世界の真実
おじいちゃんを見ると、心ここにあらずな感じで、どこか遠くを眺めてるみたい。
僕には、一面真っ白にしか見えないけど。
はっ!!
ボーッとおじいちゃんを見てる場合じゃないよ。
なんか、凄いこと言われたからプチパニックになって、気づいたら何故かボーッとおじいちゃんを見てたけど。
おじいちゃんが分かりやすくお話してくれた内容によると、おじいちゃんはホントに僕のおじいちゃんだった。
ルーベルクの森の意思は、おじいちゃんの一部を使って生んだ(創った?)らしい。それで、僕はそのルーベルクの森の意思から生まれたから、おじいちゃんの孫に当たる存在みたい。
ただ、ルーベルクの森を親と思ったことが無かったから、いまいちピンと来ない。
どちらかというと、ラルヴァとかルークがお父さんでは無いんだろうか?
ルーベルクの森の意思は、お母さんっぽい。性別は分かんないけど、なんとなく。
「よし。おじいちゃんは、お母さんを創った。だから、僕のおじいちゃんで。ラルヴァとルークはお父さんで」
ん? マークお兄ちゃんはお兄ちゃんだから、お兄ちゃん?
じゃあ、ミーシャお姉ちゃんはお姉ちゃんだから、お姉ちゃん?
知らなかった。こんなに家族がいっぱいだったなんて……。
これで、僕の家族については、分かった。
あとは、おじいちゃん……。
プチパニックの元凶だよ。
お話を思い出してみると……。
世界を創って今まで寝てた。
「意味分かんないよー!! 分かるけど、分かんないー!!」
ま、いいかーの結論になって、悶え終わるとおじいちゃんがこっちに来た。
「どこか見てたの?」
「世界がどのように成長したかと、力の循環を担う……ルーベルクの森と同じ存在がどうなったかを見ていた」
おじいちゃん、優しいです。ちょっと分からないと思ったら、すぐに言い直してくれた。
さすが、世界を創った人!!
「ルーベルクの森と同じ存在……。おじいちゃんの子供が他にもいるの?」
「いる。森、山、海といった様々な所に存在する」
おおー。
他の皆にも会ってみたいなー。
「皆、元気だった?」
「いや」
えっ。元気じゃないの?
「病気なの?」
「病気……、見せた方が早いか」
おじいちゃんが僕の手を取った。
すると、周りの景色が一変した。
何も見えず、聞こえず、ただ白い空間が広がっていたのに。
蒼い空がどこまでも広がり、眼下にはキラキラと輝く大きな水たまりが広がってる。
眼下……。空!! 落ちる!!
慌てておじいちゃんにしがみついて、目をギュッとつぶる。
「海だ」
おじいちゃんは、僕が怖がって思いっきりしがみついてるのも気にせず、一言呟いた。
恐る恐る目を開けると、どこまでも蒼く、空の境目まで水たまり……海が広がっている。
それで、落ちないみたいだから少しほっとする。でも、おじいちゃんからは離れない!!
「ここにも、ルーベルクの森と同じように、意思が在る。役割も同じで、滞る世界の力を取り込んで、放出することで還元している」
「へー」
今見てる景色が壮大で、お話も壮大で。
これしか言えないよ。世界規模のお話されても。
「次へ行く」
おじいちゃんが呟いたと思ったら、また違う場所に来ていた。
今度は、砂の海が一面に広がる黄色の世界。
「ここは、森と湖の国と呼ばれていたようだ」
「えっ!! 森も湖も無いよ!?」
前を見ても、後ろを見ても、悠久の砂が広がるのみで、他には何もない。
「瘴気が生まれ、力の循環が行われなくなった。その結果、バランスが崩れて今の状態になったのだろう」
これが、瘴気で……。
だから、ラルヴァも、他の森と在るものも、命をかけてまで瘴気を消そうとしてるのかな。
でも……。
「そうだ!! おじいちゃんなら、直せるんでしょ」
「無理だ。この世界は、自らの力と意思にて歩みを進めている。もう、そこまでの干渉はできない」
「そっか」
僕は、呆然と砂だけの世界を見つめた。




