旧世界とのお別れ。
わたしは、荒稼ぎする知識と考え、技術が頭中詰まっている。
それは旧世界で頭が良いように作られた。生まれた時からの階級博士になることが決まっていた。
頭がいいから、約束されたエリートだったと言うわけではない。
試験管でランダムに組み合わされて量産された頭脳と体だ。
誰もが頭がよく、魔法やらそれに関する知識を持っていた。
それは、先人たちが作り出した魔導兵器による負の遺産による世界の崩壊に抗うためだ。
異常気象やら、殺戮ゴーレム、魔法生物兵器、呪い。
それらによりわたしが生まれた時には魔法文明は斜陽になっていた。
多くの人は、それに抗う方法を探る中、わたしは、逃げ切る方法を開発した。
安全な場所で千年眠って、それらが滅びるのを待つと言う戦略だ。
作ったわたしが実験しよう。
三年くらいかな。実験して安全を確認しよう。
わたしは観察しやすいように、ガラスで作った時止めの棺に横になる。
「しぇんねん、スリープ」
しまった緊張で噛んでしまった。
千年と聞こえてしまったのではないか。
まあ、ほかの職員が3年後に気づいて起こしてくれるだろう。
迫るくる眠気に抗えず、わたしは寝た。
そして、ガラスの割れる音で目を覚ました。
どうやら、わたしの棺のガラスが年月に抗えず自然に割れた音だった。
そして起きたら、真っ暗で埃っぽい研究室だ。
「シバ、状況説明。三行以内」
シバの姿が見えない。聞こえない。
頭に響く感じだ。
「ご主人が寝ている間に、文明崩壊。あとそれにより棺が故障、ご主人の体損傷。推奨再構成」
どうもひどい損傷を寝ている間におっていたようだ。
仕方なくできる限り頭の中で再構築の陣を形成し、体を作り直す。
頭以外の無事な部分を集め、詰め、古い体を破って出たら、生まれたての赤子ぐらいの大きさで見た目になってしまった。
「おはようございます。ご主人様。500年ぶりですね」
ぼやけた赤茶色の物体が目に入る。
「おあおう、いあ」(おはよう、しば)
退化した声帯が赤ん坊のような声で答える。
(いますべきことは)
「ご主人様がすべきことは、栄養補給と暖かい場所への移動です。ですが今のご主人様の体と魔力量では難しいです。死にます」
突然の悲報である。
何のオブラートにも包まず言われた。
そのような設定にわたしがしたけど。
「うわーん」
わたしは赤ん坊のように絶望して泣いた。
泣くことしかできない。
リメイク前はただの終末世界の少女でしたが、練り直しの際に知識が多い、実験に参加できるなどから博士になりました。