継続のキャラ崩壊
あれから数週間が経過した。
「おはよう、櫻田」
「おはよう、東間。今日も良い天気ね」
「あっ、あぁ…そうだな」
キャラ崩壊はまだ続いていて、東間は非常にやりづらさを覚えていた。
「ん?どうしたの?」
櫻田が東間を心配そうな目で見る。
「お前…本当に大丈夫なのか?本当は具合悪いんじゃ…」
「東間。昨日もそのまた昨日もそうやって聞いたよね?」
正直、もう数えきれないほど東間の『具合悪いんじゃ…』は聞き飽きていた。
「そりゃあ、毎日聞きたくもなるわっ!あれからお前がおかしくなったんだからっ!」
もうこっちがおかしくなりそうだわ。と東間は朝から叫ぶ。
正直近所迷惑だったが、東間の気持ちも分からないわけではない櫻田。
「もう…大丈夫だって言ってるのに。東間ったら心配性なんだから」
「…あぁ~」
東間は頭を抱える。
『誰か助けてくれぇ…』と、東間は心の底から神様に願ったのだった。
学校へと到着し、東間と別れて自分の教室へと入ると稲井が挨拶してきた。
「おはよう。櫻田さん」
「おはよう。稲井君」
「今日もリボンしてるんだね」
「うん。そうだよ」
あれからリボンを継続して付けている。
ネクタイも久々に付けてみたいと思うものの、櫻田はぐっと堪えて我慢していた。
それを察してか稲井が櫻田に、「…あんまり無理はしないでね?」と言ってきた。
「えっ?」
櫻田はその言葉を思わず声にする。
『無理しないでね』がいったいどういう意味で使ったのかは分からない。
しかし、櫻田は稲井の言う『無理しないでね』は、ひょっとしたらあのことで無理をするなと言
っているのでは?と思ってしまう。
「頑張ってね」
「あぁ…ありがと?」
櫻田は『道久君が話したのかな?』と思った。しかし、あれは二人だけの秘密と約束したのだから
、畑本が稲井に話すなんて有り得ない。しかし、それでは稲井の言う『無理しないでね』と『頑張
ってね』の説明がつかない。とすると、考えられるのは…エスパーである。
「…」
櫻田はちらっと自分の席から稲井を見る。
すると稲井は自分の席でいつの間にか眠ってしまっていた。
それを見た櫻田は…「んなわけないか」と小さく呟くと、机の中を整理するのであった。
その頃、東間は畑本に『今日の櫻田』を報告していた。
「道久君。私…どうにかなってしまいそう」
東間はすっかり櫻田のせいで体調を悪くしていた。それを見た畑本は、「あらら~大丈夫?保健
室、行く?」と尋ねる。
「大丈夫…」
「そう?無理しないでね?」
「うん」
畑本は自分の作戦が順調に進んでいることに満足する。
しかし、彼らがどう動くかによって自分の作戦が成功するか失敗するかが決まる。
『成功すると良いけどな…』
もちろん、心の中では自分の作戦が成功することを願う畑本道久なのだった。




