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【分かち合い】

* * *

分かち合い

* * *


ちょっと疲れがたまっているところに。

複数の顧客対応を一人でまわさないといけなくて。しかも、本来担当外のことが重なって、あげく自分の落ち度じゃないことで、謝って。

そんなことが重なる日がありました。


イライラして、それが顔や態度に出てしまい、(わたしってダメやなぁ~)と思っていました。

わたしのくだらないところです。


そんな時に、オオカミ君が、営業先から帰ってきました。

やたら上機嫌で、いつもの調子でからかってくるものだから、イライラをぶつけてしまう前に、

「今、”イーッ”ってなってる(イライラしてる)から、そっとしといてくれる?」

と言いつつ、せっかくの上機嫌を損ねてしまわないかと、ちょっと心配していました。


けれども、機嫌を損ねるどころか上機嫌のままのあなたが、

『じゃ、僕が和ませてあげますよ!』と無邪気に返してくれました。

その返答になんだかホッと安心して、気持ちもホロっとほどけました。

そして、思わず笑顔になって

「ふふ。実際、今ので和んだわ」と返しました。


すると、他の人には聞こえないように、あなたが小声で何か言ってきました。

聞き取れなくて、「何?」って聞き返しましたら、正面から顔を近づけてきて、やっぱり小声のまま『機械売れました。・・・4000万♪』とほこらしげ。


「えー!!! すごいやん!

 今日は、そのつもりでお客様んとこ行ってたん?」と感心しながら質問すると

『いや、ちがいます。200万の機械の方の注文書をもらいにいったんですけど。』

と、あなたにとっても想定外の受注だったようで、大変嬉しそうでした。

そして、また小声で『まだ営業部長は知らないんで!』と。(だから小声だったのね)



きっと、帰ってきてすぐ、その話がしたかったんですね。本当は先に営業部長に報告すべきだったんでしょうけど、誰かに話したくて我慢できなかったんですね。


あなたの喜びを思いやると、本当に心が和みました。

また、あなたが”この喜び”を、私と分かち合えると思って疑いない感じだったことが、わたしには何より嬉しかったんですよ。



いつも、わたしの機嫌に惑わされずに、マイペースで接してくれて、感謝していました。


 ”産まれてきてくれて、ありがとう”


やっぱりオオカミ君は、私の大事な人です。


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