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青空と爆弾  作者: 108
9/10

e9:ユウタの魂のメロディー

 ユウタは、数日間スタジオに籠もり、一心不乱に曲作りに没頭した。


 アキトへの想いや、リョウとの過去の記憶、そして平和への願い。


 それら全てを音符に乗せ、歌詞に込めた。完成した曲は、力強く、そして切ないメロディーに乗せて、希望と絶望、愛と憎しみ、理想と現実が複雑に絡み合う、魂の叫びのような楽曲だった。


 ユウタは、この曲を「Hope for the Future」と名付け、ライブで演奏することを決めた。


 彼は、この曲を通して、アキトへの応援メッセージを届け、リョウの心に再び火を灯したいと願っていた。


 ライブ当日、会場は超満員となった。ユウタのファンだけでなく、アキトの支持者や、リョウの記事を読んだ人々も詰めかけていた。


 ユウタは、ステージに立ち、スポットライトを浴びながら、静かに語り始めた。


「この曲は、俺の親友に捧げます。あいつは今、厳しい状況に立たされています。しかし、俺は信じている。あいつは必ずこの困難を乗り越え、再び立ち上がると」


 ユウタは、言葉を詰まらせながら、ギターを手に取った。そして、イントロが始まると同時に、感情を爆発させるように歌い始めた。



『壊れた夢の破片が 足元を刺す

 それでも光を求めて 手を伸ばすんだ


 嘲笑う声に負けずに 叫び続ける

 希望の灯火を消さないで 未来のために


 Hope for the Future 明日を信じて

 傷ついた翼を広げ もう一度飛ぼう

 Hope for the Future 共に歌おう

 愛と平和のメロディーを 世界中に響かせよう


 絶望の淵に沈んでも 諦めないで

 友の言葉が背中を押す 立ち上がるんだ


 孤独な夜に涙しても 顔を上げて

 希望の光を見失わないで 前を向いて


 Hope for the Future 明日を信じて

 傷ついた翼を広げ もう一度飛ぼう

 Hope for the Future 共に歌おう

 愛と平和のメロディーを 世界中に響かせよう


 過去を悔やむよりも 未来を信じよう

 傷ついた心癒して 共に歩もう


 Hope for the Future 明日を信じて

 傷ついた翼を広げ もう一度飛ぼう

 Hope for the Future 共に歌おう

 愛と平和のメロディーを 世界中に響かせよう


 Hope for the Future 明日を信じて

 Hope for the Future 共に歌おう

 Hope for the Future 世界中に響かせよう』



「Hope for the Future」は、瞬く間に人々の心を掴んだ。


 力強いメロディーと、ユウタの魂のこもった歌声は、聴く者の心を揺さぶり、涙を誘った。


 会場は、ユウタの歌声と観客の合唱が一体となり、まるで巨大な祈りの場と化した。


 ライブの模様は、テレビやインターネットで生中継され、多くの人々がユウタの歌声に耳を傾けた。


 その中には、アキトとリョウの姿もあった。


 アキトは、ユウタの歌声に励まされ、再び立ち上がる勇気をもらった。


 彼は、記者会見で改めて謝罪と説明を行い、自らの信念を貫くことを宣言した。



 一方、リョウは、ユウタの歌声を聞きながら、過去の自分と向き合った。


 彼は、爆弾少年時代、ユウタと共に音楽で世界を変えようと夢見ていたことを思い出した。


 そして、いつの間にか、その夢を忘れてしまっていた自分に気づいた。


 リョウは、ユウタに電話をかけ、謝罪の言葉を伝えた。


 そして、ユウタのライブ会場に向かった。


 アンコールで再びステージに立ったユウタは、観客の中にリョウの姿を見つけた。


 ユウタは、リョウに向かって微笑みかけ、最後の曲を歌い始めた。


 それは、爆弾少年時代に三人で作った曲だった。


 リョウは、涙を流しながら、ユウタの歌声に聞き入った。そして、心の中で誓った。


「俺も、もう一度夢を追いかけよう。ユウタ、アキト、俺たちは、まだやり直せるはずだ」

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


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