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アルバートと森の不思議な関係  作者: よし
2章 建国祭
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初日(後編)

 大通りの一角にある屋台に到着すると、ミーシャお姉ちゃんとサラが忙しそうにしていた。

 おはようと声をかけると、手を止めて僕たちに挨拶を返してくれた。


「ミーシャと言います。ウィルさんでしょうか?」


 ウィルは頷くと「よろしく」と言った。


「私はサラです。よろしくお願いします」


「私とサラは水飴を学園で作る担当なので、今日はアルバート君を見てあげられないので、すみませんがよろしくお願いします。あと、マークとアクセルも屋台を担当する時間があるので」


「ああ。聞いているから大丈夫だよ。マーク君とアクセル君が屋台で販売を担当している間は、私が見ているから」


 僕は屋台に並べている水飴を見たくて、マークお兄ちゃんの肩から降りようとしたら、足をしっかり捕まれて動けなくされた。


「マークお兄ちゃん、降りたい!!」


「ダメ」


 凄まじい早さで即答された。怒ってないけど、ちょっと怖い感じ。

 でも水飴見たい。それで、食べたい!! ジタバタしてみたけど、ガッチリと足を捕まれていて抜けられない。

 助けを求めようとして、隣を見るとアクセルが笑ってる。助けてくれなそうだ。


「ウィルー」


 助けて貰おうと思って、ミーシャお姉ちゃんとお話ししているウィルを呼んだ。

 ウィルが振り返ったので、助けをお願いしようとしたら、マークお兄ちゃんが先に話し始めた。

 曰く、アルは勝手にどっかに行く、注意を聞かない、食べ物に釣られる……などなどと好き勝手なことを言い始めた。


「そんなことないよー!!」


「ルーク先生と出かけるときは、紐で縛られてるじゃねーか!!」


 ウィルが「紐?」と不思議そうに呟いた。


「聞いてよウィル! ルークが酷いんだよ! お腹を紐でグルグルにして結ぶんだよ!!」


「確かにあれは酷いと私も思ったけど……。必要性を感じてしまったわ。うん、アルバート君には必要かも」


 ミーシャお姉ちゃんの紐が必要発言に僕がショックを受けていると、マークお兄ちゃんもしきりに頷いてウィルに買い物に行ったときとかの話をした。





 マークお兄ちゃんが屋台の準備を始めると、やっと降ろされた。だけど、今度はウィルに服の襟首あたりを捕まれることになった。

 ミーシャお姉ちゃんとサラが近づいて来ると、木の棒に透明なのと、少し黄色い感じのものが巻かれたようなものをくれた。


「なにこれ?」


「水飴よ。この黄色いのは果物の果汁を練り込んでるの。なめてみて」


 水飴を口に含むと、甘酸っぱさが広がった。


「おいしい!!」


「よかった。私たちは学園に戻るけど、お利口にしてるのよ」


 僕はミーシャお姉ちゃんに水飴を口に含みながら頷いた。するとサラが僕の頬に口を近づけて、軽く歯を当てながら囁いてきた。


「お利口にしてなかったら、ほっぺた食べちゃうからね」


 僕はびっくりして、サラから距離を置いてウィルにしがみついた。


「たっ食べられちゃう!!」


「お利口にしてれば大丈夫だよ。それとも、お利口にしないつもり?」


 ウィルが笑いながら聞いてきたから「お利口にするよ!!」と答えた。





 ミーシャお姉ちゃんとサラが学園に戻ってからは、屋台お仕事を手伝うことにした。


「水飴どーですかー。美味しーですよー。マークお兄ちゃん、水飴ちょーだい!!」


 お客さんを呼びながら、隣にいるマークお兄ちゃんに水飴をねだってみた。


「ダメだ。さっきあげただろ」


「ぶーぶー、マークお兄ちゃんのけちんぼー!!」


 僕が不満たらたらで文句を言うと、僕の顔に大きな手を当ててから、握り込んできた。


「ア゛ッ? 何だって? よく聞こえなかった。もう一度、言ってくれるか?」


「痛い!! 痛い!! ごめんなさい!!」


 こめかみを押さえて蹲ると、アクセルとウィルと……お客さん達が笑ってた。すごく痛いのにー。

 しばらくして痛みが薄れると、ウィルにくっついて「頭つぶれちゃうとこだったー」を弱々しく呟くと、またしても笑われた。

 笑われて不機嫌になってると、ウィルが頭を撫でてきた。


「悪かったな。一緒に少し周りのお店を見に行こうか?」


「行くー!!」


「ウィルさん、すみません。交代までもう少しかかるんで」


「気にしなくていいよ。学園までの通りだけまわって来るな」





 マークお兄ちゃん達の屋台から、学園までの通りを歩いて出店を見てまわった。食べ物は、マークお兄ちゃんとアクセルのお仕事が終わったらと言われて、食べさせてもらえなかった。

 ウィルは、木でできた小さいお城の模型を買ってくれた。お店の人に、僕の鞄に括り付けてもらって、ご機嫌状態で屋台まで戻ってきた。


「たっだいまー!!」


 マークお兄ちゃんもアクセルもお仕事が終わったみたいで、屋台の前で僕たちを待っててくれた。


「おかえり。ご機嫌だなー? 楽しかったか?」


 僕は「うん!!」と答えると、アクセルに鞄に付けたお城の模型を自慢した。


「ウィルさん、お待たせしました。アルはどうでした?」


 僕の名前が聞こえたから、マークお兄ちゃんの方を向いた。そしたら、マークお兄ちゃんの斜め後ろあたりに、色とりどりの硝子細工が並べてあるお店を見つけたから、そっちに向かおうとした。


「ぐぅえっ」


 いきなり首が絞まって、変な声がでた。後ろを見ると、いつの間にかウィルが襟首あたりの服を掴んでいた。


「ずっと、こんな感じだったな。」


「アル……、帰ったらルーク先生にお説教してもらおうか?」


「なっ、なんで!!?」


 僕はびっくりして、一生懸命にいやいやと首を振った。


「はー、まぁいいか。お昼をそこら辺の屋台で食べよう」


 建国祭の1日目は、みんなで食べ歩きをしながら、出店を見てまわることで終了した。



 

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