表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルバートと森の不思議な関係  作者: よし
2章 建国祭
17/36

闇の兆し

 今日はミーシャお姉ちゃんとサラ、そしてウィルと出かけることになった。

 マークお兄ちゃんとアクセルは頑張って水飴を作る係らしい。また食べたい……。ルークは今日も警備だけど、明日は一緒に居られるらしいから楽しみ。


「期間限定の焼き菓子はいかがですかー?」


 元気で明るい声がお店から聞こえてきた。焼き菓子、美味しいのかなぁ? 期間限定って聞いたことないけど、どんな味なのかな?

 僕の服の服を掴んでるウィルを見て聞いてみた。ちなみに服はウィルが何回も引っ張るから、よれよれだ。


「期間限定って美味しいの?」


「どうだろ? あれは食べたことないな」


 食べてみたいなー。やっぱりダメかなぁー。さっきも、もうすぐお昼だから我慢しなさいって言われたし……。

 とりあえずお願いしようと思ったところで、ミーシャお姉ちゃんがウィルに話しかけた。


「ウィルさん、違いますよ」


「違う?」


「ええ、アルバート君は焼き菓子の名前が、期間限定と思ってますよ」


「そうなのか?」


 僕はウィルに「違うの?」と聞いた。そしたら、ウィルの代わりにサラが答えてくれた。


「違うわよ。期間限定は今しかないって意味よ。それにしても、ミーシャよく分かったわね」


「まあ、一緒に居る期間が長いからね」


 今しかない……。ということは、あのお菓子が今しか食べられない!!


「食べよう!! 食べなきゃ!!」


 服が掴まれてるから、ウィルを必死に引っ張ってお店に行こうとした。でも、ウィルは笑ってるだけで動いてくれない。


「ウィル!! 早く行かないと!! 食べられなくなっちゃう!!」


「ダメだ。これからお昼に向かうんだから」


「でもでも、えーっと期間限定なんだよ!! 今しか食べられないんだよ!!」


 必死にお願いしたけど、ウィルに「ダメだ」って言われた。泣きそうになっていると、ミーシャお姉ちゃんが頭を撫でてきた。


「ふふっ大丈夫よ。期間限定は建国祭の間って意味だから。お昼の後でも食べられるわよ」


 見上げてミーシャお姉ちゃんに「本当?」と聞くと、「本当よ」と返してくれた。僕は名残惜しくお店を見た。


「あははっ、お目々にいっぱい涙を溜めちゃって。かわいいー」


 期間限定の焼き菓子は、お昼が済んでから食べることになった。





 お昼を食べ終えてから、大通りをみんなでぶらぶらして、見てまわることになった。期間限定の焼き菓子はしっかり食べました!!

 きょろきょろしながら歩いていると、家族連れがいっぱいいるところを見つけた。

 よく見ると、野外の広い範囲に囲いが設置されており、入口と出口が用意されているみたい。僕と同じか少し大きい子が、囲いの中から出てきては何かを貰ってるみたいだ。


「あれって何してるの?」


「うーん? あそこが受付かな? ちょっと聞いてくるね」


 サラはそう言うやいなや、囲いがある方へ走って行った。


「みんな何か貰っているね」


「そうね。たぶん、あの催しに参加して景品を貰ってるんだと思うんだけど」


「そうだろうな。毎年、子供向けに色々やってるからな」


 僕たちが話してると、サラが戻ってきて説明をしてくれた。


「あれは宝探しをしてるんだって」


「宝探し?」


「あそこ、ぐるっと囲まれてるでしょ。あの中は迷路になっていて、宝が置いてあるんだって。それを見つけて、お菓子やおもちゃと交換してもらうんだよ。参加してみる?」


 サラのお話を聞いて、とっても楽しそうと思っていたので、すぐに「うん!!」と答えた。





 受付を済ますと、ウィルが「出口で待ってるからな」と言ってきた。


「なっ、なんで!!」


 一緒に来てくれないことにびっくりして、慌てて呼び止めた。


「なんでって? 宝探したら、出口から出てくるんだろ?」


 僕が「そうだけどー」とうじじしてる横で、ミーシャお姉ちゃんとサラが面白そうにしていた。


「勝手にあちこち行くのに、これはダメなのかしら?」


「たぶん、一人でいってらっしゃいと言われるのがダメなんじゃない?」


「あー、そうかもね」


「どうするんだ? やめるか?」


 僕はぶんぶんと首を振った。


「じゃあ、しっかり宝を見つけてこい」


 頷いてから、しょんぼりしつつ入口の中に入った。

 中は狭い通路が作られていて、くねくねした道で、分かれ道もいくつかあった。道を作る壁は高くはないけど、僕よりは十分に高くて周りは見えない。

 早くみんなの所に帰りたくて、走りながら宝探しをしていると、突然大きな音と振動が僕を襲った。

 周りの壁も吹き飛んだり、ひしゃげたりしている。僕も爆風に煽られて壁にぶつかった。壁自体は柔らかかったから、怪我はしなかったけど。


「鼻が痛い……」


 壁にぶつけた鼻をさすりながら立ち上がると、突然、後ろから口を押さえられた。その後、すぐに目を開けてられなくなって意識が落ちていった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ