表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記録  作者: 水
1/9

 変わった趣味だと自分でも思う。高校生になった今なら、それは両親と三つ上の兄の影響が大きかったことがわかる。両親は兄と僕に英才教育を強いることはなかった。だが同棲中の彼女がデスクの上にゼクシィを放り出しておくように(現在大学生の兄はこのたとえを気に入っているが、何が面白いのか僕にはわからない)、両親は僕らの周囲にナショナルジオグラフィックだとか、ニュートンだとかのちょっとアカデミックな雑誌を置いて、自発的に自然科学に興味が向くように仕組んできた。

 素直な兄弟は流されるままに勉強熱心な子供に成長した。僕らは、幼いころから分子模型をいじりまわし、未知の有機化合物を組み立てて喜んでいる気味の悪い子供だった。これも両親の教育の成果だ。

僕ら兄弟は同じ運命をたどるかに見えたが、それが別れたのは僕が高校生になってからだ。僕と兄は三つ違い。兄は、自然科学についてより深く勉強したいとと考えて理系選択をし、大学では工学部に入学した。現在、大学二年生だ。

 一方の僕は両親の企みに気付き、高校に進学した時点で自然科学の道に進むことを拒否していた(兄も気付いていたかもしれないが、拒否はしなかった)。そして高校二年生になった現在、文系クラスに所属している。僕が言うのもおかしいが両親は賢明で、進路への過干渉が、結果として息子の反発を招いてろくな結果を生まないことを心得ていたから (ロミオとジュリエット効果と言うらしい)、僕の選択に反対こそしなかったが、どこで教育を誤ったのかと首をひねったことだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ