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和樹の趣味
「和樹くん、どうしたの?」
眉間に皺を寄せながら神妙な面持ちで石田が聞いてきた
しまった...
やばいやばい笑顔を作らなきゃ
「ごめん、何でもないそれより石田さんってすごいおしゃれだよね」
石田は簡単だ コロッと表情が変わる
ある意味扱いやすいともいえる人間
僕は感情が読めないタイプが一番苦手なのだ
「え、そんなことないよ!でも褒められるの嬉しい」
これは事実だ
石田さんは自分に似合うものをよくわかっている
彼女のセンスなら坊主にしたって似合わせるファッションを選ぶだろう
人間は布一つ、粉ひとつ、色ひとつで印象がガラッと変わる
不思議だ
僕が登坂ヘアにして学校にいっていつものように涼しい顔で勉強をしていても彼女は僕を慕ってくれるだろうか
そんな無駄なことばかり考えてしまううちに家に着いた




