日本にようこそ異世界人様
出てくる町、団体、人物、固有名詞は実在のものとは違います。
フィクションです。
西暦2**0年
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日本のとある町に突然 【ソレ】は現れた
〈なんだコレ?
〈門……っぽいよな?
翡翠色と紫を混ぜたような西洋の門に似た物体が町中にポツンと一つ現れた。そして、その中からは……
【異世界からの門】[ゲート]が突如出現した。
そのニュースは情報化社会の日本の端から端に伝わるまで時間はかからなかった。
すぐに警察が急行。ゲートからは[異質な人種]が表れた。
耳が長く、青髪蒼瞳の女エルフ
小柄だが屈強な体の男ドワーフ
西洋風の甲冑を着た青年
三角の帽子にローブ姿の魔法使い
どの人物も日本ではゲーム等では見なれた存在。
[異世界からの来訪者]である
彼らの一人が周りの警官隊に告げる。
「我々はリグロリアという、魔法が発展した世界から来た。我々は様々な世界を、このゲートを通じ【侵略】してきた!!」
言葉が理解できるのか、という驚きよりも[侵略]という言葉に皆驚いた。警官隊は銃や盾を構えているが日本では威嚇射撃でさえ問題となる。うかつに発砲許可は降りない。
「我々の侵略を止めれるものなら止めれてみるがよい。今までの世界の民たちは、怯え、苦しみ、最後は命乞いまでした、恐るべき侵略」
「その恐るべき侵略とは………それは[観光すること]である!!! 日程は半日を要望する!!!」
<はい?
誰が口を開いたのか分からない。そんな場違いな空気が、流れた。
【防衛省】
「…で、彼らの目的は観光であると?」
国の重要機関である防衛省。今は重役数名程度と ある職業の専門家一名しか集まっていない。
既にテレビやラジオ等は厳しい報道規制をかけてはいる。
しかし、異世界の彼らが来訪した事実はYouT*be等で皆が知っている。
「はい。私が交渉しようと近寄った際、魔法使いと名乗る人物より[観光とは こういう形式である]と重々説明されました」
「その話を聞く限りでは観光とは我々の知る観光と変わりないモノだと理解しました」
警官らしき一人の報告に重役の一人が質問する
「彼らは何故[日本語]を話せる?」
「彼らの言葉[スペル]には[認識魔法]がかかっているからだ。そうです」
「今はどこに?」
「町内にある、ビジネスホテルに宿泊しています。規制も抜かりなく」
「で、ここからは君の仕事だ。解るかね?」
警官の説明が終わると、ビジネススーツを着た人物に重役が問う
「成る程、つまり彼らを[観光客]として、もてなす為に私は呼ばれたのですね」
彼は日本で有数の旅行会社[都ツアーコンサルタント]の代表である
「そうだ、君の会社のツアーに彼らを参加できそうかね?」
「それは……不可能かと」
代表は内心、彼らを胡散臭いコスプレ集団としか見ていなかった、魔法なんて科学的にありえないしゲーム自体した経験もない。
そんな代表が説明する。
まず他の観光客の迷惑になる、次に彼らは日本に初めて来たパンダも同然の存在であること、仮にツアー参加できたとしてもそのツアー中に事故があった場合、責任は誰がとるのか等々…
「しかしだね、彼らは[先見隊]と名乗っている、彼らが観光に満足した場合、次が来る。」
「仮に満足しなくても、彼らの魔法とやらで日本は…壊滅してしまう可能性もある…」
あまりにもリスクが高い。誰もがそう思った矢先
「ただ………
私の会社の[下請け]なら彼らのツアーを組めるかもしれませんね」
と代表が案を出してきたのである
作者は旅行会社の回し者では、ありません(かなり重要)