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アルバートと森の不思議な関係  作者: よし
1章 学園生活
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閑話


 今日もマークお兄ちゃんと一緒に教室へ入った。

 そのあとは、僕の机と椅子があるからそっちに座ろうとしたけど……。ミーシャお姉ちゃんに捕まって膝の上に乗せられた。

 降りようとしては、抱えなおされを何度も繰り返し、疲れて動けなくなった……。諦めてぐてーっとすると、マークお兄ちゃんに笑われた。

 マークお兄ちゃんに助けをお願いしようとしたら、ルークが教室に入ってきた。


「ルーク、おはよー!! 助けてー!!」


「ああ、おはよう。今日は建国史からだな」


 ルークは僕をそのままにして、授業の準備を始めた。

 僕は「がーん」とショックな顔で打ちひしがれていると、ルークにも笑われた。マークお兄ちゃんはずっと笑ってる。


「じゃあ、始めるぞ」


 そう言って授業が始まると、僕はやっと降ろされたので自分の机に座った。

 今日は読めるようになった文字の書き取りのお勉強。ルークから渡された紙を見ながら、同じ内容を別の紙に書き写していった。





 半分くらい書き写したあたりで、ルークの授業が終わった。ルークは僕のところに来ると、僕が書いた紙を手に取った。


「おっ。結構できたな」


 僕は頷いて、「がんばったー」と言った。


「ああ、良く頑張ったな。今日はここまでで、続きは今度な」


 褒められて嬉しくなりながら「うん!!」と元気に答えた。

 ルークは僕の頭を撫でると「ああ、そうだ」と呟いた。


「マークはしばらく忙しいから、ミーシャのところで寝ることになったからな」


 ルークがそう言うと、マークお兄ちゃんが不思議そうな顔をした。


「俺、別に忙しくないですけど?」


「お前は補修だ」


 マークお兄ちゃんは「うあぁー」と変な声を出して、机にべちょっと倒れた。

 溶けたようなマークお兄ちゃんを見ながら、「今回は仲間もいるぞ」とルークが伝えた。


「仲間? でも、この学年の担当はここだけじゃないんですか?」


「そうだが、アクセルも呼んだ」


「えっ、ルーク先生はあいつの授業に何も関わってないじゃないですか?」


「今回は職権乱用してみた」


「職権乱用って、何でそんなことを……。あー『お父さん事件』の報復かー」


「あいつには、しっかりと教育しないといけないからな」


 ルークはちょっと怖い笑みを浮かべてた。そんな様子を見ながら「あいつも大変だなー」と呟いた。


「まあ、話を広めまくった奴にもしっかりと教育が必要だしな。丁度いい」


 マークお兄ちゃんはそっとルークから目をそらした。

 二人のやり取りを見ていると、ミーシャお姉ちゃんが「これを自業自得と言うのよ」と教えてくれた。

 そうして解散すると、僕はミーシャお姉ちゃんと手をつないで寮に連れて行ってもらった。





 ミーシャお姉ちゃんの部屋に入れてもらうと、お花のいい匂いがしてきた。クンクンと匂いを嗅いでいると、いきなり鼻を摘ままれた。


「ふがっ!!」


「ふふっ。変な声ー」


「ミーシャお姉ちゃん、酷いー」


 僕がほっぺを膨らませて文句を言うと、「ごめんねー。お菓子あげるから」と頭を撫でられた。


「お菓子!!」


「用意するから椅子に座ってまっててね」


 僕は「うん」と頷いてから、椅子によじ登った。

 椅子の上に立つと、食卓の上に色とりどりのお花が花瓶に生きてあるのが見えた。綺麗だなーってお花を見てると、いい匂いがしてきた。

 背伸びして、お花の近くに顔を頑張って近づけて匂いを嗅いでいるとミーシャお姉ちゃんが戻ってきた。


「何してるの?」


「いい匂いがするのー。甘い匂いだから、美味しいのかなぁ?」


「お花は食べちゃダメよ……」


 ミーシャお姉ちゃんは呟きながら、お菓子と飲み物を並べていった。

 僕はお花からお菓子に視線を移すと、ジーッと見つめた。


「食べたい?」


 お菓子からは目を離さずコクコクと頷いた。

 ミーシャお姉ちゃんは食卓の真ん中にお菓子のお皿を置くと、一つを摘まんでゆっくりと口まで運んでから「美味しー」と言って食べた。

 僕も食べたくて、また背伸びしてお菓子の方へ手を伸ばしたけど、お皿まで届かない……。

 頑張ってつま先立ちして、腕をピーンと伸ばしてお菓子を取ろうとしたけど、やっぱり届かない……。


「ミーシャお姉ちゃん! お菓子食べたい!」


 ミーシャお姉ちゃんは笑いながら僕を見てるだけで、お菓子を取ってくれない。

 じわーっとなって泣きそうになると、ちょっと慌てて一つ摘まんで僕の口に入れてくれた。


「どう? 美味しい?」


「うん。美味しい」


 微笑みながらお菓子のお皿を僕が届くとこに置いてくれた。今度は自分でお菓子を摘まんで食べ始めた。





 お菓子を頬張っていると、「たっだいまー」と言って知らない女の人が部屋に入ってきた。


「おかえりー。焼き菓子あるけど食べる?」


「うん。食べる」


 そう言って、上着を脱ぎながらこっちに来ると、僕と目が合った。

 僕が固まってると、「この子がアルバート君?」とミーシャお姉ちゃんに聞いていた。


「そうよ」


「へー。この子がルーク先生の……」


 まじまじと僕を見てきて、ちょっと居たたまれない感じでいると「美味しそうね」と言われた。

 びっくりして「えっ!?」と言うと、「ほっぺとか柔らかそうで美味しそう」と返された。

 僕は怖くなって、急いで椅子から降りると、女のひとから離れた。そしてミーシャお姉ちゃんのところに駆け込んだ。


「どうしたの?」


 いきなりしがみついてきた僕に、首を傾げながら聞いてきた。


「ほっぺが美味しそうって!! 食べられちゃう!!」


 僕は半ベソになりながら、ミーシャお姉ちゃんにしがみついて隠れた。


「あはは。可愛い反応!!」


 ミーシャお姉ちゃんは僕を抱きかかえると、優しく声をかけてきた。


「アルバート君を食べたりしないから大丈夫よ。この子は同じ部屋のサラ」


 僕はサラの方を向くと、ちょっと怯えながら「食べない?」と聞いた。


「食べないわよ。私はサラ。よろしくね」


「アルバートです。よろしくお願いします」


 挨拶をしてからは、新しいお友達のサラとミーシャお姉ちゃんと一緒に遊んで過ごした。

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