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アルバートと森の不思議な関係  作者: よし
1章 学園生活
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初めての授業


 教室に入るとミーシャお姉ちゃんが本を見ながら、ノートに何かを書いていた。


「おはようさん。何やってんだ?」


「おはよう。確認テストの準備」


「ヤバッ。アル、降りろ」


 僕はマークお兄ちゃんの肩からずりずりと降りると、ミーシャお姉ちゃんのところに向かった。


「おはよー。ミーシャお姉ちゃん」


「おはよう。アルバート君」


 ミーシャお姉ちゃんは僕を抱っこすると、そのまま椅子に座った。横を見るとマークお兄ちゃんが慌てて本とノートを出していた。

 抱っこされたままミーシャお姉ちゃんを見て「もう準備はいいの?」と聞いた。


「ええ。そこのバカと違って、私は準備万端よ」


「なるほどー」


「あっ。こらっ。納得すんな。ミーシャ、そいつは何でも間に受けるんだから気をつけろよ」


「ホントのことじゃない。アルバート君は何の勉強するのかしらね」


「僕? 僕はねー、文字のお勉強するの!!」


「そうなの?」


 学園長の部屋にいたときに、本を読めるようになりたいとお願いしたら、ルークの授業を受けて勉強することになったことを伝えた。





 しばらくミーシャお姉ちゃんとお話していると、教室の扉を開けてルークが入ってきた。

 僕はミーシャお姉ちゃんの膝から降りると、ルークに向かって駆け出した。そして、そのままルークの足にしがみついた。

 昨日いきなり置いていかれたことを思い出して、僕は悲しくなって泣きそうだった。


「ヒック、ヒック」


「あー。悪かったな」


 ルークはそう言いながら僕の頭をやさしく撫でてくれた。


「でも、ミーシャもマークもいいやつだったろ?」


 僕はしがみつきながら頷いた。


「俺も学園長もずっと一緒にいてやれないからな。少しずつ色んなやつと友達になっていけ」


「うん」


「よし。じゃあ、今日から勉強するから椅子に座れ」


 僕はルークから離れて机に向かおうとして、ふとアクセルに言われてことを思い出した。

 くるっと回ってルークを見上げた。


「どうした?」


「お父さん」


「……」


 ルークは僕を見たまま固まった。どうしたんだろーと首を傾げてもう一度呼んだみた。


「お父さん」


 やっと動き始めたと思ったら、ルークはすごい勢いで首を振り始めた。


「いやいやいや。違うだろ。何言ってんだ!?」


「ブッ、アハハハー」


 マークお兄ちゃんを見ると、机を叩きながら笑ってた。すると低い声でルークの声が聞こえた。


「あん。お前か。変なことを吹き込んだのは?」


「違いますよー。アクセルです」


「あいつかー。どうするかな?」


 ルークは怒りながら、マークお兄ちゃんは笑いながら話してる。うーん。お父さんって言ってみたけど分からない……。


「ねえねえ、ルーク、僕は隠し子じゃないの?」


「なっ!!」


 ルークはびっくりした顔で固まった。そしたらマークお兄ちゃんがまた机を叩きながら笑ってる。ミーシャお姉ちゃんもびっくりした顔になってる。

 隠し子じゃないのかなーと思って悲しくなった。





「あー。授業を始める前から疲れた……」


 あの後、僕はルークの隠し子じゃないと言われた。でも大切に間違いないと言われたからすごく嬉しい。

 そしたらミーシャお姉ちゃんが「すごいニコニコしてるー。可愛いー」と呟いてて、マークお兄ちゃんはまだヒーヒー笑ってる……。


「ミーシャとマークは確認テストな。アルはちょっと待ってろ」


 ルークはそう言うとミーシャお姉ちゃんとマークお兄ちゃんに紙を配った。


「よし、始めろ。アル坊はこっちの机だ」


 ルークの指したところを見ると、教室の端側に小さめの机と大きめな机が置いてあった。


 僕は小さい方の机側に、ルークは大きい方の机側に座った。


「文字の読み書きをやるんでいいんだよな?」


「うん。本が読めるようになりたいの。」


 ルークは「そうか」と言うと、紙を僕の机に置いてきた。


「じゃあ、今日はこれを読めるようにしよう」


「うん」





 文字のお勉強が終わると、ルークはミーシャお姉ちゃんとマークお兄ちゃんに「終わりだ」と声を掛けた。

 すると、いきなりマークお兄ちゃんが机にぶっ潰した。僕はびっくりしてマークお兄ちゃんのところに向かった。


「マークお兄ちゃん、どうしたの? 大丈夫?」


 心配してると、マークお兄ちゃんが片手を上げてフラフラ揺らした。


「ほっといていいわよ。バカなだけだから」


「そうなの?」


「ええ。あっそうだ。ルーク先生ちょっといいですか?」


 ルークは、ミーシャお姉ちゃんとマークお兄ちゃんから受け取った紙をチェックする作業を止めて顔を上げた。


「なんだ?」


「びっくりすることがいっぱいで、すっかり忘れてたんですが、アルバート君が森に行きたいそうです」


 ルークは顔をしかめながら「話したのか?」と聞いた。


「いいえ。『森と在るもの』だから分かったみたいです。」


 ミーシャお姉ちゃんはそう言って、昨日の庭園で起きたことを、ルークに報告した。

 ルークはしばらく黙ったまま考えていたが、「世界意思ならば従った方がいいか」とつぶやいた。


「分かった。アル坊も連れて行く」


「やったー!!」


 はしゃいでる僕を見たミーシャお姉ちゃんが、「これは目的を忘れて、ただ嬉しいだけみたいですね」とルークと話していた。


「まあ、置いていくのも大変だからなー。あんま変わんないだろ」


「あーそうかも。絶対泣くしなー」


 マークお兄ちゃんとミーシャお姉ちゃんが僕を見ながら笑った。僕は「泣かないよー。でも着いてく!!」と言った。そしたら、また笑われた……。


「後でアル坊に必要なものを買っておいてもらっていいか? 俺は他の授業もあるから行けないんだ」


「いいですよ」


「頼む。あと、散歩用の引き綱は持ってた方がいいと思うぞ」


「え!! あれって動物とかを引っ張る紐ですよね。本当に使うんですか? 冗談じゃなくて!?」


 ルークは肩をすくめて「使うかは任せる。俺の予想だと8割がた必要にあると思うな」と言った。

 マークお兄ちゃんはびっくりした顔で僕を見てきた。僕は良く分からないから首を傾げてマークお兄ちゃんを見た。


「アル坊、後でミーシャとマークと外に買い物に行ってこい」


「お買い物!! お外出ていいの!?」


「ああ。迷子になるなよ」


「うん!!」


 僕たちは寮に戻って準備をしてから出かけることになった。

 

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