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003.嫉妬

そこからのめあさんは心を入れ替えたかのように言葉遣いが改善するわけもなく、変わらず暴言を吐いていた。

【めあさん:だから、何でそこで引かないの!】


【自分:だって、引きたかったけど、もう殺されてたんだもん、仕方ないじゃん!】


ただ、言い返すことはできるようになっていた。

一度、気持ちを言い合ったことで、自分の中でめあさんには言っても大丈夫なのかもしれないという気持ちになっていたのだと思う。

言い返せるようにはなってきたけど、ゲームが下手なのは変わらなかったので、めあさんのイライラは変わらなかった。するとある日

【めあさん:今日は友だちも呼んでいい?】

と唐突に言ってきた。自分としてはめあさんと一緒に試行錯誤しながらやるのが好きだったので、他の人が入ってくるのは望んでいなかった。なので、当然それを拒否する

【自分:え?なんで?嫌なんだけど】


【めあさん:お前が弱いから、一緒にやるよ】


【自分:嫌だって】


【めあさん:お前に拒否権ないから】


なんて身勝手な。と思いながら、そのような身勝手な要求に慣れてきてしまった僕はそれ以上拒否を示す気を失っていた。


【ゆうたさんが入室しました】


「こんにちはー」

!?

ゆうたさんがボイスを出して話してきた。男を連れてくることは何となく予想はしていたが、自分以外の人と一緒にゲームをしていたという事実を直視してしまったことで出てきた怒りを感じながら、チャットで返す。

【自分:こんにちはーよろしくです】


【めあさん:おい!なんで話さないんだよ!お前は話せ!】


何でめあさんと実際に話したことがないのに、見ず知らずのゆうたさんと話さないといけないんだと怒りを感じながら、個人チャットで返信する。

【自分:嫌だよ。何で知らない人と話さないといけないんだよ。】


【めあさん:お前が弱いから、強い人呼んだんだろうが。無言だと失礼だろ。話せ。】


【自分:誰もそれをしてくれって頼んでないだろ。】


と返事しながらも、確かにゆうたさんは何も悪くないなと思い、嫌な気持ちを押し込めながら話しかける。

「こんにちはー言われたので話します―よろしくですー」


「あ、よろしくお願いしますー」


・・・・やばい、何も話すことがない。そうだった。元々人とのコミュニケーションが苦手だから初めましての人との会話が分からなすぎる。

こんな良く分からない状態で、色々と思考が回る。新しい人を入れるのが嫌だったのは、自分自身コミュニケーションが苦手だったことを、久しぶりに体感していた。取り敢えず、共通する話題をと考えていくと、めあさんのことが思いつく。

「めあさんとはどんな風に知り合ったんですか?」


「ランダムマッチしていた時に、急にその技どうやって出すんですか!って聞いてこられたんですよー」


ランダムマッチだったのか、ということに安心はしつつ、そんな風に誰にでもついていくめあさんに対してイライラしていた。


【めあさん:そうなんだよ!すごいんだよ!見せてもらいなよ!】


「あはは、そうなんですねー。自分下手なので参考にさせてもらいますねー」

となんとか、それっぽいコメントを言いながら、めあさんがゆうたさんのことを褒めていることに、イライラしていた。


その後、一緒にやりながら、めあさんはチャットでゆうたさんを褒めているのを見ながら、自分は無言になっていた。

他人がいるから、気持ちを抑えないといけないことを感じながら、それでも、笑顔が上手く作れないことを感じていた。笑顔が作れなくてもネットなので問題はないのだが、そうなってくると、どこかで気づかれてしまうのではないかという気持ちが出てきていくのだ。

そして、その瞬間、昔、前田君がクラスのやんちゃな人にいじられている時に、引きつった笑顔を見せていたのを思い出す。毎回自分が引きつっている時に彼の表情を思い出す。昔の自分はそこまで無理して笑うのなら何でその人たちと付き合っているのか。とそんなことを思っていたが、今思えば彼は大人だったのだなと思う。自分の不快感を表になるべく出さないようにして、その場に居続けるなんて凄いことだな。とそんなことを思いながら、それでもこの時間をすぐに終わるように願っていた。

そんな風に違うことに意識を向けないとその場に居続けることが出来なかった。


そんな風に心ここにあらずの状態でゲームと会話を何とかこなしながら、その日は解散することになった。

「ありがとうございましたーまたお願いしますー」

とゆうたさんは元気そうに話している。ああ、ゆうたさんもきっとめあさんとやれる瞬間を楽しみに待っているのだろうな。とそんな妄想をしながら返事をする。

「はいーまたお願いします」

【めあさん:また!】


めあさんは自分の気持ちの変化に何も気づいていないんだろうなと思いながら、こんなにイライラしている自分に嫌気を感じながら、ログアウトをした。



ベットに身体を投げ出す。

壁の薄いマンションなので、思いっきりベットをドンドンと叩きたかったが、壁をドンドンされたくなかったので、抑えながらジタバタする。

ただ、全然気持ちが収まらない。


元々、自分で嫉妬深いタイプなのは自覚していたが、付き合ってもないのにこんなにイライラしている自分が嫌だった。そして、どこかでめあさんは自分のことが好きなのかもしれない。自分と一緒にするゲームが好きなんだと思っていたが、それが違ったと感じたことで更にイライラしていた。

そして、そんな風に直ぐに自分の事が好きなのかな?と今まで大して人に好かれたことがない癖に、こういう事は謎に自信を感じてしまう自分に嫌気がさしていた。

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