隣にいたのはチートなガイドでした。
〈前回までのあーらーすーじ〉
なんやかんやで魂が龍の元へ来てしまった主人公。なんやかんやで異世界に行くことにした主人公。いよいよ、異世界ライフが始動!!
目が覚めるとあの時を思い出せる程の青空が広がっていた。
「ここは…?」
先程まで手を掠めていた葉を押してゆっくりと立った。
目の前には広大な草原が広がっていた。
「ここが…ヘキサリカ…」
初めて実感が湧いた。自分は死んで全く別の世界に来たのだと
呆気に取られていると、自分の頬を柔らかい何かが突いていることに気づいた。
その方向をみると、全長50cmくらいの何かが浮いていた。
「ようやくお目覚めですか?」
その見た目に反して中々に渋い声とセリフを吐いた。
「君は…?」と咄嗟に質問をした。
「私の名前は【智龍】スキエンティア。呼び方はお好きに。
【龍王】シーラ様の命令にてあなたのお供をすることになった龍界の端くれです。ヘキサリカの知識とは既にリンクをしたのでなんでも聞いてください。」
【智龍】だの【龍王】だのリンクだの色々意味不明すぎて
「なるほど…分からん…」と反射的に言ってしまった。
智龍と名乗るそのマスコットはそんな俺の様子を見て続けて教えてくれた。
まず、スキエンティアは最近龍界に来てその能力からすぐに昇進したのだと言う。そして、この子の役割としては
【知識の援助】と【龍の力の行使の援助】だそうだ。
前者は一発で分かったが後者は本当に意味が分からない。
色々言われたが要約するとこうだ。
「お前に同情して龍王と五龍というすごーい龍の力を授けるけど、生身で本気で行使しようとすると身が滅びるから智龍を通して行使できるようにしてやろー。」
なんと気前の良いことかと思いつつ、結局は意味不明のままだ。
「まあ、百聞は一見にしかずと言います。あちらの魔物に試してみましょう。」
そこにはザ・ゴブリンという感じのゴブリンが歩いていた。
「どうやって使うんだ!?」
「私の手の紋が刻まれているところを握って頭に浮かんだ言葉を言ってください。」
「こ…こうか…?頭に浮かんだって言ったって…」
急にある言葉が頭をよぎった。
「我、龍王より力を授かりし者より汝に命じる。真の力を解放し、我が力の媒体となれ!」
「命令を認証。戦闘態勢に移行します。」と
スキエンティア(今度からはティアと呼ぼう)が言った。
すると忽ち、ティアは光に包まれ次の瞬間、先程からは想像もつかない巨龍となった。
「そして、私に龍の力を流してください。」
「えーと、【五龍・炎龍】イグニス!スキエンティアを依代とし、目の前の敵を焼き尽くせ!」
すると、先程まで真っ黒だった巨龍の鱗が少し赤くなって、巨龍は火を吐いた。その威力は凄まじく、ゴブリンを地面もろとも焼き払い、100mほどの地面を抉り取っていた。
「これが、貴方様の今の力でございます。」
ティアは体を元の小さい状態に戻した。
「さて、そろそろ向かいましょうか。ゆっくりしていては貴方様が本当に帰れなくなってしまいますね。」
「向かうってどこに?」
ティアは手招きをしてきたため、とりあえずついていくことにした。
しばらく歩くと視界の開けた崖の上に立っていた。そして、遠くには大きな城があった。
「あちらが最初の目的地。【魔法の砦】マジカリアでございます。」
門の前でボディチェックがされたが何も持っているわけがないので普通に入れた。
その城の中は人の声で満ちていて賑わっていた。
ティアのような存在はヘキサリカという異質な世界でも二つの意味で浮いていたため、一旦自分の体の中に入っててもらった。なんと便利なんだろうと思いながら歩いてると人通りの少ない道にいた。周りの雰囲気を見ていたら、道の横の芝生で手から炎を出す若い女性がいた(高校生くらいだろうか?)。
こちらに気づくと汗をタオルで拭きながら近づいてきた。
「貴方…名前は?」
名前なんて考えていなかったため少し考えた後、元の名前の [雨宮龍希]から抜粋してリュウキと名乗った。今思えば、名前に龍が入っていて何かしらの縁があったのかもしれないと思った。
「私は、クリスタ・コイノン。クリスタって呼んで。」
少しでも帰る手がかりを探すために
「空間を操れる人っていないかな?」と変に勘付かれないためにフワッと聞いてみた。
彼女は少し考えたのち
「それなら、五賢の【万空】様じゃないかしら?あの人ならできると思うよ。」
また知らない言葉だ。田舎からきて俗世に疎いと嘘をつき話を聞いてみた。
この世界には【五賢】と呼ばれるすごい魔法使いが五名いるらしい。その方々の実力はとてつもなくこの世界をも揺るがす可能性があるほどだという。
これは良い情報を得たと
「その【万空】様とはどこで会えるんだ!?」と食い気味に聞いた。
「五賢様は滅多に表には顔を出さないの。手っ取り早く会うには魔法教会の会員になることかしら?」
「魔法教会って?」
「魔法教会は魔法使いが依頼などを達成して生計を立ててる場所よ。そこで功績をあげたら会えるかもね。」
なるほど、よく異世界ものに出てくる冒険者ギルドの魔法使いバージョンのようなものだと理解した。
「魔法教会の会員登録試験は今から2週間後。私もそこに向けて頑張ってるの。その様子だと貴方も入ってないようだし、目的が【万空】様なら一緒に入らない?」
俺は勿論喜んで応じた。
「最初にリュウキの魔法の実力を見せて!」
そう言われてはせざるを得ないので、ティアを呼び出してゴブリンの時と同じように魔法(?)を行使した。もちろん、火力は少し抑えて…
それを見たクリスタは目を丸くした後に俺に近づいて俺の手を握って「すごい!すごい!それにこの子可愛い!」と言った。
「これなら実技試験は余裕だよ!」
俺はその言葉に引っかかった。「実技試験…は?」
「あれ?言い忘れてたっけ?入会試験は実技試験と魔法に関する筆記試験の二つがあるのよ。」
「そうなのか!?2週間しかないんだぞ!?いや…ティアを使えば…」
「主様、それはカンニングという禁止行為です。それに私を介して魔法を行使しますが、主様も少なからず魔法の知識を持っておくべきだと思いますよ。」
それから俺の筆記試験に向けた猛勉強と実技試験に向けた魔法の調整が始まった…
第二話を読んでくださりありがとうございます。
皆様の理解に少しでも寄り添えるように分かりやすく世界観の説明に努めていきます。
何か分からない要素があれば言っていただけると補足の説明をさせていただきます。
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