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スカーレッド 序 エヴァン=ジル  作者: 綴羅べに
1.華の都のドブネズミ
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 ――あなたの髪は、まるで黄金を梳いたみたい。

 やせ細った指で頭を撫でながら、あのひとが言う。

 ――とっても綺麗よ。こんな醜い沼の底には似合わないぐらい……ああ、本当にもったいない。

 それは口癖だった。子守歌でもあった。

 ――あなただけでも、真っ当な表の世界に出してあげられたらよかったのにね。ごめんなさいね、不甲斐ない母親で。

 首を横に振る。そんなことはない。確かにどうしようもない毎日ではあるけれど、みんな一緒なら……たとえふたりぼっちになってしまっても、構わない。

 けれどあのひとは決まって苦く微笑むだけで。


 その顔のまま、迎えに手を引かれてゆく自分の背中を見送っていた。

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