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アルバートと森の不思議な関係  作者: よし
1章 学園生活
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出発


 お買い物した日から数日は、今までどおり学園で過ごした。そして『ルーベルクの森』に行く日になった。


「ほら。シャキッとしろよ」


「うん……」


 まだ周りは暗い。半分程まぶたが閉じた状態で、ウツラウツラしながらマークお兄ちゃんの横を歩いていた。

 マークお兄ちゃんは「しょーがねーなー」とつぶやいてから、僕を荷物のように脇に抱えた。


「あうー」


 苦しくて唸ると「片手しか空いてないから我慢しろ」と言われた。マークお兄ちゃんは大きな鞄を背負って、左手にも鞄を持っている。右手には僕……。


「歩けるよー」


「フラフラしてるじゃないか。遅いと置いてくけど……」


「ダメー!!」


「じゃー、大人しくしてろよ」


「……うん」





 校門まで到着すると、学園長とルークにミーシャお姉ちゃんがもう待っていた。


「おはよう。アルバート」


「学園長ー。おはよー」


 僕が抱えられたまま挨拶すると、マークお兄ちゃんが降ろしてくれた。


「おはようございます。」


「おはよう。マーク君」


 マークお兄ちゃんが挨拶している間に、僕は学園長の傍まで駆け寄りひっついた。

 学園長は優しく笑いながら、僕の頭を撫でてくれた。学園長のなでなではとっても気持ちが良くて大好き。


「アルバート。少しお話があるから良く聞きなさい」


「うん。なにー?」


「『ルーベルクの森』に着いたら、何をすればいいかを『森』に聞きなさい」


 僕は笑顔で「うん。分かった!!」と元気に答えた。そしたら学園長も笑ってくれた。


「あともう一つ。瘴気をどうにかして欲しいお願いをされたら、どうすればルークや皆を守れるかを教えてもらいなさい」


「えーと。瘴気から守る方法を聞くんだよね」


「そう。これは忘れてはいけないよ。ルークが倒れたらやだよね?」


 僕はびっくりして「!!ッ。ヤダ!!」と答えた。

 学園長は僕に「大丈夫だよ」と言いながら背中をポンポンと叩いてきた。


「ルークも今の話を忘れないように。無理そうなら何もせず、戻ってきなさい」


「分かりました。しかし、『世界意思』に背くことになりませんか?」


「問題ない。不安ならアルバートにその旨を『森』に伝えてもらえばいい」


「そうですか。ではそろそろ出発します」


「ああ、気をつけて行きなさい」


 僕は「いってきまーす!!」と言って、学園長から離れてルークにくっついた。





 学園長と別れてから、僕たちは大通りを通って町の外に向かって歩いていた。

 今日は早い時間だから、お店がまだ開いてなくてあまり面白くない……。

 なにかないかなーと探していたら、何人かの人が集ってるお店があった。そこにいる人達は、何か食べてるみたいだから朝ごはんのお店かな?

 ちょっと見たいなーと思って近づこうとしたら、僕に巻かれている紐がピーンとなって引っ張られた。ちょっとがっかりしながら、紐を持っているルークの方に戻った。


「アハハハ。飼い主とイヌみたい」


「ルーク先生。これはあんまりでは?」


「アル坊と買い物に出たとき、こいつ勝手にどっかいったり、いきなり走り出したりしなかったか?」


 ミーシャお姉ちゃんはルークから目を逸らして僕を見ると、「しょうがないか。今も勝手に行こうとしたし……」と呟いた。


「お前らはアル坊を叱らないのか?」


「出かけたときはマークが怒って、アルバート君の頭を鷲掴みにしてましたよ。なので私は軽めに注意しただけですね」


 ミーシャお姉ちゃんのお話を聞くと、ルークが僕をみて笑った。


「アル坊、俺とマークのどちらに怒られたい?」


 僕はビクッとして、ミーシャお姉ちゃんの後ろに隠れて「どっちもヤダー!!」と叫んだ。


 ルークは「ククク」と笑いながら肩を震わせながら「選べないんなら、二人でお説教かな?」と言ってきた。


 僕は慌てて二人から距離を取った。けど、紐で縛られてるからあんまり離れられなかったけど……。


「アハハハー。ルーク先生はどうやって叱るんですか?」


「俺は拳骨してから説教だ。お前にもやってやろうか?」


「イヤイヤイヤ。謹んでお断りさせていだきます。」


「だけど、お前にはそのうち必要になるような気がするんだよな……」


 マークお兄ちゃんは「ないないない。」とブンブンと首を振っている。


「私も一緒にいることが多いから、二人を叱る方法を考えようかしら……」


 僕はミーシャお姉ちゃんからも離れた。今は、みんなに背を向けて離れようとしてるけど、紐に引っ張られてずるずると後ろ向きに進んでる……。

 後ろからはマークお兄ちゃんが盛大に笑ってる声と、ミーシャお姉ちゃんが控えめに笑ってる声が聞こえた。


「アル坊、重い!!叱らないからこっちに来い」


「本当?」


「ああ」


 僕がどうしようか決めかねてると「早くしろ!!」と大きな声で言われて、慌ててルークの傍まで走り寄った。

 ルークが怒ったのかと思って、ビクビクしながら見上げると「怒ってない」と言われてホッとした。


「今はな……」


 ボソッと呟いたルークの声が聞こえて、僕は「えっ!?」と反応した。


「いや、なんでもないぞ」


 ルークが真面目な顔で答えたけど、僕はちょっとルークから離れて歩くことにした。


「アハハハー。アルって面白いなー」


 僕は不貞腐れた顔で、「もーマークお兄ちゃん、笑いすぎ!!」と怒った。

 賑やかな感じで僕たちは『ルーベルクの森』へ向かった。

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