籠城②
敵戦力の約20%近くは振るいに掛けたが、敵の戦意は衰える事を知らず寧ろ上がってる様に思える。
これが人間なら戦意も衰えるんだが、さすがは魔物ってとこなんかな。
敵が200~300程度内堀に侵入したら外壁は燃やし、更なる侵入を防ぎつつ敵を殲滅し素早く撤退する。
これって簡単そうだが実際はタイミングが難しい。
タイミングを間違えると外壁は崩れ落ち、遮蔽物の無くなった敵は一気に内堀に押し寄せ撤退に被害が出るばかりか、撤退ポイントに敵を無傷で引き寄せる事態に陥る。
折角のトラップも水の泡。
でも、成功すれば700程度居た敵も内堀で200程度は減らせて、トラップで100~200程度と考えれば最終ポイントに現れる敵数は300~400となり現実味が帯びてくる数字となる。
敵も魔物とは言え、疲れもすれば死にもする。
最後には皆生き残れれば最高だ。
俺は城壁内部に撤退するとトラップの最終調整を始める。
ウリクルは櫓から矢を放つ。
騎士団も義勇兵も警備兵も必死に生を求めて矢を放ち続ける。
敵は何故お姫さんを狙うのか?
何故誰もこの魔物の軍団に気がつかなかったのか?
どこに潜んでいたのか?
疑問は溢れるほど湧いてくるが今は目の前の敵を倒す事に集中しよう。
敵は必ずまだ奥の手を持っているはず。
俺も有るけどね。
最終調整が終わる頃には火の手が上がった様だ。
黒煙と共に第2幕が始まりを告げた。