壊れスキルでお金稼ぎ
稼ぎます。
さて、空腹も満たされてある程度の回復もした事だし、今日も稼ぎに行きますか。
「言葉、今日は昨日色々調べたスキルを実際に使ってお金を稼ぎたいと思ってる。」
「薬草採取じゃないの?それなら昨日と同じだけど。」
「それだと効率が悪いからね。今は何よりお金が必要だから、手っ取り早く稼げる方法をとろうと思う。」
そう、今回は正攻法を使わない稼ぎ方をする。実はちょっとわくわくしてるんだよね。ついつい悪い顔をしてしまいそうだ。
「そんな方法があるの?綴理くんのことだから、危険はないんだよね?」
「ないよ。そしてその為に確認しておきたい事があるからまずはギルドの資料室に行くよ。」
「わ、分かった。何するかは分からないけど信じてついていくね。」
とても不安そうにしていた言葉だったが一応は納得してくれたみたいだな。まあ、僕が全開の笑顔で押し切っただけの様な気がするけど。
……気にしないことにしよう。
「ありがとう。じゃあ早速行こうか。」
ギルド資料室にて
「あった、これが読みたかったんだ。」
そういって僕は一冊の本を掲げた。
「一般的なスキルについて?」
言葉が不思議そうに首を傾げた。
「そう。この本の中に僕の求めてる答えがあるはずだよ。」
ページを捲っていき、暫くして目当てのページを見つけた。
『鑑定』
視界に映るものに関する情報を得るスキル。物体に関しては名前や簡単な説明を見ることができ、人や魔物に対してはレベルなどのステータスを見る事が出来る。それ以外の情報については高レベル者でも確認されていない為、ステータスまでが限度であると推測されている。相手が『隠蔽』スキルを持っていたり、レベル差が有り過ぎる場合には見れない事がある。比較的持つ人が少ない珍しいスキルである。
「やっぱり。あともう一つはどうかな。」
ページを捲ってみたが、探していた単語は見つからなかった。これで確信した。この企みは成功すると。
「えっと、綴理くん?」
「ああごめん。いけそうだよ。全部予想通りだった。確証も得たし、実行に移そうか。」
「なんだか分からないけど良かった。目的地に着いたら説明してくれるんだよね?」
「もちろん。まあ目的地に着いた時点で多分分かると思うけどね。」
そう言って僕は不敵な笑みを浮かべた。
という訳で、目的地にやって来た。
「綴理くん、ここって。」
「そう、賭けをする場所だよ。純粋にゲームをしたり、闘いの結果に賭けたりしてお金を増やす場所。この一帯を見て回った時に見つけたんだ。もしもの可能性を考えて下見はしておいたんだよね。」
「大丈夫なの?」
「安心していいよ。比較的日常の一部になってるみたいで入場料とかも安いし賭け金もそんなに高くないみたいだから。」
「そ、そっか。でも恐い人達がいたりしないかなぁ。」
「問題を起こしたら退場させられると思うから大丈夫なはずだよ。それに、何かあっても言葉は僕が守るから。誰が相手でも絶対に。」
やっぱり不安そうな言葉の目をしっかり見つめ、そう伝えた。これは誓いのようなもので、ここに来ることを考えた時に決めていた事だ。
「綴理くん……」
そうして言葉も説得出来たから一緒に中に入った。
さて、まずは何からやろうかな。完全に運なのは除外するとして、やっぱり対人戦が好ましいな。僕のスキルを最大限活かせるのはそこしかない。まあ後は比較的勝ちやすい闘いの賭けかな。取り敢えず目についたところからやってくか。
「ここ良いですか?」
闘技場での賭けに参加していた中年の男性に話しかけた。ある程度空気感を掴んでおこう。
「おう、なんだ兄ちゃん若いな。こういうとこ来るのはまだ早いんじゃねえか?」
「お金が必要でしてね。本当はもっと堅実に稼ぎたいんですけど仕方なくここに。」
「まあ事情は聞かないでおく。」
「そうしていただけると助かります。」
「で?兄ちゃんも参加すんだよな、この賭け。」
「はい。」
「せいぜい楽しんでけよ。俺は闘いの見やすいとこに移るから、またな。」
結構軽いノリみたいだな。問題はなさそうだ。あとは出場者のチェックをしようか。
『鑑定』
一人頭一つ強い抜けて人がいた。その人に賭けておこう。もう一人同じくらい強い優勝候補の人もいたんだけど、少し前に怪我しているみたいだから今回は厳しそうなのでやめておいた。という訳で本命はこっちじゃないからさっさと手続きしてしまおう。
場所は変わってテーブルゲームのゾーン。
お、やっぱり見知ったゲームがあるな。なんとなくそうかと思ってたけど色々地球の文化入ってるんだよな。物の名前とかも一緒だし。まぁ物の名前に関しては読めない筈の文字が読めたりしてたことからこの世界に来た時に何らかの自動翻訳機能が付与されたと考えられるんだけれど。
取り敢えず今はその点は置いといて、片っ端からやってくか!
三時間後、
「僕の勝ちですね。ご馳走さまでした。」
「あ〜もうなんで全部読まれてんだよ!俺結構このゲーム得意なんだぞ!ほぼ負けたことなかったのに!」
「すみません、僕もこういうのは全般得意なんです。今まで一度も負けたことないくらいには。」
「あぁそうかよ。お前とはもう二度とやりたくねぇな。」
「そうですか、それは残念です。気が変わったらその時は。それでは。」
という感じで全ての対人ゲームを負けなしで完走した。
「凄かったね。まさか本当に全勝しちゃうなんて。」
「言ったでしょ、勝てる確証は得たって。」
言葉に褒められて気分が良くなった僕は、自慢気にそう言った。対して言葉は、
「それに関しての説明はまだだったよね?」
ずっと気になっていたらしく、勝利の絡繰を聞いてきた。何も知らせずに黙々と勝負だけしてたもんな。じゃあそろそろ種明かししよう。
「そうだったね、でも簡単な事だよ。僕のスキルを使っただけ。ギルドの資料を確認したのは僕のスキルが普通のスキルじゃない事を確かめる為だったんだ。一般的じゃなければ普通の人には対応出来ないから確実に安全に勝てると思って。まあ、『読心術』がなくても勝てたんだけど、念には念を入れてね。」
「そっか。理由はよく分かったよ。なんかイカサマしてるみたいではあるけれど。」
「できれば正々堂々勝負したいんだけど、今は負ける訳にはいかなかったから使えるものは使わせてもらったよ。ちなみにバレたらイカサマになるっていう点においても知られてないスキルなら大丈夫だって思ってた。確信犯だね。」
「そこまで考えて……。でも、しょうがないよね。何も出来てない私が言えることじゃないし。」
「そんなことはないよ。言葉が隣に居てくれてるだけでだいぶ落ち着いて対戦出来たから。感謝してるよ。」
「そ、そうかな。役に立ててたのなら良かった。」
「よし。じゃあ最後に闘いの賭けの結果の確認をしに行こうか。『鑑定』を使ったかいがあったら良いんだけど。」
気を取り直して闘技場に向かった。
「優勝者はっと。うん、上手くいった。こればっかりは壊れスキル様々だね。」
さて、どれだけ増えたかな。おぉ!これ軽く二十倍くらいいったんじゃないか?あの人見た目は強くなさそうだったからなぁ。賭けた人少なかったんだな。
「やったね。今日一日で結構お金増えたんじゃないかな。」
「うん。これで当分生活出来そうだね。まあ少し別のことにも使うつもりではあるんだけど。」
「別のこと?」
言葉が怪訝そうに首を傾げる。この案も急な思い付きだからそういう顔になるよね。毎度毎度すみません。次からは予め説明する事を心掛けよう。
と内心反省した所で提案をする。
「最低限の武器を買おうと思って。明日からは少しずつ魔物討伐をするつもりだから。流石に賭けだけで生きてく訳にはいかないでしょ。」
「そうだね。じゃあこの後すぐ買いに行くの?」
「うん。武器屋ももう見つけてあるんだ。」
と、言う訳で次の目的地は武器屋に決まった。
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