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【助手席にて】

* * *

助手席にて

* * *


オオカミ君の運転で、助手席に座ったことが何度かありましたね。


――突然の出張で、宿泊準備に自宅に戻った時の路駐対策。

――展示会の行き帰り。

――届け物で合流した帰り。


それもまた特別な空間、格別な時間でした。

そこでしか起こらなかった会話もあったと思います。


いつだったか『会社に会話が成り立つ人がいない。僕らの疑問に、まともに応えてくれる大人がいない』と嘆いていました。


そういう話をしてくれるということは、わたしとは会話が成り立つと思ってくれているのかな?とひそかに嬉しく思いました。

(ただただ、そもそも眼中になかったのかもしれませんけど)


そんな会社や上の人間への憤りも、将来のビジョンも、偉人の話も、色んな話をまっすぐに話してくれましたね。


若さがまぶしくて、普通にカッコいいなと思っていました。

20年後のあなたにも会いたいと思いました。そして、20年後もこうして一緒に仕事をしてはいないのだろうとも思いました。


ここに、ずっと居ていい人ではないと思っていました。


その中で、一度ファーストフード店のドライブスルーに寄ってくれたことがありました。


オオカミ君が『好きなのどうぞ』と言ってくれて、わたしは「バニラシェイクのS」を頼みました。

その後、会社の近くのコンビニの駐車場に停車して、少し休憩してから戻りましたね。

お天気でとても心地の良い時間でした。


会社の外では、こんな休憩時間を過ごしているんだなと、社内勤務のわたしには、とても新鮮でした。

ささいなことでも、知らない世界を覗いた思いでした。


☆ ☆ ☆


あなたが会社を辞めた後も、一度、助手席に乗せてもらったことがありましたね。

乗ってきたオオカミ君のおじいちゃんの車。


営業部でのランチ会の後。

車に乗り込むオオカミ君に、条件反射的で付いていってしまい、


(あ、会社の車じゃ無かった!)


と気づいて、オオカミ君と顔を合わせて、恥ずかしい思いをしました。

慌てて、きびすを返して顧問と営業部長の車の方に移動しようとしたところ、


『いいですよ。』


と呼び止めてくれて、また助手席に乗せてくれましたね。


それも、とっても嬉しかったです。ありがとう。


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