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体に落ち着かない

作者: 詩稀

最後シリアス注意です

ききっー!どーん!

私の生涯は車に跳ねられて終わった。


次に起きた時、天井が見えて寝返りが打てない。これは赤ちゃんになったなと理解した瞬間寝た。


次起きたら、幼稚園だった。

持ち方鉛筆くんでひらがなの練習中だった。昔の私は持ち方鉛筆くんを無くしそれで先生に怒られたので持ち方鉛筆くんは嫌いである。それゆえ、私は持ち方鉛筆くんを外し、それ無しで書き始めた。

先生はつけさそうとしてくるがお構い無しに書いた。一心不乱に書いた。

誰が一生つけるか!ばーーーーーーーか!

そのあと家に帰宅したら寝てしまった。


そんな生活を続けていると、いつの間にか働ける年齢になっていた。そしてどこかの御屋敷で働くらしい。(そしてこの後気がついたが私という人格の他にこの体の持ち主の人格がある)


そして働く初日。仕事内容はそれなりで世間話する仲の人も現れた。

その人達からお嬢様について聞いた。

そのお嬢様の話を聞いているうちにここは小説の中だと気づいた。

お嬢様は双子で生まれて不吉と言われるアザが出てしまった。殺すと世間体が悪いからという理由で生かされいる。(庶民にはそういう感覚ないけど貴族にはある。めちゃくちゃ後ろ指差される)


この体の持ち主はそのお嬢様を気味悪く思ったらしくしかも他の人も軽蔑しているから軽蔑しても良い対象だと認識したら様で、その次の日からそのお嬢様への挨拶や会話はなかった。

元々アザお嬢様略してあお様(心の中でそう呼ぶことにした)は部屋から出るほうではなく一日中静かに部屋で過ごされていた。


そんなある日、たまたま私が体を操る日となり、そこにたまたまあお様の部屋掃除の代理となった。


無言で掃除していたがすぐにやることがなくなり、暇を持て余した。このまま帰ったら違う仕事も任されることになってしまう!それは避けたい私はあお様に話しかけた。


「お嬢様、普段どんなことをしていらっしゃるんですか?」


すぐに出ていくだろうと思っていたあお様はすごく驚いた表情で絶句していた。


それでもなんとか気持ちを整えたらしくそして非常に困った顔で答えてくださった。


「いつも本を読んでいるわ」


「どんな本を読んでいるんですか」

「よく読んでいるのは哲学かしら」

「私も好きですよ。想像がものすごく膨らみます。」

「そうなの?でもそうかもしれないわね」

「お嬢様はあの地球五分前説を知っていますか?」

「もしかして、あの有名な思考の話?」

「そうそれです!」


夢中で話し込んだ。しかし気がつくともうそろそろ去らなければならない時間になっていた。私としてはもう少し話したいがこの体の持ち主は、あお様を嫌っているからな。それなりに切り上げておこう。


そして去ろうとした時、私たちは約束をした。キーワードを作った。


「お嬢様のところに行く時は必ずこのキーワードを言いますし、近寄りにも行きます。ですから、自ら話しかけに来ないでください。何をしでかすかわかりません。」


「わかったわ」


あお様が頷いてくれたのを見て、そして部屋を去った。


何ヶ月か過ぎた間に色々話したが私が不定期にしか来られないため、1回に話す回数が多くなっている様子だった。


そんな関係を続けて7年が過ぎた。ある日、私があお様を訪れて神妙そうな顔で秘密があるのと言われた。


「私実は生まれた時から妖精が見えるの。こんなこと誰にも言っても信じてくれなかったけど、あなたならって思って」

「ありがとうございます。では、私からもひとつ秘密をお教えします。実は転生しているんです。ですからこの体に慣れておらず出る期間が不定期なんです。」

「そう、なの。そうなのね。秘密を教えてくれてありがとう。」

「お嬢様、教えて頂きありがとうございます。実は私もうひとつ隠し事があったんです。」

この隠し事を教えることであお様のもう一つの秘密をしっておきたい。そうでなければ困るからだ。

「あら、何かしら?」

「魔素が見えるんです」


そう実はこの小説の世界では魔法が使えるのだ。まぁ私には魔法を使う適性がなかったが。ちなみに使える適性が出るのは確率は4分の1だそうで、出たらいいよね位のポジションだ。しかも使える魔法が微妙である。だから、この世界では魔法はそんなに重宝していない。


「魔素が見えるの?」

「えぇ、そうですね。なので秘密にして頂きたいんです。」


魔素が見える人というのは少ない。10万人に一人いたらいい方だ。だから世間にバレたら一発アウト。解剖されて終わりだ。もしくは見えない鎖で繋がれて一生働かされて終わり。


「わかったわ、でも言うだけでは信用ならないかもしれないわね。私ももうひとつ秘密を教えるわ。私の痣が見えるかしら、これね生まれた時から見えている妖精に執着されている証なの。だから他の人と話す時、痣がキリキリ痛むのよ。」

「それで前、廊下でお会いした時に人と話されていて痛そうな顔をしていたのですね。」

「えぇ、そうなの。でも、あなたと話していて痛かったのは、最初だけ。あとは全く痛くなくて。」

「そうなんですか、それは嬉しい限りです。」


というか全く痛くなくなったのにも理由がある。私は魔素が見えているからか(と言ってもこの体の持ち主は見えておらず私が出た時だけ見える)妖精が見えた。初めてあお様についている妖精を見た時はそういえばそういう設定の妖精がいたなーぐらいにしか思っていなかったが、その日の夜にポルターガイスト的なものを引き起こされた。腹が立った私は、その妖精から魔素を引き剥がした。できるかどうか微妙だったけど怒りのボルテージが最高潮だった私は、勢いだけでやった。

そしたら出来た。

ペリっと剥がせたのだ。

魔素を引き剥がされた妖精は慌てふためき私に謝ってきた。

ざまぁ!と思いつつ、まぁ私に関わらんでいてくれたら戻してやろうと言った。

首をこくこく縦に降って頷いていた。

もちろんお嬢様関連でもだぞと言うと、微妙そうな顔をしていたが、したら剥がすといえば、頷いてくれた。

よかった。話し合いでわかってくれて。

そんなことをして私は妖精から何もされない何もしない権利をもぎとっ…貰ったのだ。


というかそもそもなぜこの秘密を引き出したかと言うと、そろそろあお様が妖精の世界に行ってしまわれるのだ。

妖精の婚約者がいるというのを誰かが聞いているのが展開を動かすきっかけになる。

本当は可愛いあお様の横にもう少しいたかったが、時間切れだ。世界が展開通りに動かそうとしている。この前、連れて行かれる前のイベントを見た。だから、私がこの秘密を引きずり出したのだ。

そしてこのきっかけを作ったあとあお様の誕生日に合わせて妖精が迎えに来る。(今ここにいるのは分身みたいなものだ)

誕生日まであと一週間、今年は意外と誕生日が近かった。そしてこれを逃したら次はもうあお様に会えないだろう。


「では2人とも隠し事が無くなりましたので、これでおしまいということにしましょう。今日は何の話をしますか?」

「そうね。今日は愚痴を聞いてもらおうかしら!その後にあなたからの愚痴も聞きたいわ。」


こうして夜が開けるまでずっと話をしていた。帰り際にもう会えなくなるであろうあお様に、小さく一言。

「ずっとお元気で」

あお様には聞こえなかったらしく、可愛らしく何か言ったかしら?と、私はいいえ何も言っておりません。と返し、お開きとなった。


その後は様々なことが起きた。まずあお様の誕生日はみんな渋々会を開き祝っていた(もう一人のお嬢様は盛大に開かれていたらしい)が、途中で居なくなったのを良しとして早々に誕生日会をやめた。


次に王家からこの家の不正を暴かれ、一家没落して御屋敷の従業員はみんな解雇。

この体の持ち主は運の悪いことに、家からは程遠くついでにお金は使い切ったらしく、ゆくあてなくフラフラして路地裏で死んだ。人望もない女だった。


私はこの結末をわかっていたが、何も行動を起こさなかった。二度目の生となって別に死に対して怖いと感じることがなくなり、どうでもよかったからだ。


冷えて固まるこの体。私は流れるままに身を委ねた。

ここから先はいふるーとです。

シリアスで終わらせたい方はここでブラウザバックしてください








意識がなくなる一瞬、お嬢様の声が聞こえた気がした。


目を覚ますと、知らないところにいた。

ん、あれ、私は死んだはず。

そう思いながら辺りを見回していると、1人の眠っている人に気がついた。よく見るとあお様の面影があり、私が最後に認識した時間から時間が経っているようだった。


話しかけようとすると、目がパチリと開いてこちらに目を合わせると一目散に駆け寄ってきた。


起き抜けに一言

「よかった〜」


と言うと、へたりと座り込んでしまった。

しばらくすると泣いている声が聞こえ、あお様の頭をとりあえず撫でていると、よく見た妖精(これからセコムと呼ぶことにする)が現れてこちらをきっと睨みつけてきた。

セコムいわく、人間界の未練は全部なくなればいいと思って片付けていたが、あお様を傷つけたくなく私は別の仕事を紹介して、あの御屋敷は滅ぼしたと言っていた。

というのも実は別の仕事があるからそこで働けば?とこのセコムからは言われていたが、そこも違う小説の舞台でもうこの人生も飽きたから、遠慮しておいたのだ。


だが、私がもうすぐ死にそうというところでたまたま人間界に来ていたあお様達は、私を見つけた。元気にやっているだろうと思ってあお様の魔法でやってきたのである。

セコムは止める暇もなく、一瞬で来てしまった。

そしてあの状態の私を見て、あお様が連れて帰ると言って、私はここに来たのだった。

眠り続けて10年。魔法でなんとか生き長らえていて、今ようやく起きたという訳である。


その間もアオ様は泣き続け、ついには寝てしまわれた。そんなあお様を見ていると私も眠たくなってきて、眠りについた。

朝起きると昨日見た日の翌日であり、とても驚いた。そういえばセコムに昨日もう1人の魂はどこかにいったと聞いたな。

そうか、いなくなったことで私がこの体に定着したのか。

定着しちゃったからには生きないと痛みが伴うし。でも、今後どうするべきだろう。

この家に雇って貰えたら考えなくてもいいけどそういう訳にも行かないしなー。

体を回復させて、なんとか身分とか生活に必要なものもぎとって準備が出来たらこの家から出て生きていこう。

そう決心した時、セコムから、

お前今日からここが仕事場だから。やることはあの屋敷でやってたような仕事ね。

と、非常に言いにくそうな顔で言われた。

大方あお様から言われたのだろう。

ありがたく思い、楽しく生きていこう


まずは隣で眠っているあお様を羨ましがっているというか嫉妬しているセコムからやってくる魔法を止めるのが先だ。

これから大変そうと思ったけれどこれもなかなか悪くないそう感じていた。







これにておしまいです。本当はこの主人公ちゃんに運命の出会いみたいなものがあって彼氏ができる話とか、1回主人公ちゃんが死にかけたことによってあざお嬢様が過保護になった話とかありますが、気力がないので書きません。


ここまで見て頂きありがとうございます!

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