VS先見隊
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*午前11時30分*
彼らこと異世人たちの宿泊するビジネスホテル前に、マイクロバスが止まっている。フロントガラスの端には【異世界御一行様】のプレート
「昨日は仮眠できたか?」
複数の機械とタブレット端末を設置した源が楓に聞く。
「もちろんです。あ、Tw*tterとかで確認しましたが、ホテルまではバレてないようでした」
頷き、別件を報告する楓
「そのようだな。マスコミもいないようだし」
源らの心配のひとつが【彼らが泊まるホテルがバレる】ということだ。いまや自分の写真をネットに流せば、たちどころに自宅の場などの個人情報が流れる時代。
しかし、厳しい報道規制のおかげで心配事は減ったようだ
「運転手さんも、急な仕事の依頼、申し訳なかったです。 緊張されていませんか?」
楓がバスの運転手に優しく声をかける。
「はい、私の仕事は異世界の人だろうが怪獣だろうが、送迎することですから」
微笑みを浮かべ、答える運転手の仕事精神には日本人の真面目さが表れている
そうこう話している間に15分経過した
ほどなくして、ドワーフがフロントまで歩いてきて、受け付けとなにやら話をしている。
ちなみに源、楓はバス前で待機していて、ホテルの透明な自動ドアからドワーフの様子を見ていた。
「!……っ!!」
源たちに気づいたのかドワーフは慌てて部屋のあるであろう方向に走っていく
「「「「っは………はぁはぁ」」」」
10分程の後、先見隊のメンバー四人が自動ドアをくぐり出てきた。
皆息切れ状態で魔法使いの少女にいたってはソックスを走りながらはいている
「だ、大丈夫…ですか?」
楓が心配そうに一番近くにいる騎士らしき人に聞く
「そ、そなた達が[ボーエーグン]か?」
「は? いえ[ツアーガイド]ですが…」
「成る程、ニホンではそう呼ぶのだな、覚えたぞ」
息切れが収まった騎士がビシッと敬礼し問う
「質問する。そなた達は[いつから潜伏]していた?」
「せ、潜伏ぅ?」
「……私たちは30分程前から待っていました。貴女達を迎えるために」
源の説明に、ざわつく先見隊メンバー
(まさか、こうして歓迎されるって事も今までになかったのかな?)
楓は内心そう考えているとエルフが青い瞳でバスを凝視している事に気づいた
「これはバスという乗り物です。皆さんはこれで移動してもらいます。荷物等は私たちに任せて、乗って下さい」
楓が説明した後、エルフが他のメンバーになにやら話す
「………解った。ニホンの馬、興味深い、乗ることにする」
結局、出発は12時20分になった