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アルバートと森の不思議な関係  作者: よし
1章 学園生活
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寮生活(前編)


 学園の色んな所を、マークお兄ちゃんとミーシャお姉ちゃんと一緒に周った。気づくと周りは暗くなってきており、寮に行くことになった。

 ミーシャお姉ちゃんが手を離してくれないのはもう諦めて、これから向かう寮が何かを手を引っ張りながら聞いた。


「私たち学生が住んでるところで、ご飯を食べたり寝たりする所よ」


 寝るところかー。あまりいい思いがないなー。


「やっぱり一緒に寝るの?」


「寝る場所は一人部屋だけど。うん、アルバート君の大きさなら大丈夫だから、一緒に寝ましょう!!」


「こら。何言ってんだ。お前は女子寮だろ」


 ミーシャお姉ちゃんはちょっと考えてから、僕を見た。


「別に……、大丈夫じゃないかしら?」


「いや。大丈夫かもしれないけどダメだろ。同室のやつも居るんだろ」


「そうね。残念だけど」


「アル、お前は俺と同じ部屋になるから」


 うーん。そうすると、マークお兄ちゃんと一緒に寝るのかなー?

 また落とされるのかなー?今日も落とされたことを思い出して、ちょっとしょんぼりになった。


「どうしたんだ?」


「蹴らない?」


 ちょっとうつむいている状態で聞いてみたら、ミーシャお姉ちゃんが屈んで心配そうに話してきた。


「何で蹴られると思ったの?」


「ルークがいつも蹴ってくるの。だから寝る所から落っこちちゃうの!!」


「アハハハハー」


 真剣に話したのに、マークお兄ちゃんは思いっきり笑い出した。落ちたら痛いし、びっくりするのにー。


「ルーク先生って寝相が悪いのね……」





 男子寮と女子寮は別の建物だから、途中でミーシャお姉ちゃんとお別れをした。

よく分からないけど、ミーシャお姉ちゃんはしょっちゅうギューッとしてくるから、抱きしめるのが好きみたい。お別れの時も大変だった。マークお兄ちゃんが助けてくれなかったら潰れちゃってたかも……。


「アル、着いたぞ」


 扉を開けて中に入ると、まず大きな食卓が目に入ってきた。そこにはお茶碗が1つだけ置いてあり、椅子は2つあった。

 左側は料理する所かな。右側は2つの扉があるけど、閉まってて中は見えない。

 部屋を眺めてると、マークお兄ちゃんが食卓の近くで「なんだこれ?」と呟いていた。 僕も近づいて覗いてみると、テーブルの横に見覚えのある大きなかばんが置いてあった。


「これ、僕のかも?」


「そうなのか。開けてみていいか?」


 僕は「うん」と答えると、マークお兄ちゃんがかばんを開けて中を確認した。


「確かにアルのだな。小さい服が入ってる」


 マークお兄ちゃんが「用意周到だなー」と呟いた。かばんの中身を確認していると手紙が出てきた。


「えっと、俺宛て?」


 僕が気になって「なんて書いてあるの?」と尋ねた。文字のお勉強はこれからだから、まだ読めない。


「えーと。アル坊の飼い方……」


 かいかた?何だろう?


「餌は1日に……、不貞腐れたらお菓子で……、散歩用の引き綱って本当に入ってるし……」


 ちっちゃい声でブツブツ言ってるマークお兄ちゃんに「教えてー」と話してみたけど、目をそらして答えてくれなかった。





 マークお兄ちゃんが手紙を読み終わると、右側にある部屋に連れて行かれた。

 部屋の中は、机と椅子それから、寝るところだけで何も置いてなくて寂しい感じ。

 学園長の部屋と似てるけど、あそこは本がいっぱいで楽しかった。まだ読めないけど、絵がいっぱいの本とかを見るのが好きだった。

 キョロキョロしてると、マークお兄ちゃんが僕のかばんを部屋に持ってきた。


「ここはアルの部屋な」


「僕の部屋?」


「ああ。だから好きに使っていいよ。そこの寝台もアル専用だ。だから蹴られて落ちることはないよ」


 笑いながらマークお兄ちゃんが部屋の説明をしてくれた。蹴られて落ちるのが面白いみたいでまた笑ってる。

 面白くないのに!!でも、僕の部屋!!学園長やルークと一緒の部屋もよかったけど……。僕の部屋!!何か嬉しい!!

 とりあえず、寝台?寝るところによじ登ってみる。


「わー。ふわふわだー」


 ジャンプするとポンポン弾む感じがすごく面白い。


「こら。寮の奴らに迷惑だから跳ねんな!!」


「アハハハー」


 高くジャンプできて楽しいと思ってたら、いきなり抱き抱えられた。

 びっくりしてマークお兄ちゃんを見ると、ニコニコしてた。でも何か怖い……。


「迷惑になるから跳ねるなと言ったよな?」


 ニコニコしながら、でも低い声で話してきた。と同時に僕の頭を掴んできた。


「イタイー!!マークお兄ちゃん、止めて止めてー!!」


「もうしないよな?な?」


「もうしない!!離してー!!」


 涙目になりながらお願いすると、マークお兄ちゃんが頭から手を離してくれた。

 僕は頭を手で押さえてうずくまった。うー、ニコニコは怖くてイタイー。





 僕がごろごろしていると、マークお兄ちゃんはかばんから必要そうなものを取り出していた。何もなかった机には、お茶碗やお皿、それに服が置かれていた。

 一通りの荷物を出し終えると、僕に一人で寝るのか聞いてきた。


「うん!!」


 ニコニコしながら僕が答えると、マークお兄ちゃんはニヤッとしながら話してきた。


「じゃあ、明かりを消すぞ。ああ、だけど、そうすると真っ暗になるな。あと、アルが一人だけになるから、しーんと静まりかえった状態になるな」


「なんで一人なの!? マークお兄ちゃんは!?」


「言ったろ。ここはアルの部屋だ。俺の部屋は隣だよ」


 今までは学園長とルークがいたけど、誰もいないのはヤダ。怖いし……。そう思ってたら、マークお兄ちゃんがクックと笑いを噛み殺しながら「お休みー」と言って、部屋から出て行こうとした。

 僕は慌てて、急いで寝台から降りると、マークお兄ちゃんのところに走ってそのまましがみついた。


「ぶはっ。涙目になっちゃてるぞ」


 すごい必死だなーと言いながら、マークお兄ちゃんが僕の頭を撫でてくれた。


「今日は一緒に寝るか? 俺は蹴らないと思うぞ」


「うん……。」


「よし。じゃー明日も早いから今日はもう寝よう。明日になればルーク先生にも会えるからな」


 僕は頷いて、マークお兄ちゃんの部屋で一緒に寝ることにした。

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