オトコの娘と襲撃開始
ルカが女の子では無いという衝撃の事実から立ち直れない約1名を除き、街に向かって歩き始める。
話を聞くに彼は隣国を拠点にしている冒険者らしい。
この国には依頼で来ていて、王都から国境沿いの街に向かう途中で襲われたらしい。
「何でアイツらに襲われたの?」
「いやー、ナンパされて断ったら襲われたんだよね」
任務中にナンパしてたのか。っていうか、ナンパ断られたからって、あれだけの人数で襲うんだ。
「それはお気の毒に」
まぁ、彼にとってはいい迷惑だよね。
「困っちゃうよねー、僕は男だってのに」
「その割には女性らしい格好をしていますよね?」
それは僕も思った。
「僕ってば、可愛いからね!」
「何か、色んな男をたぶらかしてそう」
男にご飯とか奢らせてそう。
「そんなことないよ!」
そう言って、プンプンと怒ってますよアピールをするルカ。
もうその仕草が怪しい。
「あざといですね」
本当にあざとい。
でも可愛い。
「そうだね。そういえば、ダリアはルカが男だって気付いてたの?」
「はい、そんな気がして確認してみたんです」
ダリアは凄いね。
僕もおじさんも全く気付かなかった。
「まさか、こんな直ぐにバレると思わなかったよ」
ルカが悔しそうにしている。よっぽど自分の容姿に自信があるんだろう。
「どうして分かったのさ?」
確かに気になるよね。ルカの見た目は可愛い系の女の子って感じだし。
まさか、胸がない人は女じゃないなんて言わないだろうけど。
昔読んでたラノベに似たようなことを言ってたキャラがいたんだよね。
「女の勘です」
女の勘って言葉は漫画とかで聞くけど、実際に耳にすると思わなかった。
にしても、女の勘って凄いな。
「勘か〜、それはどうしよもう無いかな」
まぁ、勘ですって言われても対策のしようが無いよね。
と、こんな感じで雑談をしながらもしっかりとルカを鑑定したんだけど、ステータスを見ることが出来なかった。
もしかしたら、隠蔽のスキルでも持っているのかも知れない。
そんなこんなで旅の仲間が1人加わって、会話をしながら道を進んでいれば日が落ちてきた。
このまま今日は野宿をして明日は闇ギルドを襲撃する予定だ。
・・・
翌朝、ダリアが作ってくれた朝食をありがたく頂く。
「やっぱダリアの飯は美味いな!」
昨日はルカがオトコの娘だと知って魂が抜けていたおじさんも1日経てば元気になっていた。
今日の襲撃はおじさんの知識も必要だし、まともな状態に戻って貰わないと困る。
「本当に美味しい! ダリアちゃんは料理上手だねー」
ダリアの料理はルカの口にもあったようだ。まぁ、彼女の料理は美味しいから当たり前だけど。
「ありがとうございます」
食事を食べたら街に向かって出発する。途中で出て来るモンスターを狩りながら歩くこと2時間ぐらいで目的地に着くことが出来た。
街の入り口には列が出来ていて、想像よりも人が多かった。
とりあえず、一番後ろに並んで順番が来るのを待つ。
「そういえば、ルカはこの後どうするの?」
なんか成り行きでここまで一緒に来たけど、僕たちがやる事を考えたら上手くこの場所で別れたい。
「一泊したらオーティス国に戻る予定だよ」
オーティス国とは僕たちの目的地である国の名前だ。
ちなみにこの国の名前はエーデル国と言うらしい。
ここに来るまでの雑談で初めて知った。あまり興味が無かったからね。
話している間にも列はどんどんと進み、僕たちの番が周ってきた。
「おし、次の4人組。身分証になる物は持っているか」
門番に身分証を見せて中に入る。身分証のないおじさんは銀貨3枚を払っていた。
「じゃあ、僕たちは予定があるから」
「そっか、じゃあこれでお別れだね。昨日は本当に助かったよ、ありがとう」
感謝の言葉を言ってルカは人混みの中に消えていった。
「いやー、にしても可愛かったな! 途中から男でも別に良いかなって思っちゃったわ!」
確かに男とは思えないほど可愛かったな。
ルカと別れた後は宿を取って30分ほど休憩した。
そして、いよいよ闇ギルドに襲撃をかける時間だ。
おじさんと合流したらインビジブルという付与した人間を透明に出来る魔法を全員にかける。
そしたら、おじさんの案内で闇ギルドのアジトに向かう。
そうしてやって来たのは貧民層が住んでいそうな、あまり空気の良くない場所だった。
そんな場所にある大きな屋敷。
どう見ても周りの家とは規模が違い、こんな場所にある大きな屋敷なんて悪い事をしている組織のアジトですって自白しているようなもんだと思う。
まずは、手始めに門番2人を殺す。今回はダリアにレベル上げも兼ねて殺ってもらった。
一応、人を殺すわけだし本人にもやるかどうか確認した。
そこは元闇ギルド出身というか、問題ないと力強く承諾の返事を貰った。
どうやら、自分の厄介ごとなのにあまり活躍が出来てないと思っていたようで、今日はいつになく張り切っている。
ダリアもやる気充分だし、僕も彼女に良いところを見せれるように頑張るか。
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