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異世界で自由に生きたい  作者: 鯖の味噌煮
2章
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幹部と戦闘



「つまり、闇ギルドの幹部って妄想をしているおじさんってことか」



 なかなかに豊かな想像力を持ったおじさんのようだ。



「はい。その通りですレン様」



 ダリアも肯定してくれる。



「違うわ! 俺は闇ギルド宵闇のホワイトタイガーの幹部ダルクだ!!」



 本人に否定された。

 にしても、すごい名前の組織だな。



 なんだ?

 宵闇のホワイトタイガーって?



「ダサ」

 


 素直に気持ちが口から漏れる。



「まったくですね」



「何だと! こっちだって名乗るの恥ずかしいんだぞ!」



 本人も言っていて恥ずかしいのか。

 じゃあ、言わなきゃいいのに。



「っていうか、闇ギルドなのに普通に名乗ってるじゃん」



 裏の組織なんだからもう少し隠す努力をするとか、そもそも自分から名乗るとは思わなかった。



「残念な方たちなんです」



 そんでもってダリアが良い感じに相槌を入れてくれる。



「はい! ダリアは既に知ってるし、男の方は殺す予定だから良いんです!」



 そして、こっちも身振り手振りを加えながら良い感じに突っ込んでくる。

 でも、ふざけているように見えても闇ギルドの幹部ということだろう。



 普通にステータスが高い。




ステータス


[ 名前  ] ダルク

[ レベル ] 112

[ 体力  ] 535

[ 魔力  ] 510

[ 攻撃  ] 620

[ 防御  ] 495

[ 魔攻  ] 520

[ 魔防  ] 530

[ 素早さ ] 680

[ スキル ] スキルデリート



 異世界に来てからレベル110なんて初めて見た。

 でもやっぱり僕たち召喚者は異世界人より優遇されてるよな。



 おじさんより僕の方が基本的にステータス高いし。



 でも、何だかんだでスキル勇者のバフなしで、自分より明らかにレベルが高い人のステータスが低いのは初めてかも。



 僕も格上を倒してレベルが上がってるって事だろう。



 そして、レベルが高いだけじゃなく厄介そうなスキルも持っている。



 スキルデリート。指定した対象のスキルを15分間使えなくするらしい。

 対象に出来るのは一人で、クールタイムは1時間みたいだ。



「でもおじさんは僕が出した結界を破れないよね?」



 話しを戻して、おじさんの目的がダリアだったとしても僕が張った結界を破壊しない事にはどうしようも無い。



「レン様、あの方は……」



 ダリアが心配するような表情で何かを伝えてくれようとするが、



「そう! 俺は相手のスキルを打ち消す事が出来る!」



 その前におじさんが自分の能力を得意げな表情で高らかに宣言する。

 自分のスキルって普通はなるべくバラさないし、隠そうとすると思うんだけどな。



 いや、でもアニメや漫画でも自分の能力を解説しているキャラは結構いる気がする。

 まぁ、そういうキャラは大体が強スキル持ちで、自分に自信があるタイプだと思うけど。



「喰らえ! スキルデリート!!」


 そんな事を考えていると技名を叫んだおじさんが僕に向けてスキルを発動してくる。



「今度こそ! 喰らえ!」



 そう言って、今までの相手よりもはるかに素早い動きで僕の前に移動して蹴りを入れてきた。



「痛!! 俺のスキルが効いてないのか!」



 しかし、僕の張った結界が排除される事はなく、スキルが使えなくなるという事も無かった。



 憶測だけど、スキル勇者の効果の1つに状態異常無効という効果がある。

 それがうまく発動したんだと思う。



 改めて勇者のスキルって常に状態異常を無効化したり、ステータスが5倍になったりと破格の性能だよね。



 まぁ、勇者なんて大層な名前が付いたスキルなんだから強くて当然かも知れないけど。



「残念だけど、僕にそのスキルは効かないみたいだね」



「おいおい、マジかよ」



 自分のスキルが通用せずに驚いているおじさんの背後に転移して聖剣で斬りつける。



「うお、危ないな!!」



 攻撃をギリギリのところで避けたおじさんは、芸人ばりのリアクションを披露しながらビックリしていた。



「だが、護衛対象がガラ空きだぜ!」



 僕に勝てないと思ったのか、それとも本来の目的っぽいダリアを優先したのか、彼女の背後に回り手刀を繰り出す。



「痛! またかよ!」



 が、当然ダリアの周りにも僕は結界を張っている。

 今度は外さないよう直ぐに転移して痛がっているおじさんを斬りつける。

 


「そう来ると思ったぜ!」



 が、また避けられた。この辺りは戦闘経験の差が出ているのかもしれない。



「にしても、こっちにも結界を張ってやがったのかよ」



 おじさんは面倒くさそうな表情をしている。



「うーん、それなら。アイスランス!」



 今度は氷の槍を大量に生成して放つ。ドンドンと連射していくが、縦横無尽に駆け回りながら器用に避けられる。



 5分ぐらいこの攻防を繰り返した後に転移で背後から攻撃するもまた避けられる。



「自称闇ギルドの幹部46歳のおじさんなのに強いね?」



「いや、おじさんこれでも本物の幹部なんよ。 って! 誰が46歳のおじさんだ!! まだピチピチの26歳だって言ってるの!!」



 本当にツッコミのスピードが速いな。闇ギルドの幹部というよりは芸人みたいだ。



「うんうん、そういう事にしておくよ」



 つい、弄りたくなっちゃうね。



「というか、さっきの弁明じゃ俺が犯罪者みたいじゃん」



「違うの?」



「いや、犯罪者だったわ」



 うん、知ってた。

 闇ギルドに所属してるんだから後ろ暗い仕事もしてるんだろう。



「じゃあ、写真撮っていい?」



 話しの流れで急に聞いてみる。



「良いぞ。うん? 写真ってなんだ?」



 承諾してから写真について疑問を感じ始めたおじさんをカメラで撮影する。



 カシャッ! カシャッ!



「ウオッ!」



 うん、ノリがいいおじさんで良かった。



 おかげで欲しいなと思っていた、スキルを一時的に封印するスキルを手に入れる事が出来た。

 カメラに撮影されて驚いているリアクションも面白かった。



「おじさんって何で闇ギルドの幹部なんてしてるの?」



「おじさんにも色々あるんだ」



 何でこんな事をしているのか聞いたら、雑にはぐらかされた。



「じゃあ、何でダリアは狙われてるの?」



 僕にとってはこの質問が一番大事だ。闇ギルドがこれからもダリアを狙うなら潰さないと行けないからね。



「優秀なスキルもそうだが、ウチのボスがハーレム要員にしようとしてるんだ」


 この質問には答えてくれた。

 うん、徹底的に潰そう。



「じゃあさ、おじさんこっちに寝返らない?」

 


「は!?」



 まさか勧誘されると思わなかったのか驚いた表情をするおじさん。

 話してるうちに気に入っちゃったんだよね、おじさんのこと。



「そのボスって僕とダリアが暮らすのに邪魔そうだから殺そうと思うんだよね。だから手伝ってくれないかな?」



 僕は組織の事をほとんど知らないし、戦うなら知識を持った人材が欲しいというのもある。



「俺たちさっきまで殺し合いをしてたんだぜ」



 まぁ、そうなんだけど。

 昨日の敵は今日の友とも言うしね。



「でも、断ったらおじさんのこと殺すよ」



「怖!! 物騒だな!!」



「それにダリアと仲いいんでしょう? 最初からダリアをどうこうするつもりは無かったんじゃないの?」



 自分を狙っている相手とああいう掛け合いをするという事は、少なからずおじさんはダリアが心を許してる相手だと思うんだよね。



 それに漆黒の勇者一行を煽っている時とはダリアの表情も違っていたし。

 何より殺意みたいなものをおじさんからは全く感じなかった。



 僕が異世界に来てから殺してきて相手は弱くても殺ってやるという気持ちが見えていた。

 それが見えないという事は、初めから組織の命令に従ってダリアを捕まえるつもりは無かったのかも知れない。



「……」



 黙り込むおじさん。



「おじさんも本気で殺しにきてる感じしなかったし」



「いや、俺はお前さんの攻撃は結構必死になって避けてたぜ!」



 大丈夫。

 僕も首を狙った攻撃とかして無いから。



「で、どうなの?」



「あぁ、本当はアイツを逃してやろと思ってたんだ」

 



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