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青空と爆弾  作者: 108
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e4:対立と葛藤

 爆弾少年のデモ活動は、瞬く間に全国へと広がっていった。


 彼らの音楽とメッセージは、若者たちの心を掴み、共感を呼び起こした。


 しかし、その一方で、彼らの活動は、保守的な勢力や既得権益層からの反発を招くことになった。



 ある日、爆弾少年のライブ会場に、右翼団体が押しかけた。


 彼らは、爆弾少年の音楽を「反国家的」と非難し、ライブの中止を要求した。


「こんな歌を歌わせるわけにはいかない! 日本を侮辱するな!」


 右翼団体のメンバーたちは、プラカードを掲げ、怒号を飛ばした。


 会場は騒然となり、ライブは中断せざるを得なくなった。


「くそっ! なんでこんなことに…」


 ユウタは、悔しそうに拳を握りしめた。


「落ち着け、ユウタ。こんなことで負けるわけにはいかない」


 リョウは、ユウタを制止し、アキトの方を見た。


 アキトは、ステージの上から、右翼団体のメンバーたちを見つめていた。


 彼の瞳には、怒りと悲しみが入り混じっていた。


「俺たちは、何も悪いことをしていない。ただ、平和を願っているだけだ」


 アキトは、マイクを握りしめ、静かに語り始めた。


「あなたたちは、なぜ、私たちを攻撃するんですか? なぜ、平和を願うことを否定するんですか?」


 アキトの言葉は、右翼団体のメンバーたちだけでなく、会場に集まった観客たちにも向けられていた。


「私たちは、あなたたちと同じように、この国を愛しています。しかし、私たちは、戦争のない平和な世界を望んでいます。それが、そんなに悪いことでしょうか?」


 アキトの言葉は、会場に集まった若者たちの心を打った。


 彼らは、アキトに共感し、右翼団体に抗議の声を上げた。


「爆弾少年を応援するぞ!」


「平和を願うことは、罪じゃない!」


 若者たちの声が、右翼団体の怒号をかき消した。


 右翼団体は、やむなく会場を後にした。


 しかし、この事件は、爆弾少年の活動に大きな影を落とした。


 彼らのライブは、中止や延期を余儀なくされ、メディアからのバッシングも激しくなった。


 メンバーたちの間にも、不安や焦りが広がっていった。


「このままじゃ、何もできない…」


 ユウタは、力なく呟いた。


「諦めるな、ユウタ。俺たちは、まだ何も終わっちゃいない」


 リョウは、ユウタの肩を叩きながら励ました。



 アキトは、一人、楽屋で考え込んでいた。


 彼は、右翼団体の攻撃にショックを受け、自分の無力さを痛感していた。


 しかし、同時に、諦めるわけにはいかないという強い決意も感じていた。


「俺は、絶対に諦めない。平和を願うことを諦めない」


 アキトは、心の中で誓った。


 それは、爆弾のような叫びとなって、アキトの心の奥底で再び燃え上がり始めた。

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