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日常が終わり、物語は始まる 

初投稿です。温かい目で読んでいただけると幸いです。

「綴理、ありがとな!」

「あぁ、良かったな。彼女大事にしろよ。………いったか。はぁ、また一組リア充を生み出してしまった…」


 彼女いない歴=年齢の男子高校生である僕、紡詞 綴理(つむぎし つづり)は、やり遂げた達成感とほんの少し絶望感を感じながら昼休みの時間を過ごしていた。


 母親がきつい性格で幼い頃から親の顔色ばかりを伺っている生活を続けたせいで、外に出ても人の顔色を常に伺うようになっていた僕は、そのおかげといってはなんだが表情や行動などからその人の性格やどんな事を考えているかを大体把握することが出来る様になっていた。

 今では人を観察して得られる発見や、その人が持つ感情を理解し周囲の人間関係を知ることが趣味の一つとなっているし、実際役に立っているのでそんなに気にしていない。


 それはさておき今はちょうどその趣味の一環で友達の恋愛を後押しした結果上手くいったところだ。

 もう何度目か分からないリア充の生産を終え、そのリア充達を羨ましくも思いながら、自分はそうはなれないんだよなぁなんて考えながら、いつものように物語を読む事で現実では味わうことの出来ない主人公としての人生を心に刻むというもう一つの趣味に時間を費そうとしていた。

 そうやって現実逃避なんかしなくても、他人の彼女作れるんなら自分の彼女の一人くらい作れるんじゃないかって?

 いやいや現実はそうはいかないんだよ。

 僕個人のステータスとしては、自分で言うのもなんだが成績優秀であり、運動は割と何でも出来る方、容姿は普通で、ちゃんと友達はいるし、家事全般も問題無く出来る、能力的には平均より上の高校生だとは思う。

 そんな感じだから、彼女の一人くらいいても良いはずなんだが、これがどうしてか人の好意の対象にならないんだなぁ。

 悪意の対象になったことは多々あるのだが。

 普段の存在感の問題か?

 髪長めでいつも前髪で目が隠れかけているから暗い印象は確かにある。

 後ろにいても全然気付かれないし、声をかけたら友達でさえ驚いて、いつからいた!?っていうし、影が薄い自覚はあるよ。

 でも一度認識して貰えればちゃんと忘れられないくらいの存在感はあるんだよ?

 もうこうなると人生の主人公にはなれない呪いでもかかってるんだろうかと思ってしまうよ。

 まあそんな冗談はこの辺にして、(これ以上はみじめになりそうだし)読書でもしようか。



 暫くして、昼休み終了のチャイムが鳴った。

 さて授業の準備をしようかと読んでいた本から顔を上げた瞬間、目の前の視界が歪み始めた。

 本に熱中し過ぎて目が疲れてるのかと思ったのだが、どうやらそうではないらしい。

 周りのクラスメイト達も一様に驚き騒いでいる。

 そんな中、比較的冷静に状況の把握に努めようとしていた僕だったが、本格的に上下左右の感覚が分からなくなってきて、ついに思考を続けられなくなりそのまま気を失った。

 その直前、


「この時を待ってた。」


 声が聞こえた気がした。

ここをこうした方がいいなどの感想がありましたらどんどん書いて下さい。文章の質の向上に役立てます。

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