれた。小型といっても本物と比べてだから十分に大きい。直径は十メートルは余裕であるだろう。離れた位置にいてもはっきりと熱が伝わってくる。よく見ると触れた地面が蒸発して少し陥没していることから人が触れれば確実に一瞬で燃え尽きるだけの威力があることがうかがえる。


「これはすごいな。これ程の魔法は見たことがない。」

「僕も初めてです。魔力制御の精度も魔力の密度も僕じゃ出来ないレベルだ。」

「実はこれだけじゃないんだよ、綴理くん。」


 言葉がそう言った瞬間、目の前の火の玉が圧縮されて直径五十センチ程にまで小さくなった。そして、


「綴理くん、ちょっと的作ってくれる?」

「あ、うん。」


 言われるがまま、成人サイズ位の的を土属性魔法で作る。


「ありがとう、じゃあいくよ。」


 掛け声と共に火の玉が物凄い速度で的にぶつけられ、的にぶつかると同時に爆発した。後には何も残らなかった。最早焦げた匂いすらも。

予想通り圧倒的な威力だった。


「ちなみにやろうと思えば銃弾サイズにも出来るよ。結果は同じだけどね。」

「すごいな。いつの間にここまで……」

「暇な時にちょっとずつね。」


 言葉は照れたように笑った。


 そうして言葉と話していると、御影先輩が口を開いた。


「この魔法は彼女のオリジナルか?」

「そうですね。というか僕たちが使う魔法は全部オリジナルですね。」

「やはりそうなのか。俺たちとは形態が違うんだな。」

「どういうことですか?」

「俺たちが使う魔法は全て共通なんだ。レベルと属性毎に使える魔法とその詠唱は決まっている。複数人に確認したので間違いない。」

「そうなんですか。確かにその可能性は考えていました。多分理由は僕たちのステータスが普通とは別枠のものだからだと思います。色々と普通のステータスに当て嵌まらないイレギュラーが多くて……」


 それから僕は僕たちのステータスについて軽く説明をした。


「そうだったのか。やはり俺の思っていた通りお前は普通ではなかったか。苦労して探した甲斐があったな。」

「ははっ、普通じゃないと言われるとなんか変な感じしますね。まあそれはさておきこれからどうするんですか?」

「そうだな。一応やることもあるからな。休暇が終われば城に戻らなければならない。また当分は行動に制限がかかるだろう。だが神代を通せば連絡は出来るのだろう?」

「はい。僕はいつでも一瞬で転移出来るので、事前に言っていただければすぐに会えますよ。」

「分かった。それでは定期的に連絡を取ろう。城内の動きも気になるだろうからな。」

「そうですね。改めてこれからよろしくお願いします。」

「ああ。」


 こうして今後の方針が決まった。


「さて、そろそろ日も暮れてしまったし宿に帰るとしよう。といっても今から取れる宿を探すのは厳しいだろうが。」

「そこは任せてください。僕の得意分野ですから。」


 すぐにスキルを使用して検索を開始する。それから暫くして僕は丁度良い宿を見つけ、皆を連れて転移し、すぐに手続きを済ませた。皆今日は沢山動いていたから取り敢えず早く寝ることにして、解散することになった。とはいえ御影先輩が気を利かせて一人だけ別部屋を取ってくれただけなんだけど。


 そんな訳で僕たちは四人で自分たちの部屋に入った。詳しいことは明日に話すことにして、お風呂やその他を済ませてベッドに潜り込む。


「今日は色々あったね。何より新しい家族が増えたし。それでなんだけど、三人になっちゃったから両隣だけじゃ足りなくなっちゃったよね。どうする?」

「そうですね。どうしましょうか。」

「ごめんね。」

「聖奈さんが謝ることじゃないよ。取り敢えず皆で考えよう。」


 僕の横で会議が始まってしまった。僕はどうすることも出来ないので終わるのをじっと待つ。



 暫くして結論が出たようで、三人が僕の方に戻ってきた。


「結局どうなったの?」

「こうなったよ。」


 そう言葉が言うと同時に言葉が僕の上に寝そべり、残る二人が僕の両隣にくっついた。


「そうきたか。まあでもこうなる、か。」

「重くない?」


 そう言って言葉が下から見上げてくる。そんなこと気にしなくてもいいのに。


「大丈夫、言葉は軽いから。それに僕としても皆が納得してくれた方が良いし。」

「それなら良かった。じゃあこのまま寝よっか。」

「うん。おやすみ、言葉、ティア、聖奈。」

「おやすみ、綴理くん。」

「おやすみなさい、ツヅリさん。」

「おやすみなさい、綴理君。」


 こうして僕たちは再会続きの一日を終えた。

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