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異世界で自由に生きたい  作者: 鯖の味噌煮
2章
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過去と初めて


 ダリアが僕に聞いてほしい話しというのは、自身の昔話だった。



 田舎の貧しい農村に生まれた彼女は11歳の時に売られて闇ギルドに連れていかれたらしい。



 そして闇ギルドは幹部の1人にダリアの教育を任せた。



 そう、それがおじさんだったらしい。



 それから、おじさんに鍛えられたダリアはメキメキと成長していった。



 ただ、組織に思い入れもないし、ずっとこんな生活をしたく無いとも思っていたらしい。

 だから、組織から抜けることは頭の片隅で考えていた。



 そんな時、闇ギルドのボスが自分を性的な意味でも狙っているという話を聞いて逃げる決断をしたらしい。



 その後、王都に逃げた彼女は冒険者として活動を開始。

 そこで出会ったのが僕らしい。



「闇ギルドに狙われてるのに、黙ったまま巻き込んでしまって申し訳ありませんでした!」



 ダリアはこの言葉を僕に言いたかったのかな。おっさんの登場でなし崩し的に秘密がバレちゃった訳だし。



 自分の言葉で僕に色々と説明したかったのかも知れない。

 


「最初に訳ありだって言ってたのに誘ったのは僕だし、これぐらい何でもないよ」



 僕は本当に気にしてないし、最初に彼女から忠告を受けたうえで仲間にすると言う決断をしたんだから問題はない。



「厄介事を抱えた私とパーティーを解散しなくても良いんですか?」



 不安げな様子で聞いてくるダリア。



「それこそありえないよ、これからも一緒に居てくれると僕は嬉しいよ」



 逆に居てくれないと困る。



「怖かったんです。今回の件で迷惑をかけたし、捨てられたらどうしようって」



「でも、一緒に居てほしいって言って貰えて凄く嬉しかったです!」




「レン様、ありがとうございます!」



 そう言った彼女はどこかホッとしたようで、嬉しそうな表情で感謝の言葉を述べる。



「もう、嫌って言っても離しませんからね!」



 どうしよう、何か吹っ切れたようで、ダリアが少し怖い。







・・・









 話し合いを終えて良い時間になった僕とダリアは夕食を食べに食堂へ向かう。



 この宿は最初に食事のオプションをつけるのでは無く、食堂で食べる場合は別途お金を支払う形式だ。



 夕食として出されたのは、採れたての野菜を使った新鮮なサラダで美味しかった。



 部屋に戻ってから僕自身の話しもする事にした。

 ダリアにだけ話させて自分が何も語らないのは嫌だったから。



 1週間ぐらい前にこの国の召喚魔法によって呼び出されたこと、そこを追い出されて冒険者を始めてダリアに会ったこと、僕のスキルについてなど。



「なるほど、だからレン様は強いんですね」



 ダリアはどこか納得した様子でうなづいている。



「最初に他の転移者の強力なスキルをコピーしたからね」



 最初にあの4人からスキルをコピー出来て良かった。

 同じ転移者だけあって強力なスキルを持っていたし、写真家は強いスキルだけど単体では役に立たないから。



 強いスキルをコピー出来ないと弱いままだし、許可を得て写真を撮るのも意外と大変そうだ。



 だから、一番弱い時期だろう初期から強いスキルをゲット出来たのは幸先が良かった。



「しかし、いくらレン様にとっても都合が良いとはいえ、城から追い出すなんて不敬ですね。今度サクッと殺っちゃいましょうか!」



 物騒な事を呟くダリア。



「特に害は無いし面倒くさいから、それはやめておこうかな」



 今のところ対立してる訳では無いし、この国に変に首を突っ込む気も無い。



「そうですか。あ、レン様のスキル集め私も協力しますよ」



 でも、スキルの件とは別にしてもダリアの写真はいっぱい撮りたいかも。

 一応、写真家という名前のスキルだけあって画質は良いんだよね。



「ありがとう。ダリアのスキル勝手にコピーしてごめんね」



 彼女に隠してスキルをコピーした事には罪悪感を感じていたから話せて良かった。



「いえ、私が役に立てることがあるのなら良かったです」

 


 そう言ってくれると助かる。



「ダリアが居てくれて僕は助かってるよ」



「嬉しいです」



 そう言って、彼女はベッドに座っている僕の隣に来た。


 

「ありがとうございますレン様」



 ダリアの手が僕の手を絡めとる。



 ドキドキしながら彼女の方を振り向けば僕の唇に柔らかい感触が。



「好きです」



 そして、耳元で好意を囁かれた。



 気が付けば僕はベッドに彼女を押し倒していた。

 好きな子にこんな事をされて我慢なんて出来るがはずが無い。



「来てくださいレン様」



 その日、僕は人類から獣になった。







・・・






「すごい気持ちよかった、僕は今すごい幸せだよ」



「私も幸せです」



 それからまた、見つめ合ってキスをしたりとイチャイチャする。



 お互いに初めてで苦戦することもあったが、その場のムードで乗り切って、最後は4回戦ぐらいまでやった。



 とにかく無我夢中で気持ちよかった事しか覚えてない。



 何というか、彼女の事を守らなければという気持ちがさらに強くなった。




 この先、どんな事があろうと僕は絶対に彼女を守って幸せにしてみせる。



 その為にも、もっと強くならないと行けない。



 まずは、ダリアを狙う障害を排除しよう。


後書き


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