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明日に繋がる道リメイク版  作者: minoarei
第二部 球技大会
24/42

球技大会開催、第一試合!is山戸川高校

 今日は待ちに待った球技大会第1日目。

 今日明日と、本戦出場をかけた予選日だ。

 各クラスごとに、気合いの入り方が違う。


 午前8時30分、開会式が始まり、校長の有り難くも長ーい話が終わるといよいよ第一試合の試合開始時刻になった。

 第一試合の試合開始時刻は、午前9時からとなっている。

 尚、試合時間は前半後半20分ずつとなっている。


 1年生の試合会場は、男女毎に2つ、2年生の試合会場は、男女毎に1つ、3年生の試合会場も、男女毎に1つとなっている。

 尚、全学年共にメイングラウンドにて、試合が行われる。

 山戸川高校のメイングラウンドの広さは、東京ドームが約2つ分入る広さだ。


 1年生の第一試合は、1年2組男子VS1年5組男子、1年4組男子VS1年3組男子、1年1組女子VS1年6組女子、1年3組女子VS1年5組女子の試合が、2年生の第一試合は、2年1組男子VS2年4組男子、2年1組女子VS2年2組女子の試合が、3年生の第一試合は、3年5組男子VS3年6組男子、3年1組女子VS3年3組女子の試合が行われる。


 1年生の試合会場にて。


 1年生の試合が始まろうとしていた。

 1年2組男子VS1年5組男子の試合会場では1年2組の実質的なキャプテンを務めるFW(フォワード)の榊蒼と同じFWの鳥桧勝が言い争っていた。

 それ以外のクラスメイトは、いつもの事なので、気にせずに準備運動やフォーメーションの確認をしていた。


「だから、俺が言いたいのは、どっちかがFWからMF(ミッドフィルダー)をやらなきゃいけないからお前がやれって言ってんだよ!」

「なんでなんだよ! そっちがやればいいだろ!」

「何回言ったら分かんだよ! 俺より、お前の方が、技術的に上で、それに、MFに向いてるんだよ!

 俺は、実質的なキャプテンってなってるけどMFはお前の方が向いてるんだよ!」

「MFだって!? なんで、オレなんだよ!

 お前の方が周りからの信頼は厚いだろ!

 だったら、お前がやれよ」

「はぁ? MFはお前の方が適任なのになんでそれが、分かんないんだよ!」

「嫌だから」

「この野郎!」


 二人のやり取りは中々終わりそうもない。

 相手の1年5組男子は全員が心の中で1つの事を思っていた。

 それは、『仲間割れしてる奴等には負けないな』と。



 それを遠くの方で静観している者がいた。

 山森健一と白岩涼子だ。


「ねぇ、健一止めなくていいの?」

「止める必要なんてないだろ。

 アイツらを止めたところで、意味が無い。

 それに、アイツらは喧嘩してる方が、アイツららしくていい。

 それに相手を見てみろよ」

「え?」

「相手の奴等を見れば、全員が勝ち誇った顔をしてやがる。まだ、試合が始まっていないのにだ」

「健一は、榊君たちが『勝つ』と信じてるの?」

「もちろん、アイツらが勝つ」

「どうして、そう思うの?」

「アイツらは、ああやっていつも喧嘩してるがそれは、相手の事をお互いが認めているからだ。

 それに、思考パターンが似てるんだよ」

「え?」

「だから、同じ結論に至る」

「………………」

「まぁ、アイツらを信じるしかねぇよ」

「そう……だね」

「さてと、試合開始まで時間があるし、

 ゆっくりするかな」

「私も一緒にいい?」

「もちろん」


 二人は、いつも通りの仲睦まじさだ。


「蒼……」

「なんだ、勝」

「MFだけど、他の人じゃダメなの?」

「…………」


 蒼は、ニヤリと怪しく笑みを見せた。

 蒼の口調にも変化が………。


「そうだな、そうするかァ」

「君って、性格変わるよね」

「ハッ、んなこたァ関係ねェ。

 おい、室柳(むろやぎ)

「なんだよ、榊」

「お前、MFやれ」

「はぁ、そう来ると思ったよ」

「やんのかァ、やらねぇのかァ、どっちなんだよォ」

「はぁ、やるよ。やる以外の選択肢は無いんでしょ」

「当たり前だろォ」

「はぁ、分かったよ」

「さてと、勝。分かってんだろォなァ」

「当たり前さ、オレも本気でやらせてもらう」

「相手が勝ち誇ってるならそれでいい。

 いいもの見せてやろうぜェ」

「もちろん」


 二人は、喧嘩していた時とは打って変わって、完全に相手の事を理解していた。


 そして、試合が始まった。

 1年2組は、前半の間は一切攻めに転じずに、守りに徹していた。

 得点は一切入らず、0対0のままハーフタイムへ。

 5分ほどのハーフタイムを挟むと後半が始まった。

 1年5組のキックオフで後半が始まった。

 前半とは、打って変わって、FWの二人は、攻め込んでくる相手を無視して、敵陣へと切り込んで行く。

 相手のFWは、そのまま進んでいき、MFの二人を突破すると、3人目の室柳を突破しようと、左右に揺さぶりをかけて、突破しようとした時には既に手遅れだった。

 一瞬のうちにボール奪うと、敵陣へと切り込んで行った二人に向けて、ボールを蹴り出す。


「榊、鳥桧! 後は頼む!」


 それに答えるかのように二人は右手をあげた。


「勝、行くぜェ!」

「分かってるよ」


 榊がボールを高く蹴り上げると、その高さよりも遙か高いところに、勝の姿があった。


「全く、ナイスパスだよ。

 さて、止められるもんなら止めてみろ!」


 勝の放ったシュートは無回転で、相手ゴールに吸い込まれて行く。

 相手のキーパーが捕れず、ゴールネットを揺らした。


「ナイスシュート、勝」

「そっちこそ、ナイスパスだよ。蒼」

「さてェ、追加点入れまくるかァ」

「もちろんさ」


 そして、後半開始10分で11対0で1年2組の勝ちは決定したも同然だ。

 得点配分は、蒼が5点で勝6点だ。


「さて、蒼」

「なんだァ?」

「最後に、止めの1点。入れて来なよ」

「あァ、もちろんだァ!」

「じゃ、行ってきなよ」


 勝が、高く蹴り上げたボールに合わせるかの様に蒼は、高く飛びボール蹴った。

 そのシュートは、ゴールポストに向かっていき、ゴールポストに当たる寸前で、曲がりゴールに吸い込まれた。

 そのシュートが、決まったと同時に試合終了の笛が鳴り響く。

 12対0で、1年2組の圧勝だった。

 その試合をゆっくりしながら二人の人物が観ていた。

 山森健一と白岩涼子だ。


「少しは手加減してやれよ」

「あはははは……12対0って……」

「まぁ、アイツらにそれを求めるのは無理だもんな」

「まぁ、確かにね」

「まぁ、決勝トーナメントまで勝ち上がって来るだろ」

「負けるつもりも、負けてあげるつもりもないんだよね」

「当たり前だ。誰であろうと負けるつもりも負けてあげるつもりもない」

「そろそろ第一試合が全部終わるよ。

 準備した方が良いんじゃない?」

「そうだな。相手を軽く戦意喪失させてやるか」

「程々に、ね?」

「あぁ、程々に、な」


 第一試合が全て終わった。

 第一試合の結果は、1年生の試合は、1年2組男子VS1年5組男子が12対0で2組男子が1年4組男子VS1年3組男子が3対2で4組男子が1年1組女子VS1年6組女子が5対3で1組女子が1年3組女子VS1年5組女子が2対0で3組女子が勝利し、2年生の試合は、2年1組男子VS2年4組男子が8対7で1組男子が2年2組女子VS2年1組女子が1対2で2組女子が勝利し、3年生の試合は、3年5組男子VS3年6組男子が4対3で5組男子が3年1組女子VS3年3組女子が7対3で3組女子が勝利という結果となった。


 5分ほどの休憩後に第二試合の開始だ。

 そして、2年3組の男子と女子の試合が行われるのは、この第二試合だ。

 第二試合の相手は、男女共に5組が相手だ。

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