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夜汽車に揺られ

作者: 荒地野菊

 早朝、まだ朝日も顔を出す前のひんやりとした朝。蒸気機関車に引かれた客車はレールの繋ぎ目を越える度にガタン、ゴトン、と音をたて、揺れる車内からは寝息と軋む車体の音が響いていた。


 列車は徐々に速度を落とし、遂には止まる。夜明け前の駅は静寂に包まれ、汽車の蒸気の音だけが聞こえてくる。駅に人影は無い。誰も乗らず、誰も降りない。間もなく、再び汽車が動き出す。徐々に速度を上げ、橋を越えて隧道へと吸い込まれて行く。窓を開けておくと、煤が車内に入るため急いで閉める。隧道には照明が無く、列車の灯りが煉瓦で出来た隧道の内側を照らしている。


 隧道を抜けると空はやや明るくなり始めていた。もうすぐ夜汽車の旅も終わりを迎える。列車の行く先には大きな街が見える。それを知らせるように汽車が大きく汽笛を鳴らした。静寂に包まれていた車内から、ぽつりぽつりと話し声が聞こえるようになる。もうすぐ終点だ。荷物をまとめて旅の終わりを迎えよう。

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