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龍から始まる異世界脱出  作者: コッペ
〈第二章〉デーモン・デザイア編
10/15

六騎士の任務はハードでした。

〈前回までのあ〉

六騎士との訓練が終わり、アレテイア様から言われたのはとても強い悪魔の単独討伐…しかし、リュウキはやり切ると決意する。

アレテイア様との特訓が始まってからある程度の日数が経ち、今、俺は六騎士と共にデーモン・デザイアの動向を探る任務に出るようになっていた。

預言の日まで後二日しかない。

残りの二日間は[三騎]ベアトリクスさんと任務に出ることになっていた。

「良かったですね、主様。残りの二日間だけでも任務の同行相手がまともなベアトリクスさんで。」

俺とティアはベアトリクスさんとの待ち合わせ場所である熱帯林前まで移動していた。

「ほんとに…ここまでの数日は酷かったよ…。

バリアスさんとシグルドさんは任務の後に必ず酒場に連れていくし、アルバリックさんは仕事モードが切れると何故か方向音痴になるし、モルドレッドさんはすぐに腰をやっちゃうから一々対応が大変だし、ゼノスさんはすぐに戦闘を仕掛けてくるし…。」

「でも、主様。楽しそうですね。」

ティアは少し笑って言った。

俺もハッと驚いた後に少し笑って言った。

「そう…だね…。悪くは…なかったのかも…。」

俺達はもうしばらく歩くとベアトリクスさんの姿が見えた。

「あ、お二人とも。本日は一緒に任務頑張りましょう。」

ベアトリクスさんは振り返って語りかけてきた。

「よろしくお願いします。この熱帯林の中ですか?」

「はい、数日間のリュウキさんと六騎士の行動で奴らのアジトの候補をこれだけに絞ることが出来ました。」

「ご無沙汰しております、ベアトリクス様。それでは、早速入りますか?」

「ええ、リュウキさん。以前に教えた身体魔法[透明化]はマスターしてきましたか?」

「はい。この任務に向けてバッチリ仕上げました。」

「さすがですね。それでは参りましょうか。」

俺達は熱帯林の中に入っていった。

一方その頃…

「ステラお姉ちゃん。今回のテロはどうなると思う?」

「あれ?最強のヨネ君でも心配することがあるんだね。」

ステラお姉ちゃんは少し笑った。

「もう、からかわないでよ…。それに僕が心配なのはテロの話じゃなくてリュウキお兄ちゃんの話だよ。テロなんて最悪、僕が一人で収拾をつければいいだけだしね。」

「さすが、ヨネ君だね〜。情報屋的に詳しいことを無償で教えるのは難しいね〜。ただ、あの子は成長するよ…」

…………

俺はベアトリクスさんを甘く見てたのかもしれない。

俺とベアトリクスさんは森林内の木々や岩を飛び移りながら移動していた。

[透明化]は音も消えるので大きく動いても平気だ。

俺は結構、精一杯の努力で森林内を進んでいた。

しかし、ベアトリクスさんは違った。

[執行騎士]の規約的に六騎士は肩や腕など最低限の鎧さえつけていれば服装は基本自由なんだそうで、ご令嬢であるベアトリクスさんは大きなスカートにそこそこ高いヒールを履いていた。両手でスカートを持ち上げつつ、移動していた。

普通なら足を挫いたりしそうなものだが、全くそんなことはなく、なんなら俺がベアトリクスさんについていってる感じだ。

もう少し移動したタイミングでベアトリクスさんは止まった。

「全く、敵の気配がありませんね。」

「はい、私も先程から探知はかけてますが全くですね…」

「ティアさんの探知力は訓練時に見たので知ってますが…そのティアさんでもかからないとなると…」

「隠密魔法…ですか…?」

「惜しいですね、リュウキさん。隠密魔法は使い慣れてない方が行うとかえって魔力の流れで目立ちます。

答えは同調魔法でしょうね。」

「同調魔法というと、自身の気配を特定の物体の気配に同調させる魔法でしたっけ?」

「はい。こういった森林ではうってつけです。

石と気配を同調させれば、その辺に石が落ちてても全く気にしないのと同じ状況になります。こういった場合の対処法はご存知でしょうか?」

「すいませんが、さっぱり。」

「自身の気配を過度に放出することですね。」

「正解です、ティアさん。自身の気配を過度に放出させることで別の気配を浮き彫りにする方法です。同調魔法はあくまで放出する気配量をいじる魔法で気配の性質を変えることはできないので、こういったことが出来るわけです。」

「習うより慣れですよ、主様。早速やってみましょう。」

「は!?そんな急には無理だって!?」

「あ、それからですね。ただ、自身の気配を過度に放出するだけでは相手にも気づかれますから自分の感覚の中だけで放出するといいですよ。」

「そんな簡単に言わないでください!ベアトリクスさん!!」

「まぁまぁ、主様。感覚の中だけの放出に関する処理は私がやりますので、主様はとにかく気配を放出してください。」

「わ、わかったよ。」

気配を放出させる…よくわからないと思うが、簡単にいえば存在感(魔力)を出すということ。

街中で大声で叫べば全員が叫んだ人を見るみたいな感じだ。

俺は戦慄した…

浮き彫りになったのは…ざっと1000体ものの悪魔だ…。

「リュウキさん、大丈夫ですか?何が見えますか?」

「1000体もの悪魔です…」

「悪魔はヘキサリカとの境界で区切られている以上入ってこれないので、十中八九[悪魔法]の力でしょうね。」

「となると…[聖魔十六界]でしょうか?」

「間違いないかと…」

俺達はこの事実を伝えるべく急いで撤退しようとした。

しかし、俺達の帰り道には巨大な魔物が一体いた。

それを認識するとベアトリクスさんは魔物に急接近した。

ベアトリクスさんは魔物の目の前についた瞬間、魔物に背を向けて——

思いっきり、左足のヒールで魔物を真っ直ぐ蹴った。

低空で飛ばされた魔物にベアトリクスさんは上から右足で蹴り落として、そのまま右手の拳で葬った。

「こんな雑魚に手間取ってはいけませんね。」

と長い髪を手でなびかせた。

特訓前の俺なら手こずっていたであろう魔物を一瞬で片をつけてしまった。

「あの魔物、物理攻撃耐性がついていたのですがね…」

ティアは困惑した表情でいった。

「もしかしたら、物理攻撃だけなら六騎士最強はあの人かもしれないな。」

そして、[執行騎士]の本拠地についた俺達はアレテイア様に報告した。

「なるほど…やはり計画通りに行くしかありませんね。悪魔が4桁いるとしても六騎士であれば問題はないと…余は考えています。お客人も準備はよろしいですか?」

俺は深呼吸して答えた。

「はい、いつでも戦えます。」

そして、預言の日——



第10話を読んでいただきありがとうございます。

次回からは遂にこの章のクライマックス[ディカイオ防衛戦]

色々な描写に気を遣いながら手に汗握る感覚をお届けできるよう励みます。

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