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【二章完結】青春ストーリーテラー〜世界を越えて、愛を紡ぐ〜  作者: 夢刻 綴
一章 不遇職のハズレ勇者
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スキルとは何か

 言葉も動けるようになったし、そろそろ始めようか。


「じゃあこれから二つ目の実験を始めるよ。まあ言葉は見ててくれるだけで良いんだけど。」

「分かったよ。それで、実験の内容は?」


 やっぱり気になるよね。ちゃんと説明しておこう。


「言葉が魔法をコピー出来る様になったから、僕の方はスキルをコピー出来る様にしようと思う。」

「そんなこと出来るの?私の場合はまだ直接視れるものがあったけど、スキルの場合だとそれがないよね。」

「だからまだ出来ると決まった訳じゃない。でも出来る事は多い方が良いからね、試してみる価値はあると思う。ほぼノーリスクだし。」

「そっか、頑張ってね。」

「うん。じゃあ…」


 まずは少し離れた場所で剣を振っている人を見てみよう。効率の為にスキル欄だけに絞って、



『鑑定』



スキル 『中級剣術』『武器破壊』『剛力』

    『斬撃』『瞬歩』



 お、割と強い人だ。特性上地力に関するスキルはコピー出来ないはずだから、『武器破壊』辺りから見ていこう。



『武器破壊』

 相手の武器と接触があった場合に極稀に発動する。相手の武器における最も耐久性の低い部位に衝撃を与える事で武器を破壊する為、その部位を知る事で成功しやすくなる。このスキルを所持していると、接触時に弱点部位に当たる事が多くなる。また、使う毎に直感的に弱点部位を認識しやすくなる。



 うん、結構詳しく視れるな。でもこれじゃあ足りない、もっとだ。もっと情報がなければ成功しない。もう一度だ。



『鑑定』



 ……やばい、頭痛が酷くなってきた。まあでもチートを使うのにそれなりの代償は覚悟してたからな。意識を保てるぎりぎりまで情報を集めよう。


 …………よし、いけた。多分必要な情報は揃った。あとはこれを実行に移すだけだ。こういうスキル持ちがいる可能性は考えてたから、ここに来る前に受付で許可を取って予めギルド裏の倉庫の廃武器の山から壊してもいい物を貰ってきていた。なのでまずはこれを地面に突き立てる。それから意識を集中させて読み取った情報を反芻する。理論通りなら出来るはずだ。いや、やってみせる。



『武器破壊』



 パキィィィン!


 スキルが発動し、振りかざした短剣によって突き立てたロングソードが真っ二つに折れた。


 出来た。やっぱり理論は正しかったんだ。


 スキルとは経験の積み重ねによって形成される物で、僕が予め持っていた『観察』や『読心術』はその典型だ。その事象が起こる条件、その条件を満たす為に必要な動作とそれを完璧に熟すコツ。それらが満たされて初めてスキルとして使う事が出来る。


 そしてそれらは突き詰めると情報だ。僕の持つ『鑑定』スキルはその情報を僕の意識が保つ限りかき集める。それにより普通の人が長い時間をかけてするはずの経験、気付き、掴むはずのコツをたった数秒で手に入れる事が出来、結果としてスキルのコピーが遂行される。


 考えついた時は確証が無かったけれど、これで確かに証明された。限界まで頭痛に耐えたかいがあった。流石にこれを連続しては出来ないから少し休憩して他のスキルもコピーしていこう。



「ふぅ。結構時間かかったけど、結構沢山コピー出来て良かった。」


 そうして額の汗を拭う。


「お疲れ様。沢山頭使うんでしょ?ゆっくり休んでね。」

「ありがとう。でもスキル化してからは代償が軽くなって、連続使用しても大丈夫になったよ。」


 『武器破壊』をコピーした後、言葉にも考えを説明した。その後しばらくは脳を休める為に目を瞑って眠り、起きてからは目についたスキルを順にコピーしていった。


 途中でスキル欄に『瞬間模倣(カメレオンシーフ)』が追加されている事に気がついた。このスキルに対して『鑑定』を使ってみるとどうやら僕がひたすらコピーを続けた事で生まれたものであり、スキル化した時に理論を超えて地力に関するスキルまでコピーが可能になったみたいだった。


 これで、スキルなら全てコピーが出来る。本来なら制限付きでしか出来ないはずが、予想を超えて優秀になってしまった。本当にこの世界の仕組みはよく分からない。でもまあ強いスキルであるに越した事はないからいいかな。


「やる予定だった事は全部終わったし帰ろうか。今日は結構動いたからそろそろご飯が欲しいかな。」

「そうだね。私も凄くお腹減ってる。いつもの量じゃ足りないかも。」

「僕の方は多分足りないな。帰りに露店寄ってかない?そこで何か食べ物買っていこう。」

「うん。」



 そうして露店でそこそこ食べ物を買った僕たちは宿屋に戻ってすぐに全て食べきり、しっかり宿の食事も堪能した。空腹のお陰かいつもよりさらに美味しく感じた。


 その後、満足した気持ちのまま風呂に入って、部屋に戻るとすぐに布団に入った。流石に今日は脳に負荷をかけ過ぎたこともあって、起きているのが辛かったから眠りにつくまでそう時間はかからなかった。



 ふと、目が覚めた。まだ日は昇っておらず、月と言っていいのかは分からないが、それに反射した光だけが部屋を微かに照らしている。


 隣を見ると、言葉が安らかな寝息をたてて眠っていた。今日はだいぶ無理をさせたからな。ゆっくり疲れを癒やして欲しい。


 にしても、目が冴えてきちゃったな。熟睡出来たからもう疲れはとれてるけど、することないしどうしようか。


 あ、そういえば片っ端からコピーしていってからまだ中身の確認してなかったな。今後お世話になるスキルたちだ、しっかり使いこなせる様に熟知しておかないと。


 よし、ステータス。



名前 ツヅリ・ツムギシ

Lv 1

職業 【   (ストーリーテラー)

体力 90

魔力 50

物攻 30

魔攻 20

物防 40

魔防 20

スキル 『鑑定』『読心術』『瞬間模倣(カメレオンシーフ)

    『中級剣術』『中級槍術』『中級杖術』

    『中級弓術』『中級短剣術』『真偽眼』

    『中級斧術』『索敵』『幻影』『瞬歩』

    『武器破壊』『剛力』『騎乗』『斬撃』

    『隠蔽』『魔法剣』『超回復』『調合』

    『魔力回復(強)』『五感強化』

    『第六感』

魔法 

称号 《転移者》《探求者》《蒐集家》

   《jm%d23@あgf》



 うっわ、結構凄い事になってるな。相変わらずステータス値は死んでるけど、スキルだけ見れば相当強くなってる。それに『鑑定』と『瞬間模倣』のコンボしまくってたからか称号が増えてる。まあ、あれだけやればなぁ。正に称号通りの一日だったよね。


 はぁ。こっちの世界に来たばかりの時はあまりのステータスの低さにどうなるかと思ったのにな。今ではそれを差し置いても余りあるスキルが手に入ってしまった。そのせいか、召喚されたのはほんの数日前の事なのに随分と前に感じる。


 そういえば、僕たちはハズレ勇者として追放されたけど、他の皆はどうしてるかな。クラスメイトは特に仲の良い人は居なかったけど、先輩達の中には割と仲良くしてくれている人達もいたから心配だな。あの城でどんな扱いになっているかは分からないけど、無事でいて欲しい。そして次に会えたらあった事色々聞かせて貰いたいな。


 その為にも、今は少しでも自分の力を磨こう。早速明日からは実戦だ。変わらず弱みなステータス値の低さはレベルアップするしかない。


 そうと決まれば明日に備えて出来るだけ体を整えておく必要がある。そういう訳で、僕は再び眠りについた。

 

面白い、続きが読みたいと思った方は星や感想などで応援していただけると幸いです。

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