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『・・・・落ち着いたか?』
「うっうん・・・・その・・あ、ありがとう」
『気にすんな家族だろ?』
「!・・うん‼」
そう言って柔らかな笑顔で待っていてくれたのは俺の新しい家族になった精霊の竜で30㎝位の少年?だ。
「ねっねぇ本当にいいの?」
『何がだ』
「俺なんかの家族になってくれること」
『いいんだよ。それは俺が決めたんだ。
決めたことには責任を持たないとな、そうだ。カイに話しとかないと駄目な事があったんだ。
俺は、て言うか精霊とかは宿主 (これはカイな)にしか見えない、他の人には俺の姿も声も聴こえないから、話すときは心のなかで俺のことを思って話せば俺に聴こえるし思わなければ、俺には聴こえないから。
人前で話してたら、またイジメが酷くなるからな。』
《うん・・・これでいい?》
『完璧だ!じゃあもう暗くなってきたから、家に帰ろうぜ』
竜がいるからかな、いつも家に帰るのはいやだったけど、今はとっても幸せな気持ちだ。
※カイの家※
「着いたよ。ここが俺の家だよ」
『俺のじゃなくて俺達のな』
「そうだったね」
『ここがカイの家か・・何て言うかボロいな』
「はは、だよね。でも俺にはちょうどいいんだ。今は独り暮らしだからね。そうだ。なか見ても驚かないでね」
─ガラガラ
『うっ・・わ。これは、ちょっと・・・汚すぎるだろ!なんだこれ!それに・・くっせぇ
よしカイまずは片付けだ。まず、紙とプラスチック、缶、ペットボトルを分けろ。ゴミ袋は・・あるな。それに種類別に入れて、紙だけは別に重ねておいておけ。後洗濯物は一ヶ所に固めておいて。床をほうきで掃いて、キッチンの溜まった食器は半分の五枚とコップ三個だけ洗おう。』
───2時間後
『とりあえずこれで住めるようにはなったな』
「疲れたぁぁこれで終わったね」
「なに言ってんだ?明日もするに決まってるだろ?明日は土曜なんだから」
「・・・・・・・え?・・・・・・・えェェェェ!?」
───24時カイの家
「・・・・・スゥ・・・・スゥ」
『・・・・・・よく寝てるな』
一人か・・・・一人じゃぁないんだけどな。
カイ・・お前にはお前の事が大好きな人が憑いてるんだぞ。お前の○○○が憑いてるんだ。
って言うのは酷かな・・・自殺しようとするまで心が擦りきれているのに、大切な人がもういないなんて・・言えないよな
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そう思いながら竜はカイを見る。
肩まである傷んだオレンジの髪に痩けた頬、ストレスによってぼろぼろの肌体は痩せてる文字通りボロボロの体。
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愛の力はすごいよな・・あの場に偶然俺が出て、カイが偶然いて偶然俺らが家族になったって言うのは出来すぎだしな。
「・・うっ・・・どうして・・なんで・・なんで・・・まってよ・・・まっておいてかないで・・・お母さん・・いかないで・・・・」
「いっいやだ・・・やめて・・・なんで・・さっきまで・・・あそんでたのに・・・・・なんで無視するの・・・」
『魘されてるな。大丈夫だカイ俺がいるぞ怖くない大丈夫だ』
そう言いながら、カイの頭に手をおいた手から暖かい光が出て次第に静かになっていった。
『俺が守ってやる。お前が克服できるまで、俺が隣にいてやるから、今は安心して寝ろ。』