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ロイヤルブルー(簿外作品)

ロイヤルブルー 2

作者: 恵美乃海

 固有名詞については、昭和30年代、40年代的趣味が、好みなのかな、と思います。


 キラキラネームは苦手ですね。


 ロイヤルブルー。

 青の列島。


 人として最高の頭脳、

 最高に美しい容姿。

 静かで穏やかで、愛と優しさに溢れた

なんの欠陥もない人のみが住む、

青の列島。


北から4つの島。

RB 1から、RB 4には、人は住んでいない。

RB 12が、首都島。

最も南に位置するRB 16が、最も多くの人が居住する。


RB 1  以の島

RB 2  呂の島

RB 3  波の島

RB 4   仁の島

RB 5  保の島

RB 6   遍の島

RB 7   止の島

RB 8  知の島

RB 9  利の島

RB 10 奴の島

RB 11 留の島

RB 12 乎の島

RB 13 和の島

RB 14 加の島

RB 15 与の島

RB 16 太の島


16の島を持つ青の列島。

16の島を合計した総面積は、700万平方キロを超える。

16の島を合計した総人口は、

100万人をわずかに超える程度。


島に居住するのは、天使のごとき容姿を持つ幼子。

美少年、美少女。美青年、美女のみ。

成熟という形容が相応しい年齢の大人はいない。

全てのひとが、40歳未満であった。


住民は、黄色系人が最も多いが、黒人系人、白人系人もおり、そして、それらの混合系人が約六割を占める。


 ひとは、樹々と花に覆われた広大な敷地の中に建つ青紫系色を基調とした、広い、が、決して大き過ぎることはない木造家屋に住む。


食するは、寒冷地系のフルーツ、寒冷地系で実質本位のデザート、寒冷地系の穀類、寒冷地系の野菜。

飲するは、寒冷地系フルーツ、寒冷地系野菜のジュース。


着するは、男女ともに、ボタン付きセーター、ボタン付きトレーナー、ボタン付きブルゾン、ボタン付きパーカー、カーディガン、ダブルボタンコート、厚い防寒着に、寒冷地仕様のスラックス、作業用ズボン。

寒冷地仕様のブーツ、スニーカー。

過剰に装う者、化粧する者はいない。


 僕は、RB 12。首都島に住む。

小川家(黄色系人)。

両親は、

35歳の父(ジョン保)。

34歳の母(メアリー敬子)。

18歳の双子の兄(トマス省一)、姉(エリザベス章子)。

16歳の僕(ポール礼二)と、双子の妹(パトリシア宣子)。

14歳の弟(ウィリアム耕三)。

12歳の妹(モニカ朋子)

と家族として暮らす。


 隣家、下村家(黄色黒色混合系人)には、14歳の、艷やかで甘い香りの黄褐色の肌、神秘的なオーラと、愛と優しさに溢れたその内面が生み出す最高の可愛さを併せ持つ、聖なる美少女(キャサリン寛子)が住む。

僕の恋人だ。


 だが、前記の容姿に関する形容は、この列島に住む全ての少年、少女、幼子に相応しい形容だ。


 この青の列島に労働はなく、創造もない。


 ロイヤルブルー。


 いと高き神聖。

 いと高き思想。

 いと高き芸術。


 完成された理想。

歴史となる過去はなく、進化するべき未来もない。


 僕は、ここで、どれだけの時間を過ごしたのだろう。

いや、時間は意味を持たない。


 完全なる今。

 理想の今。

 永遠の今。


 ロイヤルブルー


 青の列島


 人ではない人が住み、

 時間ではない時間が流れる世界。



 ロイヤルブルーは、あってはならない世界。

 ロイヤルブルーは、あってはならない観念。


 ロイヤルブルーは、もういらない。

人にとっては、不要な世界、不要な観念だ。


 人は、人の元に還る。

 そして、神もまた人の元に還る。


 神は、人びとの神となるのだ。





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