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俺の家族は精霊  作者: 霊馬の亡霊騎士
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精霊と少年

初めまして。

霊馬の亡霊騎士です。この小説が初投稿となります。拙い作品ですがよろしくお願いします。

夕焼けが古墳を赤く染める夕方ここ、松原古墳公園の古墳の外堀の池の側に一人の少年がいた。


その少年は小学六年生位で夕焼けと同じオレンジの髪に明るい茶色の瞳をしている。


「はぁ・・・このままこの池に飛び込んだら楽に死ねるかな・・・・・」

俺は富福 絵画(とみふく かいが)この春六年生になったばかり・・・なんだけど。

生きるのに疲れて、苦しくて、死にたくなったから、今日ここに来た。


『なんだ なんだ⁉今にも自殺しそうな奴がいるじゃん』


何処からともなく聞こえてきたその声は俺の気持ちとは真逆の楽しそうな声だった。


「だっ誰!?誰かいるの!」


『誰って、誰でしょう~か?当ててみな』


そう言ってその誰かは俺をからかうように笑っている。

誰でしょう?って言っても、近くには誰もいないし、回りにあるのは錆びたベンチと苔むしたり、欠けたりヒビがはいってる石碑と正面にある古墳だけだし。


「当ててみなって言ったって・・・・誰なの!イタズラしないで出て来いよ!!」

[ポッン!]

『おお怖い怖い。そんなに怒ると頭悪くなるよ?はっはっは!』


そして出てきたのは30㎝位の青が混じった銀髪をウルフカットにして赤と紫のオッドアイの小さな少年だった。

その少年は怖い怖いと言いながらとてもいい笑顔で笑っている。


「君は・・誰?」

『俺か?俺は精霊だ!精霊の騎士夜 竜王(きしや りゅうおう)って言うんだ!よろしくな!お前は?』

「俺は、富福 絵画・・・です。」


『絵画か!いい名前だな!俺のことは竜って読んでくれ。』


「うっうん、竜・・・・っでい・・い?俺のことはカイって呼んで欲しい。」


『おう!それでいいぜ!よろしくな!カイ』


「・・・・・・・・ひっぐ・・・うぅぅ」


『おいおい‼どおしたんだよ!な、泣くな。なんか俺嫌なことした?したんなら、謝るからどうか泣かないでくれ!』


「ひっぐ・・・ひっぐ・・・ううん・・嫌なことじゃあ・・・ないよ・・・うっぅぅ・・・ちゃんと名前を呼んでもらったのが・・・久しぶりで嬉しかった・・だけだから」


『えっ!?どういうこと?親は?友達は?』


「・・お父さんは産まれた時からいなくて、お母さんは、もう一週間家に帰って来てない。

・・・友達は・・俺、学校でいじめられてるから、いない。」


『・・・・・・・』


「でも・・・よかった。最後に竜に会えて。」


『え?どういうことだ』


「俺、今日ここに自殺しに来たんだ。

もう生きるのに疲れたんだ。毎日毎日同じ事の繰り返しで、誰もいない家。学校でいじめられる毎日。家に帰っても誰もいない、ゴミだらけの家。俺の味方は一人もいないし、寂しいし、辛い。


だから死のうって」


『・・・・・』


「ありがとう。竜、最後にいい思い出が出来たよ」

『・・ねえよ・・・・フッザケンジャねえよ!!!!!

何が最後にいい思い出が出来たよっだ!勝手に自分で自分のゴール決めてんじゃねぇよ!くそが‼』


「うるさい!もういいんだ‼お前に俺の気持ちが分かるか!親にも捨てられて!友達もいない!頼れる人もいない!この気持ちが分かるか‼」


『分かるわけねーだろ‼お前はお前だけなんだよ!

他の誰でもない。お前だけなんだ!お前をわかるやつは。

地を這ってでもいいから、足掻いて見ろよ!足掻いて、足掻いて、それでも駄目なら助けを求めろ!自分のなかで完結してんじゃねえよ!誰も助けてくれなかったら、俺が助けてやる!

家族がいなけりゃ俺が家族になってやる!

だから・・・だから俺を・・回りを頼れ‼』


そう言って竜は俺を救ってくれた。

これが。これから長い付き合いになる、小さな妖精と俺の最初の出会いだった。

最後までお読みいただきありがとうございます!\(^o^)/


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