表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人から始まる冒険もの  作者: 照師
光の先へ
3/9

村唯一の店には、ぽっちゃりした商人のおじさんが店番をしていた。

「これ売りたいんだけど」

「おお、元気そうでなによりだー。買い取りかい?どれどれ……これは青虫の魔石と粗末な虫糸だね。魔石は一つ2ドラ、糸は一つ1ドラ、全部で12ドラだね」

青虫一匹で3ドラそれが4セットで12ドラか。

「それでいい」

「じゃ、銅貨1枚と小銅貨2枚ね」

銅貨と小さな銅貨2枚を受け取った。銅貨は10ドラ、小銅貨は1ドラか、どれも同じドラゴンのシルエットがデザインされている。

アルファに聞くとこの世界で硬貨は、神の使徒である龍人族達のみが製造しているらしい、小銅貨、銅貨、大銅貨、小銀貨、銀貨、小金貨、金貨の十進法だそうだ。金貨1枚で100万ドラってことか、ちなみに1ドラゴン金貨、1ドラゴン銀貨などと呼ばれていたのが略されお金の単位になったそうだ。確かにめんどくさいよないちいち言ってたら……。

価格調査してみるとパン一つが小銅貨1枚1ドラで買えるようだ。他に銅の剣は150ドラ、下級回復ポーションは一つ50ドラもした。回復できない、どうする?俺、それに一番安い武器のナイフでも50ドラもするし。

「そうそう村長の依頼で、畑の魔物を10匹駆除するたびに10ドラが支給される、お前さんはあと六匹だな」

「そうか、スライム駆除したいんだが叩いても効かなそうだし、ナイフあれば楽なんだけどこれしかないからなー」

「……うーん、仕方ない村の畑ためだ、俺のお古で良ければ、このナイフ10ドラで売るが……どうする?」

「買った」

銅貨を渡してナイフを買う。

「まいどー」

ちょっとボロく見えるが中古だから仕方ないか、よしこれでスライムを倒しに行こう、俺はナイフを手に入れると畑に向かった。

「うーん、スライムはこれでなんとかなりそうだけど、回復はどうするか……」

「あっそれなら、所々背が高い草の魔物がいましたよね?それが薬草を落としますよ」

「そうなのか!そんな奴いたのか……俺もアルファみたいに鑑定とか、魔物が分かるといいなー」

「そうですねー……許可を得たので、ライトの力の一部を解放する事にしますね、畑に着いたら解放します」

「わかった」

……畑に着いた。あれかな?それっぽい雑草が見えるが。

「いいですか?いきますよー」

「ああ、頼む」

煌めくアルファの光が、頭の上を円を描くように回ると、光の粒子落ちてきて……なんだか光を浴びると温もりを感じる……。

『フェイザ』

はっ!?なんか声したような……夢か?……いつの間に寝てたのか。ヘッドアップディスプレイをつけたかのように視界に情報がでてる。

「ヘッドアップディスプレイつけてるみたいに見える……そうだこれ略してHUDと呼ぶことにしよう」

「分かりました。HUDですね」

「ああ」

魔物の頭の上に名前が浮かんでる。畑にいたのは、スライム、はらぺこ青虫、穴モグラ、弱草よわそうだった。

あの背の高いテキリスゲのような雑草が魔物だったとは!名前弱草よわそうだって?なんか所々萎びれて倒れているし、なんか弱そう……。

「うら」

弱草にナイフで切りかかると数枚葉が切れた。すると突然弱草の葉が一斉に起き上がり、葉で反撃してくる。

「えっ?」

パリン。

HPのフィールドが割れ━━、

「いってー」

ガードした左腕が切れて血が出てる。ふざけんなこいつ!ナイフでもう一度切って、もう一度切━━、弱草の攻撃モーションが見えたがこのままいくしかない━━ナイフが弱草を切り裂く━━葉の刃は直前で止まっていた……弱草から光の粒子が舞いやがて消えていった。

なんとか間に合った、誰だ弱そうとか言った奴は?普通に強いぞ、こいつは弱そうに見えるだけで弱くなんだな……そういやー草で手を切るなんて子供の頃思い出すなーって痛!薬草と魔石を拾う。

「痛い、痛い、これって食うの?塗るの?」

「どちらでも構いません」

食べてみるか、ムシャムシャ、うん、不味い、青汁のCMか!てかにっが、次から塗ることにしようと心に決めたのであった。

「おっ!?傷が治っている!」

一瞬で治るなんてさすが異世界仕様、ありがとう!感謝します。ステータスを確認するとHPも満タンの30……ん?レベルが3になっている、HPとMPの最大が30だ。HPが満タンになったってことは、前にレベルが上がってたのか。

「次いってみよー」

元気に前に降ったナイフが目に入って、よく見てみると刃が少し欠けて状態がかなり悪そうである。

「もう、ナイフの耐久値が残り少なそうですね」

「へぇー、耐久値なんてあるのか、よーし、鑑定」

武器 ナイフ 耐久値10/100 攻撃力10

「鑑定は無詠唱で使えます。あら、あと10回攻撃すると壊れますね」

「そうなのか、どうするか……」

てかあのおっさん壊れかけのナイフ売りやがったな、何が村のためだ。詐欺師め!ったく、木の棒も鑑定してみるか、あとどのくらいなんだ?鑑定。

武器 木の棒 耐久値30/50 攻撃力4

「こっちの方が耐久値あるな……あっそうだ」

ナイフで木の棒の先を削ってみる……何かの力が働いて弾かれた!ダメだ削れない。

「木の棒を加工するには、村人Lv5で転職できる、職人になる必要がありますよ」

「そうなのか……どうするか……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ