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【世話焼き係】

* * *

世話焼き係

* * *


あなたが一番分かっていると思うけど。


私は ”世話焼き係” です。


性格が”世話焼き”なのではなくて、ただただ女性陣の中で年長者であり、それに伴って勤続年数が長いが故に、自然と割り振られた”世話焼き係”という役割。


もちろん性格によるところも大きいとは思いますけどね。


だから新入社員の小さくて多様な問題を、多忙な上司の代わりに対応することになるのは自然のことです。

会社にとっても、部課長格にしょうもないことで時間を取らせない為にも、必要な役割だと思います。


これはオオカミくんに限らずに、あなたの先輩の時もそうでしたし、あなたの後輩の時もそうだったことを、あなたは知っていると思います。



18年前のソフトの使い方を教えたり、

上司やお客様に提出する書類の事前チェックをしたり、

15年も前の昔の資料探しを手伝ったり、

机周りや作業した後の散らかしを片付けたり、

外出中に発生した急ぎの書類を見よう見まねで用意して、市内まで届けたり、

忘れ物を取りに行ってる間の架空のアリバイを作ったり。


わたしの経験値で対応できることは惜しまず、協力してきました。


愚痴があれば、話を聴いて、なだめたり、すかしたり。

お腹が空いたら、おやつをあげたり、

一人暮らしをするからと、実家にあった未使用の家電を提供したり、

金欠になったら、乾麺や調味料を差し入れしたり、時にはお金も貸したり。


わたしの持ちうる愛情は惜しまず、注いでいました。(むしろセーブ気味で。)


あなたの怒りも喜びも、正面から受け止めようとしました。


それが”世話焼き係”の務めだと思っていました。


出し惜しみしなかっただけなんですけどね。

それに伴い、一層頼られることが多くなり、

それに伴い、会話が増えて、

それに伴い、関わりが深くなって、


そうして特別なものに変わっていきました。

いつしか、あなたは大事な人になりました。


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