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第7話 ー 女の子ですものね

 目の前のステータスボードに広がる世界地図。この世界は想像以上に大きいようだ。ここは結構大きい大陸のようで、海っぽいものは見てとれない。


「そこに緑色のマーカーがあるでしょ? それがキミの現在位置ね」


 確かにフワッと緑色のマーカーが表示されている。前世で使っていたタブレットPCでやっていたように、マーカーを中心に二本の指でピンチしてみると、思った通り拡大表示される。しかも任意で等高線表示のオンオフなんかもできる。とはいえこの近隣はどうやらほぼ平坦みたいで、線間がとても広い。


「これは便利だな!」

「ちなみにこの世界の人間族は、成人するとみんなステータスボードが使えるようになるから、いちいち驚かない方がいいわよ」

「なんだよ俺だけじゃないのかよ!?」


 俺だけが使えるステータスボード! とか一瞬でも優越感を覚えた俺が不憫でならない。なんかどんどん普通になってる気がする。まぁ今は普通が妥当、ということで、俺は俺を宥め賺す。


 とはいってもこれからこの世界で生活していくにはこの上ない便利なもの、だということはすぐにわかる。拡大したマップを見てみると、どうやらここは小さな村のようで、ここから東に向かうと大きい街があるようだ。しかも現在位置からおおよその到着時間も表示されている。


「ステータスボードも徐々に慣れていけばいいわ。キミの前世にも似たようなものがあったみたいだし、大丈夫でしょ?」

「あぁ、大丈夫そうだ(不安だけど)」

「じゃあそろそろワタシは帰るけど、時々遊びに来るからねー」


 遊びに来るって言ってるけど神様ってそんな暇なものなのか?

 なんかもう色々突っ込みたいけど、無駄に時間を過ごしたくないので素直に見送ることにする。


「あぁ、暇ならたまには来てくれよ」

「そうね、そうさせてもらうわ……そうそうこれ大事だから言っておくけど」


 おいおい待て待て大事なことを今言うのかよ。こいつ絶対忘れてただろ。なんか口尖らせてヒューヒュー言ってるけど、口笛鳴ってないぞ。


「なんだよ大事なことって」

「キミ、女の子だから言葉遣いに気をつけてね〜」

「っ!」


 そう一言だけ言い残して、神様っぽくスッと虚空に消えていった。


 女の子、かぁ……。女の子やったことないからわからないんだが。口元押さえて『ふふっ』とか笑ったりしなきゃいかんのだよな!? でも事実俺は今女の子だし、覚悟決めないとなぁ。


「……そうだよね、女の子ですものね」


 うわぁこんな言葉遣い初めてだし。ある意味これ一番難易度高いんじゃないだろうか? いや見た目と言葉遣いは合ってるよ!? 合ってるけどどうなの俺。


「っはあああぁぁぁ……」


 これ以上ないくらいの大きなため息をついて、ひとまず私はベッドに腰を下ろして、これからのことを考えることにしたのです(頭の中でも女言葉にしておかないと素が出ちゃうもんね)。

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