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【二章完結】青春ストーリーテラー〜世界を越えて、愛を紡ぐ〜  作者: 夢刻 綴
一章 不遇職のハズレ勇者
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ぬくもり、そして幸せな朝

「ん……、朝か。」


 ふにっ。


「なんか、あったかくて柔らかい……。」


 ふにっふにっ。


「んっ。んんっ。」


 なんだっ⁉

 ……っ!まさか、これは……


 振り返った瞬間、優しげな瞳と目が合った。


「おはよう、綴理くん。」

「っっ!お、おはよう!っとこれは、その、なんというか……。」

「いいんだよ。昨日も言ったでしょ。綴理くんの好きなようにしていいって。胸を揉まれたくらいで怒らないよ。ちょっとくすぐったかったりはするけど。」

「そう、だったね。でも寝惚けてたとはいえ朝からごめん。」

「もう、気にしなくていいのに。私を求めてくれてるのかなってちょっと嬉しかったくらいなんだよ?」

「そっか。それなら良かった、のかな?」

「うん!」


 言葉の笑顔を見たら、それで良いような気がしてきた。本人がそれでいいって言ってるんだしな。ここはそれに甘えさせてもらおう。


 にしても、今日はすっごくすっきり目覚められたな。

 いつもだったら眠い中無理矢理起きてたのになぁ。急にどうでもいい事で起こされて八つ当たりされたりしてたし。こんな風に幸せな朝を迎えられるなんて考えたことなかった。

 でも、これからは毎日こうやって朝から大好きな人と一緒に目覚められるんだよな。本当に幸せだ。


「よし!なんかすっごくやる気出てきた!」

「ふふっ、私のおかげ?」

「そうだよ。言葉のおかげ。本当にありがとう。大好きだよ、言葉。」

「うん、私も大好きだよ、綴理くん。」


 そうして僕たちは互いに見つめ合い、どちらからともなくキスをした。それは本当に軽く触れ合うだけのものだったけれど、僕たちにとっては十分お互いの気持ちを感じられる、甘い、甘い、キスだった。


 暫くして、惜しむように唇を離した後、また笑い合った。

 こうして幸せに包まれて、一日が始まった。



「おはよう、昨日はよく眠れた?」


 部屋から出て階段を降りた先には心なしかニヤついている女将さんがいた。

 その顔を見て色々と察した。

 仕組まれてたか。まぁ、そのおかげで今幸せなんだけど。

 お礼くらいは言っておくか。


「はい、おかげさまでよく眠れましたよ。お気遣いありがとうございました。」


 そう言ってさりげなく言葉と繋いだ手を見せた。


「あら!ふふっ、それは良かったわ。」


 そう言って女将さんはとても嬉しそうに笑った。こういうの好きなんだなぁ。

 まぁ、それはさておき朝ご飯だ。昨日は色々あって結局何も食べてないからな。


「女将さん、朝食は何が食べられますか?」

「あ、そういえばご飯に関しては詳しく言ってなかったわね。基本ここは日替わりで朝と夜それぞれ2種類から選んで貰う形になってるわ。今朝だとラピットラビットのシチューのセットかファントムバードのステーキのセットね。どっちがいいかしら。」


 どっちも魅力的だ。これは悩む。


「どうしようかな。言葉はどうする?」

「私はシチューの方がいいかな。朝はあったかくしたいから。」

「そっか、それだったらせっかくだし僕はステーキの方を頼むかな。今日はこれから動くからしっかり食べとかないと。」

「決まりね。じゃあ食堂で待ってて。そんなに時間はかからないから。」


 そうして女将さんは奥へと戻って行った。


 食堂で朝食を待っている間することもないので周りを観察してみると、冒険者らしき格好をした人達が多くみられた。

 ダイスさんの言っていたとおりだな。実際泊まってみて分かったが、ここの宿は冒険者にとっていい条件が揃っている。人気も出る訳だ。


 なんて考えていると、朝食の用意が出来たようで、僕たちの席まで運ばれてきた。

 女将さんと話している感じをみると、どうやら娘さんがウェイトレスをやっているようだ。


「シチューとステーキ一セットずつですね。シチューは特に熱いので気を付けてくださいね。あ、お兄さん達ほどでもないか。ふふっ、ごゆっくりどうぞっ。」


 とても楽しそうに朝食を置いていった。あの親にして子か。まぁ、あまり否定も出来ないんだけど。


 そうしてふと言葉の方を見てみると、そこには頬をほんのり紅く染めて恥ずかしそうに、けれどどこか嬉しそうにこちらに優しい笑顔を向ける言葉の姿があった。

 僕が笑顔を返すと更に嬉しそうな、弾ける様な笑顔に変わった。


 なんだこの可愛い過ぎる生き物は!あ、僕の彼女か。幸せ過ぎるっ!今まであいつらリア充はこんな幸せを感じて生きていたんだな。人生損してたわ。まぁこれから取り返していけばいいしな。今は言葉を愛でる事に集中しよう。


 それから二人でお互いに少しずつ自分のメニューを食べさせあったりして、最高の時間を過ごした。

 もちろん朝食も最高に美味しかった。

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