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明日に繋がる道リメイク版  作者: minoarei
第二部 球技大会
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球技大会直前is山戸川高校2

 白岩が、落ち着きを取り戻すのにそれほど時間は掛からなかった。


 白岩が落ち着いてから、本日の生徒会の活動が始まった……と言っても、やる事はほぼ皆無に等しいのだが、それでも連絡事項はあった。


「だいたいわかると思うが、明日の球技大会に関する事で連絡だ。

 主に、体育委員会が中心のため生徒会としての仕事は無いが、万が一の場合は、体育委員会のフォローする場合もあるから、準備だけはしておいてくれ」

『分かりました』


 健一の言葉に全員が声を揃えて頷いた。


 それからは、それぞれがやるべき事をやり始めた。

 課題を終わらせる者や何かしらの話をする者、睡眠する者、と様々な行動をとっている。

 睡眠する者は、山森健一のことだが、それともう一人、白岩涼子が睡眠中だった。

 健一の腕を枕にして……。


 それを視界に捉えてしまう8人の生徒会メンバーは集中して行っている作業の手を止めては、再開する繰り返しだった。


『…………………………』


 そして、作業の手を止めて、グッスリと眠っている山森健一と白岩涼子を眺め始めた。


「ここまで、堂々とされちゃいますと、作業なんてやる気無くしますよね」

「確かに……ね。この二人を見てると、心が落ち着くのよね」

「なんでなんだろ。美希も、二人を見てると作業なんてやらなくていいと思うの」

「それはそれでマズイと思うけど、でも、この二人の寝顔を見てると、ホント幸せそうですよね」

「見ているこっちも眠くなってきたな」

「それには、同感だよ」

「この二人って、ホントに幸せそうですよね」

「そうだな」


『はぁ…………』


 喋っている順番は上から、春香、早織、美希、楓、蒼、龍、優芽、勝の順だ。


「あの、何か飲みます?」

「そうね、何があるんだっけ?」

「えっと、紅茶に緑茶にコーヒーに、なんでも揃ってますね」

「ん? 何だこれ? 何か珍しい物があるんだが?」

「何それ?」

「いや、良くわかんねぇけど、飲んでみます?」

「何かそのイラストって、怪しくない?」

「確かに……でも、飲んでみたら意外と美味いんじゃないのか?」

「うーん……」

「私は、コーヒーにしよう」

「あ〜、美希も」

「私は、緑茶ね」

「オレは、コーヒーだな」

「じゃあ、俺は、紅茶にするか」

「私も緑茶にしようかな」

「俺は、紅茶にします」

「えっと、私は……これにしよう」

「それ飲むの?」


 楓の選んだ飲み物──怪しいドクロのイラストが描かれた──を見て、春香が確認の意を込めて質問した。

 それに対して、楓はと言うと。


「まぁ、ものは試しですし飲んでみようかと……」

「そ、そうなんだ……」


 そんなこんなで、春香と美希と龍の3人がコーヒーを、早織と優芽2人が緑茶を、蒼と勝の2人が紅茶を、そして、楓が見るからに怪しいと言うより、色も飲み物の色とは言えない色の物を選んだ。


「それじゃ、乾杯!」

『乾杯!!』


 春香の乾杯の合図で8人は、それぞれのコップを突き鳴らして、それぞれの飲み物を口にした。


 5分ほどで、全員が飲み終わり楓も選んだ飲み物とは言えない色の飲み物を飲み終わっていた。


「それで、楓ちゃん体に異常はないの?」

「無いですよ」

「そう、なら良いんだけど」

「じゃあ、休憩も取れたし、作業を再開しましょうか」


 早織の言葉により再び作業に取り掛かる。

 それから、10分ほどした頃の事だ。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「どうしたんだ、楓?」

「何でも無いよ、蒼」

「そう……か」


 蒼に自然に返答した楓の頬は赤く火照っていて微かにだが、熱っぽい印象を受ける。

 突如、楓は羽織っていたブレザーを脱いだ。

 ここまでなら、普通に暑いから脱いだと考えられるがこの後の行動は7人にとって予想外の行動だった。

 締めていたネクタイを解くと、Yシャツのボタンをゆっくりと上から一つずつ外し始めた。


 静かに傍観していた7人だったが、これ以上マズイと思い女子3人が、楓を取り抑えた。と言うよりは、一人が羽交い締めにし、

 一人がボタンをかけ直し、一人は脱ぎ捨てられたブレザーを拾い机の上に置いた。


「ちょっと、誰でも良いから山森君を起こして!」


 そう早織に言われて、男子の蒼が山森健一に近付き胸倉を掴んで揺すり始めた。


「山森先輩、起きて下さい!

 緊急事態なんです!」

「うぅぅ、何だよ、榊?」


 睡眠を妨害されたせいか少しばかり不機嫌な彼は、蒼に冷たい視線を向けて質問した。


「楓が!」

「あぁ? 薺がどうした?」

「とにかくこっちに来てください!」

「分かったから引っ張るな、白岩起きろ」

「うーん? 何、どうしたの?」

「寝ている場合じゃない」

「何かあったの?」

「ああ」

「山森先輩、とにかくこっちに来てください!」


 健一が女子3人が取り囲んでいる薺楓に近寄る。


「えっと、何があったんだ?」


 周りの状況を見て、山森健一は、きわめて冷静にそんな質問をした。

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