表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/27

抗う弱小企業

「~という訳だ。よろしく頼むよ? 徳島君」



代表が、その日の間に訪れたのは都ツアーコンサルタントの下請け会社。

従業員は十数名、内ツアーガイド等の外回りのメンバーは5人程である



「しかし…我々には大規模なツアーを組む資金がないのは存じていますよね?」



徳島と呼ばれたのは、この下請け会社の部長である。従業員からも信頼はあるものの、近年の不況には勝てないのが実像である



「心配はいらない。これは[国家の重要事態]、移動手段のチケット代やガソリン代にいたるまで、こちらが保障しよう」

「だ・か・ら、君たちは[彼らが満足するようなツアー]を組みたまえ。仮に失敗した場合は………然るべき対処をする、以上だ」



代表が出ていくと、会社内には不穏な空気が流れる

「すまない皆、私が不甲斐ないばかry…」



「異世界の人を案内できるんですね!! ワクワクします!」



部長の謝罪を無視して叫んだのは、やや赤みがかかった黒髪の女従業員 [山口楓(やまぐち・かえで)] まだ入社2年目だが元アナウンサー志望で声がよくツアーガイドを担当している。



「わ、ワクワク?山口君は怖くないのかね?魔法だよ?」



「はい! だってそういう人達の文化レベルって中世のヨーロッパくらいですから」



「詳しいな」



「だって小説とか漫画とかたくさんあるんですよ?」



社員達の視線が山口に注がれている中、彼女はカバンから本を一冊取り出した

「これなんかも、そうですね。」



挿し絵が可愛らしい小説(ライトノベル)を一人の男性従業員がパラッとめくる



「しかしだね。どこを案内させるんだね?普通のツアーでは上も納得はしないだろうし…」



「彼らは我々の文化を学び、その知識をアチラで生かしたいのでは?」



「「「源さん!?」」」



従業員達がライトノベルを軽く読んだ男性の名前を呼ぶ。

長崎源(ながさき げん) この会社の古参社員でありベテランだ。



「それに食事も随分と質素のようだ。そんな彼らが[侵略]したいと言ってきたんです」

「この世界一安全で優しい、観光大国日本を」



〈それって、かなりすげぇよな!


〈おもてなしの力見せてやりましょ!


〈な、なんかやる気でてきました!



源の言葉に決起される従業員達


「ピンチこそチャンス、か」

「よし、皆! 絶体に満足させようじゃないか?」


部長の提案に一同頷く。まるで魔物を断つ勇者のような姿







しかし、数分後 代表より[明日の昼12時に迎えに行って下さい]との連絡に一同が てんやわんやすることとなる

作者は頑張っている中小企業を影ながら応援してます


次回いよいよツアーが始まります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ