【分かち合い】
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分かち合い
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ちょっと疲れがたまっているところに。
複数の顧客対応を一人でまわさないといけなくて。しかも、本来担当外のことが重なって、あげく自分の落ち度じゃないことで、謝って。
そんなことが重なる日がありました。
イライラして、それが顔や態度に出てしまい、(わたしってダメやなぁ~)と思っていました。
わたしのくだらないところです。
そんな時に、オオカミ君が、営業先から帰ってきました。
やたら上機嫌で、いつもの調子でからかってくるものだから、イライラをぶつけてしまう前に、
「今、”イーッ”ってなってる(イライラしてる)から、そっとしといてくれる?」
と言いつつ、せっかくの上機嫌を損ねてしまわないかと、ちょっと心配していました。
けれども、機嫌を損ねるどころか上機嫌のままのあなたが、
『じゃ、僕が和ませてあげますよ!』と無邪気に返してくれました。
その返答になんだかホッと安心して、気持ちもホロっとほどけました。
そして、思わず笑顔になって
「ふふ。実際、今ので和んだわ」と返しました。
すると、他の人には聞こえないように、あなたが小声で何か言ってきました。
聞き取れなくて、「何?」って聞き返しましたら、正面から顔を近づけてきて、やっぱり小声のまま『機械売れました。・・・4000万♪』とほこらしげ。
「えー!!! すごいやん!
今日は、そのつもりでお客様んとこ行ってたん?」と感心しながら質問すると
『いや、ちがいます。200万の機械の方の注文書をもらいにいったんですけど。』
と、あなたにとっても想定外の受注だったようで、大変嬉しそうでした。
そして、また小声で『まだ営業部長は知らないんで!』と。(だから小声だったのね)
きっと、帰ってきてすぐ、その話がしたかったんですね。本当は先に営業部長に報告すべきだったんでしょうけど、誰かに話したくて我慢できなかったんですね。
あなたの喜びを思いやると、本当に心が和みました。
また、あなたが”この喜び”を、私と分かち合えると思って疑いない感じだったことが、わたしには何より嬉しかったんですよ。
いつも、わたしの機嫌に惑わされずに、マイペースで接してくれて、感謝していました。
”産まれてきてくれて、ありがとう”
やっぱりオオカミ君は、私の大事な人です。