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異世界で自由に生きたい  作者: 鯖の味噌煮
3章
42/46

決着と襲撃


 実はこの戦闘中に考えていた事がある。

 それは聖剣に魔力を込めて振るえば今までよりも強力な攻撃が出来るんじゃないかということだ。



 ファンタジー系の小説やアニメなんかでも、そういうシーンを何回か見たことがある。



 今まではそんなことをしなくても勝てる相手しか居なかったから考えもしなかったけど、今回の相手はドラゴンで、ダリアのバフが無ければ戦う事も難しい強敵だ。



 聖剣なら僕の魔力ありったけを込めても壊れることも無いだろうし、さっそく試してみる事にする。



 頭の中でイメージをしながら、体から湧き出る魔力を慎重に聖剣に落とし込んでいく。



 その光景を見ていたドラゴンは不味いと思ったのか、こちらに向かって今までよりも威力のあるブレスを連発してくる。



 そのブレスの真ん中を魔力を込めた聖剣で真っ二つにして、そのままの流れでおじさんからコピーしたスキルデリートでドラゴンのスキルを封印する。



 さらに上空でこちらの様子を伺っているドラゴンの背後に転移して尻尾を斬り落とす。



 今回は超再生が使えないので尻尾が復活することは無い。

 さっき尻尾による攻撃を受けているし、早めにその選択肢を消しておく。



 

 そのままドラゴンに追撃を仕掛ける。



 思いきり聖剣で殴るとバリアを貫通することは出来なかったが、地面にはたき落とすことに成功した。

 


 もう一度ドラゴンの前に転移して聖剣を振るう。



 ドラゴンはバリアを体の周りに展開して、こちらの

攻撃を凌ごうとするが、そんな事は気にせずにドンドン剣で斬り続けていく。

 今回は最初に攻撃した時と違ってバリアを壊せるという手応えを感じる。



 ドラゴンも本能的にそれを感じたのか、こちらの攻撃をバリアで防いで直ぐのタイミングで後ろに飛んでブレスを放とうとしてくる。



 が、僕は直ぐに転移で後ろを取り、誰もいない場所目掛けてドラゴンがブレスを口の中から放つのと同じタイミングで首に向かって思いきり聖剣を振り下ろした。



 攻撃をしている最中の無防備な状態で後ろからの攻撃を受けたドラゴンの首はスパッと胴体から切り離されて地面に落ちていく。



 その光景を見て数分がたってもドラゴンが動かない事を確認してから僕は自分の勝利を確信する事が出来た。



 そして、ドラゴンを倒したという実感と高揚感が徐々に心の内に溢れてくる。

 ゲームで何回か負けた事がある強敵を倒せた時のように嬉しい。



 正直なところドラゴンのあの巨体から放たれるプレッシャーはヤバかった。

 でも、勝つことが出来て本当に良かったし、良いプレッシャーの中で戦って勝つ事が出来て楽しかった。

 


 あとは戦いも終わったしドラゴンの死体をアイテムボックスに回収して、早くダリアたちの所に向かおう。



 そう思って前に進もうとすると大量の火の玉がこちらに向かって飛んできた。



「やったか?」



 誰かに確認している男の声が聞こえる。



「いや、無理そうだ」



 その疑問に返事を返すもう1人の声。



「チッ! そう簡単にいかないか」



 相手の攻撃で発生した土煙が消えると6人の男たちがこちらの様子を伺っているのが見える。



「なぁ、あんた。俺たちにドラゴンの死体をくれないか?」



「ついでに俺たちがドラゴンを倒したってことにしたいんだが」



 相手にするのも面倒臭いと無視をしていたら、更に話しを続けてきた。

 どうやらコイツらの目的はドラゴンを倒した名誉と素材みたいだ。



「あんたが強いのは分かるけどよ、ドラゴンの相手をしたんだから大分消耗してるんだろ?」



「それで?」



「おとなしく俺たちに従った方が良いんじゃないか? こんなんでも俺たちはBランク冒険者だぜ!」



「ハァー」



 つい、ため息を吐いてしまう。



「雑魚が何匹居ようが僕の相手じゃ無いんだよね」



 腕が千切れたり足がもげたりとかで瀕死の状態なら分かるけど、なんで五体満足の状態でドラゴンを倒した僕に勝てると思ってんだろう。



「確かに僕は疲れてるけど、君たちが強くなった訳じゃ無いし……ゴミが何を勘違いしてるのか」



「交渉決裂か、まぁ別に良い。どうせ不意を付いて殺すつもりだったしな」



 こんな風に自分たちより強い弱っている相手から盗賊まがいの事をして恨まれない筈が無い。

 後から不正を正そうとしたり復讐される可能性は高い。



 そう言う可能性がある限り、こう言う奴らは相手を殺そうとするだろう。

 ましてや、コイツらからしたら獲物が弱っている今が1番のチャンスな訳だから。



「安心しろよ、時間をかけずに終わらせてやるよ。誰かに見つかって面倒な事になるのはゴメンだからな」



 集団の中にいるリーダーらしき奴が勝ちを確信した表情で話しかけて来る。



「君たちが負けるかも知れないよ?」



「大丈夫だ! 俺たちは失敗した事が無いからな! それに激闘を制して良い気分になっている強者の絶望した顔が俺の大好物なんだ!」



 男は自信満々な様子で楽しそうに言い放った。



 確かにこんな戦いに勝利して達成感や自分の可能性に期待しているタイミングで自分より弱いこんなクズに殺されるとしたら、屈辱や虚しさ、やり場の無い怒りを強く感じるだろうな。



 何かそういう事を考えるとムカついてきたな。



 今、自分がまさに達成感を噛み締めている最中だからかも知れない。



 瞬殺しようと思ったけど、リーダーとは少しだけ遊んでも良いかも知れない。




 





 



 

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