シャンレイ誤サイ2 村の規則とフィールドワーク出発
「いいですか、村の外では絶対に、ずきんを外してはいけません。」
羊のようにふわふわとした白い髪の村長の男、フュウラがキリリとした顔で私たちを見下ろす。
フィールドワーク出発前、私を例外とした村で十歳の子供全員が村の中心の広場に集められた。
人数は三十六名。
そこから、六人六班に班わけされる。
この場所は農作業の手伝いが終わったあと、村の大人たちが雨悪天候以外でほぼ毎日、得意なことを村の子供達全員に教えていく場所だ。
そこで、村の子供たちは得意なこと好きなことを見つける。
教えてくれる人を先生として、その人の仕事を手伝ったりして、身につけていく。
逆にこの子に教えたいとかで大人側がオファーすることもある。
村の子供が10歳になった進路が確定される。
進路確定前に、村の外にある薬草がたくさん生えた場所に子供だけで行くのだ。
「特にレイ、あなたは特殊です。見た目只人中身は我々と変わらない祝福持ちです。
もし、只人に見つかれば保護などという名目で研究所まっしぐら。ラヴィちゃん、只人の気配がしたら、レイを隠すのですよ。
この村には10歳前後の子供しか、いないのですから。
まあ、この村ほどの秘境にくるのはよほどの冒険者か、強欲の商人だけです。
どっちも子供は村の外で話してはいけません。
逃げてください。」
「はい」
ラヴィちゃんは強くに答えた。
私は自力で歩く気満々でできたら、藁で編まれた大きめ抱っこ紐を渡された。
そして私は今、私はラヴィちゃんの背中に縛られている。
なんでも、薬草が生えた場所は足場が非常に悪く、10歳前後ならなんとかなるが、5歳児にはキツすぎるとのことだ。
確かに、あそこに行く時はいつも両親のどっちかにカゴに入れられて運んでもらっていた。
村周辺の山は、険しい。
それでも、ラヴィちゃんやみんなは、ひょいひょいと山を登って、歩いていく。
「わたし、何もできない」
ラヴィちゃんの耳にあたりながら、ラヴィちゃんの背中に背を預けうなだれる。
「れいちゃんにもできることいっぱあるよ」
ラヴィちゃんが励ましの言葉をかける。
「ラヴィの言う通りだ。レイ、お前は薬草のところでたくさん働いてもらうんだからな。ちゃんと効果高いの見分けろよ。」
ヴォル兄さんが声をかけてきた。
ヴォル兄さんは村長候補で、今回の班のリーダーだ。
銀髪に同色のふさふさの毛が生えたとんがった耳と尻尾をもつ。
「もうすぐ、育の時期で疲れた大人達を癒すためにも、必要だからな。
レイも、末っ子じゃなくなるから今のうちにしっかり俺らに甘えとけ。」
そう言って、ヴォル兄さんは頭巾越しに頭を撫でて、班の先頭に行った。
弟と妹がたくさんできるんだ。
楽しみだな。
村の大人たちみたいになに教えよう。