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第35話 ー スキル「ナノアイ」発動!

「で、このスキル(ナノアイ)ってどうやったら使えるんですか?」


 この世界に来て、初めての『スキルらしいスキル』。それまで保有していた『そこそこ高き教養・読み書き・算数』は、私のもと居た世界では一般常識の範疇だ。この世界からしたら異能なのかも知れないけど、私にとってはまったく実感のないスキル。でもこのおかげで子供達に勉強を教えて、幾許いくばくかの報酬を得ているからありがたいのだけど。


 私の問いに、いつもの調子でサラッと神様は言う。


「うーん……、特にどうやって使う、っていうほどじゃないのよね」

「どういうこと?」

「キミ、呼吸する時って意識してる?」

「いいえ、特には」

「じゃあ、そういうことよ」


 まったく話が見えないけど、ようするに「息を吐くようになんとやら」ってことなのかな。だったら息を吐くように『ナノアイ』発動してみようじゃないの!


 真っさらな紙を目の前の机の上に一枚用意、そして鉛筆を手にとる。右には今まで練習してきた『風の魔導詩ver.02』の習作。秀作ですら結構小さめに書けているねよく見ると。

 では、この世界で初めて? のスキルらしいスキル、発動してみましょう!


 まずは、今まで通りに文字を小さく書いてみた。いつも通り、今自分で書ける最低限の大きさのままだ。よし、次は書いた文字を『ナノアイ』で見てみよう。


(ナノアイ発動)


「うわっ! なにコレ!?」


 思わず激しく仰け反る私。


 驚くのも無理はなかった。説明するのは難しいのだけど、例えるなら今まで書いた文字はおおよそBB弾くらいの大きさで、ナノアイを発動した瞬間、グラスの下に敷くコースターくらいの大きさに視えている。しかも本物の顕微鏡のように倍率も思いの儘で拡大縮小できたのだからさらに驚きだ。しかもこの『ナノアイ』、顕微鏡そのままの性能らしく、望遠鏡のように遠くのものを拡大して見ることはできないようだ。ちょっと残念。


 まぁそれは今はどうでもいいことなので、続けざまに今度はナノアイを発動したまま文字を書いてみた。もちろんかねてより構想していた『風の魔導詩ver.02』の1文節だ。24文字ほど書き終えてからナノアイを解除して改めて見てみると。


「神様! コレ見て! 凄くない?」

「え? 何が凄いの?」


 はてなんのことでしょう? みたいな顔の神様。はいはいそういう反応になりますよね。だって、ナノアイ発動で書いた文字は、普通に見るとゴマくらいの大きさなんだから!


「これ、小さな粒みたいに見えるけど、文字なのよ!」

「うんうん、『ナノアイ』の使い方、わかったみたいね」

「はい、これならイケると思います」

「あー、『風の魔導詩ver.02』ね?」

「えっ?」


 あれ? 私神様に風の魔導詩ver.02の話したかな? まぁいいや、今はこの『ナノアイ』があれば確実に風の魔導詩ver.02を書き上げる自信がある。


 もはや失敗する要素は『ナノアイ』によって一切払拭された。もう今すぐに書き上げたい! そんな興奮を制するように神様は私の思考に介入する。


「で、『風の魔導詩ver.02』ってどんな感じで書こうとしてるの?」

「はい、それはですね――」


 私の構想の全てを聞いて、神様は腕を組んで何度も小さく頷く。


「ふむふむ……なるほどね〜。キミ、考えたわね」

「ですよね。で、どう思います?」

「うーん、まさかそこまで考えていたなんて想像してなかったけど、まぁ大丈夫なんじゃな〜い?」

「またそんな簡単に言って」


 いつもなんか適当な神様なのだけど、なんだかんだ言っても間違ったことは言わないんだよね神様。だからきっと『風の魔導詩ver.02』はうまくいくに違いない!


「あ、ワタシ急用を思い出したから帰るわね〜」

「神様にも急用なんてあるんですね」

「そうよ、神様って結構忙しいものなのよ。じゃあまた来るわね〜」


 そそくさと慌てて帰る神様を見送って、ふぅっと一息。


さて、今日はこのくらいにして、明日こそ『風の魔導詩ver.02』書き上げます!

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