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明日に繋がる道リメイク版  作者: minoarei
第一部 新学期~文化祭篇
2/42

始まりの日Ⅱ

 山森健一が白岩涼子に電話をかけていたのと、ほぼ同時刻に理事長室では。


「さて、君も何か私に用があるのではないか?」

「ああ、そうでした。これを渡しに来ました」

「君もか……」

「ええ、本日限りで聖王高校情報科教師の職を辞職させていただきます」

「そうか……」

「私はこれで失礼します」

「星影君」

「なんですか? 山竝理事長」

「何故君は、聖王高校に教師と偽っていたのかな?

 警視庁特務強行捜査課通称“特務課”課長の星影昴(ほしかげすばる)。更には日本政府の諜報課に所属。そして国際刑事警察機構。通称“ICPO”の特殊捜査官だったか……」

「良くご存知で。どこでどう調べたのか気になりますが、私は敢えて言及しませんよ」

「君は、敵に回したくなかったのだが仕方ないか」

「私もですよ。貴方は敵に回したくありませんよ。それでは、私はこれで失礼します」

「ああ、二度と会わないことを祈っているよ」

「こちらもです」


 星影昴は、理事長室を出て玄関に行くと山森健一が待っていた。


「随分遅かったじゃないですか? 何か話してたんですか?」

「大人の話さ。子どもが気にする事ではないよ」

「こういう時だけは子ども扱いするよな。どうせ情報科教師を辞めるという事だろう。それに、自分の正体も全部知られていたんだろう」

「ははは、流石にわかるか」

「で、昴さんはどうすんだよ」

「私かい?

 私の事は気にする必要はない。それより君の方はどうするんだ?

 君の事だからもう決まってるんじゃないのか?」

「そこまで分かってるんですか。ええ、昴さんの予想通りあの高校に行くつもりです。いえ、行きます」

「そうか……それで、これから手続きしに行くつもりか?」

「ええ、」

「そうか、今からならギリギリ間に合うな」


 俺たちは埼玉県のとある高校に車を走らせた。30分程で着くと、俺と昴さんは事務室へ向かい色々な手続きを受けた。俺は転入手続きを、昴さんは教職員としての手続きを受けた。


 そして、七月の月初めに、俺は転入した。


「えー、今日は新たに皆さんと共にこれからこの学校で学ぶ生徒を紹介します。どうぞこちらに来てください」

「はい」


 俺はそう言われて、ステージへと上がっていく。


「えー、本日から山戸川高校に転入した生徒になる」

「はい」


 俺は、校長にそう言われてステージ中央のマイクの前に立つ。


「……本日から転入することになりました。山森健一です。3年間宜しくお願いします」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「早いものであの日から一年たったな」

「そうね。健一が転入してきた時は驚いたけどね」

「あははは…………」


 俺の左斜め前にいるのは、俺の大切な彼女の白岩涼子。

 白岩とは、中学卒業式後に告白して、恋人同士になった。


「さて、今日は何の定例会? 健……会長」

「いつも通りの呼び名で構わないんだけどな」


 白岩の言い直しにさらりと突っ込んでいるのは、星影昴だ。

 彼は、元々は聖王高校で情報科教師をしていた。現在は山戸川高校で情報科教師をしていて、生徒会顧問をしている。


「健一、今日は何をするの?」

「今日はこれだ」

「また、凄い資料の量ね。あれ、これって成績表?」

「ああ、お待ちかねの新生徒会役員のメンバー決定だ」

「はぁ、ついに来たのね。この日が」

「去年は特殊な新生徒会役員のメンバー決定みたいでしたね。今回からは、例年通りの方法に戻るみたいですね」

「あわわわ、そ、それじゃぁやっぱり私たちは辞めないといけないんですか?」

「その点についてだが今年から変更されてな。山森、皆に説明してやれ」

「はいはい、今年からは、校則が変更されて現職の生徒会役員は辞めなくていいことになった。その代わりに、今年度からは、定員数が変わって最大で十五人です。最低でも十人と変更されました」

「良かったです。生徒会辞めちゃったら勉強も出来ないからホントに良かったよ。あれ、今年度からは最大で十五人で最低でも十人って事は大人数になるの?」

「ああ、その辺の説明もしないだな。確かに校則では、そう変更されましたが俺は五人しか取りませんよ」

「五人って事は、今の役員に五人足したら、新生徒会役員のギリギリのメンバーだよね」

「そうです。おそらく十人は例年通りです」

「ああ、変わらないさ」

「なんで昴さんが知ってるんですか?」

「私に知らないことなんてないさ」

「そりゃそうか。あなたの経歴を考えればな」


 俺がそう言った所で昴さんにモノスゴイ勢いで胸ぐらを捕まれた。


「俺の正体を口外するなよ」

「分かってます」

「なら良いんだがな」

「分かってます」

「さて、新生徒会役員のメンバーだがこの中から5人決める。とにかく時間が惜しいからさっさと決めるぞ」

「はい」


 30分程で決め終えた。


「えーっと、それじゃぁ、榊蒼、薺楓、鳥桧勝、朝霧優芽、矢鳥龍の5人で良いかな?」

「はい。異議はありません」

「ええ、もちろんです」

「もちろんですよ」

「もちろんよ、健一」


 矢鳥美希と早織、如月春香、白岩涼子が返事をした。


「それでは、採用とする」


 七月の中旬新生徒会役員の発表の日を向かえた。この日は、全校生徒が体育館に集まっていた。


「えー、皆さんおはようございます。本日は、新生徒会役員のメンバーが発表される日です。皆さんどうか新生徒会役員のメンバーを宜しくお願いします。それでは、生徒会長の山森君、後は宜しくお願いします」

「はい。それでは、新生徒会役員の発表をします。今年度の新生徒会役員に推薦されたのは全員で五名です。現生徒会役員に加えて十人体制で頑張っていきます。では、発表します」


「榊蒼、薺楓、鳥桧勝、朝霧優芽、矢鳥龍この五明治が新生徒会役員のメンバーです。皆さん彼らと現生徒会役員をこれから宜しくお願いします」


 この日、新生徒会が始動した。

 新生徒会会長山森健一、副会長白岩涼子、同じく鳥桧勝、会計長矢鳥美希、書記長矢鳥早織、総務長如月春香、会計朝霧優芽、書記薺楓、総務榊蒼、矢鳥龍、顧問として星影昴以上十一人が新生徒会のメンバーだ。

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