閑話(雑貨屋での一齣)
建国祭の期間中は、たくさんの出店が出て、なおかつお買い得価格らしい!!
「おっかいどくー!! おっかいどくー!!」
「アル、ご機嫌だなー」
るんるん気分でいると、マークお兄ちゃんが声を掛けてきた。
「うん!!」
ニコニコ笑顔が溢れるよー!! 止まらないよー!!
そんな僕と同じようにニコニコしてるアクセルが「それ何の歌?」と聞いてきた。
「お買い得だから、ルークがおもちゃを買ってくれる歌ー」
「よかったなー。ルーク先生のお財布が軽くなるまで買ってもらえよー」
アクセルがさらにニコニコ。いや、どちらかというと、ニヤニヤっぽい感じになった。
でもでもダメなんだよー。
「ルークは1個だけだって」
先導してるマークお兄ちゃんが「せこっ!! いや、育児か?」と呟いた。
僕は何を買って貰おうか考えながら、ルークが待つ雑貨屋へ向かった。
雑貨屋さんに着くと、お店の商品を品定めをしてるルークが見えた。
すごく真剣な顔をしてるから声を掛けにくい。そんでもって、何を見てるかが凄く気になる!!
アクセルから手を放して、そっとルークの後ろから商品を覗いてみた。
「紐?」
「うわっ、アル坊か」
ルークは僕に気づくと、頭に手を乗せてナデナデしてくれた。
ルークのナデナデは気持ちよくてポワーンってなる。皆がよくしてくれるけど、マークお兄ちゃんだけは要注意!!ギューっとされて頭がつぶれちゃう!!
「二人とも、お疲れさん。水飴は売れたか?」
「はい。結構売れましたよ。出店は楽しかったんですが、アルが際限なく欲しがって大変でした」
ルークとアクセルが笑ってるけど、あれは水飴が美味しいのがいけないと思う。
結局、全部の種類を制覇できなかったし。
「ルーク先生、何か買うんですか?」
アクセルは好奇心いっぱいのいい笑顔だ。
「ああ、この紐が気になってな」
「紐?」
アクセルが不思議そうな顔になった。僕も何で紐なのか不思議。面白くないのに。
「ルーク先生……。それは、もしかしなくてもアル用ですか?」
「ああ。この紐な、伸縮性があるらしいんだ。これなら、紐が張ったときに痛くないかなと思ってな。どう思う?」
ルークが紐を手に取ってから、マークお兄ちゃんに見せるように紐を左右に引っ張り伸ばした。
「いや、あの。そんな真剣に聞かれても……」
マークお兄ちゃんがしどろもどろになっていると、ルークは返事を聞かずに紐を買いに店員さんのところに向かった。
「マーク、アル用の紐ってなんなんだ?」
アクセルがマークお兄ちゃんに紐を何に使うのかを聞いて、マークお兄ちゃんが僕の散歩用の引き綱と答えると、大笑いを始めた。
面白くないのに!!
とりあえず、紐のことは置いといて、お店の商品をうろちょろしながら見てまわった。 うーん。木彫りのお犬さんが気になる。でも、面白くなさそうだしなー。1個だけだしなー。
お犬さんは有力候補としつつ、面白そうなのがないか探していると、たくさんの木札がまとめられているのを見つけた。
一枚を手に取ってみると、綺麗な色で花びらが描かれていた。別の木札を見てみると、鳥さんが飛んでる絵で、これもきれー。
同じ絵の木札もあるけど、たくさんの種類があるみたい。色とりどりで綺麗なのもいい!!
木札を取っ替え引っ替えして見比べてると、ルークがやってきた。
「花札が気に入ったのか?」
「花札? これのこと?」
両手に持っていた木札をルークに見せて聞いてみた。
「そうだ。2人以上で遊ぶものだな。」
「これで遊ぶの?」
「簡単な遊び方は、決まった絵柄を揃えるのを競うものかな。他にも遊び方はあるけど」
おおー!! つまり、これは綺麗で面白いのかー。
うん。これがいい!! お犬さん、ごめんね。
「ルーク、ルーク!! これ買ってー!!」
「んー。ちょい高いけどいいか。じゃあ、買ってくるからマーク達のところで待ってろ」
「うん!! ルーク、ありがとー!!」
マークお兄ちゃんとアクセルを探すと、2人とも楽しそうに話してるのが見えた。
「次は『冷たい! ヌルヌル! こっそり背中に入れよう!』系列でいくか?」
「いいんじゃないか。この間は『本物そっくり! 触覚まで再現!』だったし。」
「……」
何だろう? すごくやな感じだ。
2人とも楽しそうなんだけど。なんか背中がゾクッとする。
「おっアル。もういいのか?」
「……うん。」
マークお兄ちゃんが普通な感じで話しかけてきたけど……。うーん?
「元気ないな? 買ってもらえなかったのか?」
「ううん。えっとね、花札? を買って貰うんだ!!」
「花札かー。俺も出来るから今度、一緒に遊ぼうな」
「本当!? 絶対だよ!!」
凄く楽しみになって、しっかりと遊ぶ約束をした。
ただ、「アルで遊ぶのは楽しいからな」と言われたのが、なんか違う気がした。




