両親との出会い
散々泣いて、わたしは泣き疲れた。 埃っぽい、自分の脱いだ体の腐臭が漂う部屋で死ぬのが私の最期か。
本当は時止めの棺をもっと上の階級の人たちに認められて、たくさんゴールをもらって、美味しいものいっぱい食べて、綺麗な服をきて、綺麗な花に囲まれて眠るように死にたかった。
そう思った時だった。
軋むような音が耳に響いた。
それと同時に揺らぐオレンジ色の線が地面にできる。
固く閉ざされた錆びた金属の扉が開きわずかにさした光だった。
ホコリとガラスで体を傷つけながら這って近づく。
わずかな隙間から、何かがわたしをみていた。
「推奨、扉から離れる。生物兵器の可能性あり」
わたしが距離をとろうとした時、扉に穴が開いた。
ちょうど大人の人ひとりが横になって通れるくらいだ。
殺戮ゴーレムの青いレーザー剣で丸く切られた。
そこから、一体の人型の何かが出てきてわたしを掴む。
「ベィビィー!」
わけわからん鳴き声で叫ばれた。
わたしは逃げるまもなくその人に近い形の腕に掴まれた。
有無を言わさぬまま穴に押し込まれた。
穴から出た先の廊下ではまた別の人型がいて、わたしを受け取る。
もしかして、わたしはこいつらのご飯になるのか。
「リラックス!」
何かだ言って、そいつはわたしの頭や背中体を撫で始めた。
後から穴から出てきた人型もわたしを撫でて抱きしめた。
オレンジ色の炎を出す原始的なあかりの魔道具が二体の人型の姿を照らす。
獣のように耳が尖り毛で覆われ、長い尻尾が生えた男と水晶のような鱗で額が覆われた女。
それが人型の正体で、わたしは今女に抱きしめられている。
二人の服装は、 ヘルメットに、頑丈そうな何かの皮でできたツナギとブーツと手袋。
どうやら、文明人のようだ。
気が抜けたわたしはまた眠ってしまった。
この体ほんと燃費が悪い。