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連休デート初日

「……朝だ。ん〜〜っ!………ふぅ。よし、起きるか。」


 今日から連休を取って連日デートだ。二人へのご褒美だから、全力で楽しませよう。勿論僕も楽しむけど。


「んっ……おはよう、綴理くん。」


 言葉が起きたみたいだ。


「おはよう、言葉。」

「うん、今日からいっぱい楽しもうね。」

「そうだね。」


 言葉もすごく楽しみそうな顔してる。頑張って期待に応えなきゃな。


「んっ?……朝ですか。おはようございます。」


 お、ティアも起きたね。


「おはよう、ティア。」

「おはよっ、ティア!」

「ふふっ、コトハさん、いつもより元気ですね。」

「うん、だって今日からデートだもん。ティアだって楽しみでしょ?」


 そう言葉に聞かれたティアは軽く微笑んでから、僕の方に視線を向けて言った。


「そうですね。私も楽しみです。期待しても良いんですよね?ツヅリさん。」


 そんなこと言われたら頑張りたくなるな。


「うん、全力で楽しませてみせるよ。」


 こうして僕たちは朝の支度を始めた。



 いつも通りにホテルの朝食を食べ一息ついて、


「朝ご飯も食べたし、そろそろ行こうか。」

「うん、まずは何処から行く?」

「そうですね……では」



 そうして最初に連れて来られたのは少しお高めの洋服店だった。まあ、この街だとまずはここって感じだもんな。


「じゃあ、入ろっか。」

「はい。ほら、ツヅリさんも行きましょう。」

「あ、うん。」


 二人に引っ張られて店内に入ると、そこには日本で売っていてもなんら違和感の無い程品質もデザイン性も良い服が並んでいる。店の奥の方に、一部一般市民が着なさそうな貴族向けの様な服があったけれど、概ね一般的な洋服店みたいだ。


 なんて店内を観察していると、


「綴理くん、こんなのどうかな?」


 早速言葉が服を選んで来たみたいだ。僕は声のする方に顔を向けて、


「…………」


 え?なにこれ可愛いんだけど。


「?……おーい、綴理くん?」


 日本で見たら割と一般的な格好ではあるんだけど、長らく実用性重視の服を着ていたせいか今はそれだけでより可愛く見える。勿論元々言葉が可愛いのはそうなんだけど、着る服が違うだけでここまで変わるのか。さり気なくレースが施された白のワンピースはシンプルだけど、それが言葉の裏表の無い包み込むような精神性を表しているようで、完璧にはまっている。その様は正に天使!いや、女神か?どっちでも良い。今すぐ抱き締めて、この純真を僕だけの物にしたい。でも、ここ外だし。どうしよう。でも、う〜ん。


「もう!綴理くんったら!」

「はっ!」


 気付けば言葉の顔がすぐ近くにあった。


「やっと戻って来た。」

「あ、ごめん。」

「いいよ。それで、どうかな?」

「うん、抱き締めてもいいかな?というかごめん、もう無理。」

「えっ?」


 理性よりも欲望が勝った僕は驚く言葉をぎゅっと抱き締めた。


「綴理くん?」

「可愛過ぎる。好きだ、言葉。愛してる。」

「ふえっ?あ、えと、うん……ありがとう。えへへ。」


 まじで可愛いな。この娘を独り占め出来る彼氏は幸せ者だな。……あれ?僕か?そっか、うん。僕は幸せ者だな。生きてて良かった。


「………………はぁ。ごめん、取り乱した。」

「そうだね。いきなりでびっくりしたよ。でも、そっか、そうなっちゃうくらい気に入ってくれたんだよね?」

「うん、似合ってるし最高に可愛い。」

「ありがとう。じゃあこれ買っちゃおうかな。」

「僕としてもそうしたいな。言葉がより可愛くなる。」

「えへへ、うん。」


 こうして言葉の買う服が一つ決まった。



 それから少しして、言葉が別の服を選びに行っている間にティアから声がかかった。試着室の方に向かい、中を覗く。


「ツヅリさん、どうでしょうか。」

「これは……」


 そこには言葉とは打って変わって清楚系というよりかは男としての本能をくすぐるような煽情的な格好をしたティアがいた。煽情的といっても露出が極端に多い訳ではない。ただ、身体のラインが綺麗に出る軽めのドレス仕様で、ティアのスタイルの良さが全面的に押し出されている、ティアの為に作られたようにも思える服だった。


「少し攻め過ぎたような気がしなくもないんですが……」


 ガチャッ、カチン


 僕は試着室の中に入り、扉を閉めて鍵をかける。


「ツヅリさん?鍵を閉めたりしてどうしたんですか?」


 それから不思議そうな顔をするティアに近づいて口を開く。


「ティア、それは少し攻め過ぎだ。」


 そして、顔を近づけそのまま唇を重ねた。


「え?んむっ、んんっ、んうっ…………はぁ、ツヅリ、さん?」

「ごめん、我慢出来なかった。」

「いえ。そんなにキス、したくなっちゃったんですか?」

「うん。今のティアを見たら、どうしても抑えがきかなかった。本当に綺麗で、独占したくなって、つい。」


 本気で理性がとんだんだよな。


「そう言っていただけると私も頑張って攻めた甲斐があります。でも、普段は優しいツヅリさんがあんなに強引になる程とは思っていませんでした。」

「誰だってああなるよ。ティアは自分の魅力をもっと自覚した方が良さそうだね。」

「そう、なんですかね。」

「うん。ティアが知らない人に手を出されても困るからね。ティア、君はもう僕のものだ。誰にも譲るつもりはない。」

「分かってますよ。私はもう貴方のものです。……ふふっ、たまにはこんな強引なツヅリさんも良いですね。」

「ちゃんと抑えられるようにしたいけどね。」

「そうですね。街中で急にキスとかをする訳にもいきませんから。そういうことは帰ってから、ですよ?」


 そう言って僕の方に煽るような視線を向けるティア。こういうところなんだけどな。自覚してるんだかしてないんだか。


「ティア、そういうこと言うからには帰ってから覚悟しといてね。」

「あら、火をつけてしまったみたいですね。ふふっ、分かりました、覚悟しておきます。」


 やっぱり自覚ありだったか。でも、まあティアがいいんならいいよね。


 こうしてティアも買う服を決めた。



 暫く二人の服を見て、いくつか気に入ったものを買った。そのついでに二人に合わせて僕の服も選んだ。僕だけ実用性中心の服でデートする訳にはいかないからね。二人が可愛くなるなら僕もある程度格好良くならないと。


 そうして買ったばかりの服に着替えて僕たちは洋服店を出た。


「次はどうする?」

「今服を買ったから、流れ的にはあれじゃない?」

「そうですね。」

「じゃあ、行こっか。」



 そうして来たのは予想通り高級感漂うランジェリーショップだった。これは男子が店内での振る舞いに頭を悩ませるやつだな。まあ二人は僕も一緒に入るつもりでいるみたいだから当然ついていくんだけれども。


 それから店内に入ると二人はすぐに下着を探しに行ってしまった。することが無くなってしまった。あまりうろつくのも変だから、端っこの方で大人しくしていよう。



 少しして、試着室の方から声がかかった。ここの試着室は大きめで一つの部屋みたいになっていて、二人で一つの部屋を使っているみたいだ。呼ばれた方の試着室まで行き、扉の前で確認する。


「言葉もティアも開けていい?」

「いいよ。」

「はい、どうぞ。」


 そうして開けた先には案の定、下着姿の二人がいた。


「ほら、入って。」


 そう言って引っ張られた僕は、言われるがままに中に入って扉を閉める。それから言葉とティアの方に向き直ると、


「どうかな?」

「どうでしょうか?」


 早速感想を聞かれた。僕はそれに即答する。


「控えめに言って最高。言葉の方はイメージ通りの淡い色合いで、雰囲気にすごく合ってる。ティアの方は普段の色っぽいイメージとは違って控え目な色が逆にティアの魅力を引き立ててる。二人共本当に可愛いよ。」


 そう言って二人を両腕で抱き寄せる。


「わっ。綴理くん……」

「きゃっ。ふふっ、ツヅリさん……」


 二人は驚きつつも、もう馴れたと言わんばかりに自分から身を預けてされるがままになっていた。


 少しして二人から離れ、空気を戻す。それから言葉が口を開いて、


「綴理くんも気に入ってくれたみたいだからこれは買おうかな。それとあと他にも何枚か買っておこっか。」

「そうですね。ツヅリさん、もう少しかかりますけど良いですか?」

「勿論。いくらでも待つよ。」

「ありがとうございます。できるだけ早く済ませますから。」



 そうしていくらか時間が経ったあと、二人は会計を済ませて僕の所に戻って来た。二人共満足した顔をしている。


「買いたい物は買えたみたいだね。」

「うん、色々買ったよ。だから、綴理くんも楽しみにしててね。」

「はい、楽しみにしていてください。ツヅリさんもきっと気に入っていただける筈です。」

「そっか、なら楽しみにしてるよ。」


 こうして僕たちはランジェリーショップを後にした。



 最後に向かったのは、ちょっとしたアクセサリーが売っているお店だった。ここに関しては僕が二人を連れて来た。あるものの為に。


「わあ、綺麗だね。色んな色のアクセサリーがあるよ。」

「綺麗ですね。あ、これとか良いですね。」


 二人共喜んでくれて何よりだ。でも、二人を連れてきたのはただアクセサリーを見て貰う為じゃない。僕から二人にプレゼントをする為だ。実はこの日の為にちょっと前に来て用意をしておいたんだよね。


 僕は展示されているアクセサリーを眺めている二人からそっと離れて店主に話しかける。


「頼んでおいたもの、出来てますか?」

「ええ、勿論です。今お持ち致します。」


 そう答えると店主は奥の方に行き、三つの小箱を持って戻って来た。


「ご確認ください。」


 そう言って手渡された小箱の中身を一つずつ確認する。


「問題ありません。ありがとうございます。」

「そうですか。お気に召したようで何よりです。」


 これで準備は整ったな。あとは帰りに渡すだけだ。



「可愛いのが沢山あって迷ったね。」

「はい、選ぶのに時間がかかってしまいました。」

「でも、いいのが買えたから満足。」

「そうですね。」


 店を出た二人は買ったばかりのアクセサリーを眺めて嬉しそうにしている。いい流れだ。


「二人共喜んでくれて良かったよ。それでなんだけど、実は僕から二人にもう一つずつ渡したいものがあるんだ。」


 そう言って僕は二人の方に向き直り真剣な表情になる。それを見て二人の表情も引き締まった。


 よし。


「これなんだけど、受け取ってくれるかな。」


 言いながら二人に小箱を渡す。受け取った二人は僕の顔を見つめ聞いてくる。


「開けてもいい?」

「いいですか?」


 答えは勿論、


「いいよ、開けてみて。」


 そうして僕から許可をもらった二人はそっと小箱の蓋を開けて中に入っているものを見た。


「これって……」

「指輪、ですか?」

「うん、そうだよ。それは、僕がこれからも二人を大切にするって気持ち。簡単にいえば婚約指輪かな。」


 僕は少しはにかみながらもそう言った。


「そっか、婚約指輪……か。ねえ。これ、綴理くんがはめてくれる?」


 言葉が噛み締めるように呟いてから、僕を見つめそう口にした。


「うん、いいよ。」

「お願い。」


 僕は言葉から指輪を受け取って、言葉の手を取りゆっくりとその指に指輪をはめた。


「ありがとう、綴理くん。大切にするね。」

「そうしてくれると嬉しいな。」

「うん。」


 言葉は瞳を潤ませて本当に嬉しそうに笑った。その表情を見て、僕はまた一歩言葉を好きになった。


「ツヅリさん、私もいいですか?」

「勿論。」

「じゃあ、お願いします。」


 僕は、ティアにも同じようにして指輪をはめた。


「ありがとうございます。大切にしますね。」

「うん。」


 ティアは指輪をじっと見つめて震えていた。それから目を閉じそっと指輪のはまった手を包むようにして胸の前で手を組んだ。表情は微かにだが綻んでいるように見えた。


 そこまで喜んでくれると頑張って用意した甲斐があったな。



 どれくらいそうしていただろう、やっといつもの表情に戻った言葉がそっと口を開いた。


「思ったより時間経っちゃったね。今日は一旦いつもの宿に帰ろっか。」

「ん、そうだね。別に明日以降もまだ時間はあるからね。ゆっくり行こう。」

「はい、今日は帰って部屋でゆっくりしたい気分です。ツヅリさんにお返しもしないといけませんし。」

「え?」

「ふふっ、約束しましたから。」

「なんか楽しそうだね。私も一緒にやろうかな。いいよねティア?」

「勿論です。一緒にツヅリさんにお返ししましょう。」



 そんなこんなで宿に戻った僕たちはいつも通り寝るまでの工程を済ませて布団に入った。そう、ここまではいつも通りだった。


「それじゃあツヅリさん、約束ですから。」

「そうだね、私も。」


 そう言って徐に服を脱いだ二人はいつもとは一味も二味も違った格好をしていた。


「透けてる……だと…………」


 そう、二人は普通の可愛い下着を通り越して、完全にそういう時向けの過激な下着を身に着けていた。透けてるだけじゃなくて、所々隠すべき所が隠れきっていないやつだ。


 買い物の後半、僕に見せなかったのはそういうことか。

 

「驚いた?奥の方に置いてあったのを見つけて、気になって勢いで買っちゃった。ちょっと恥ずかしいけど、綴理くんの反応を見る限りだと買って良かったみたいだね。」

「はい。ツヅリさんもこういうの、嫌いじゃないですよね?」


 そう言って頬を朱に染めつつ僕を見つめる二人を前にした僕は、最後の理性で二人に確認をとる。


「そこまで煽られたら止まれないけど、いいんだよね?」


 二人は無言で頷く。それを確認した僕は、今度こそ最後の理性を取り払った。


 夜は、まだこれから。

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