絶対助けるから
前回打ち切りになりました蘇生少女のやり直しです。
設定がいろいろ変わっているところも多いです。
「絶対助けるから」
薄暗い迷宮の一室が、明るい白い光で満たされている。
わたしは二つのガラスの棺の間に立って、それを撫でる。
ガラスの中身は、わたしの弟妹、シュンとハル。
重度の火傷による表皮、刃物による臓器の損傷。
瀕死で生きていることすら、奇跡。
即死だった両親の体の一部を流用したことで、かろうじて、生きている。
危険で入り組んだダンジョンに逃げ込んで、結界を張って、安全な場所を作って、時止めの棺を再現して作成して、二人を放り込んだ。
この部屋の管理権を旧世界から持っていた魔道通貨『ゴール』全部使って手に入れた。
これで、結界の魔力がキレても安全な場所ができた。
「シバ、二人を直す機械、治癒の卵を使うために必要な『ゴール』を教えて」
目の前に、赤茶色いたち耳の巻いた尻尾の犬が現れる。
旧世界からの相棒、脳内ホログラムのシバだ。
「およそ100万ゴールです。
この施設での製造のために、施設全体の改修。
そして、製造する権限を入手するための合計ゴールです。
前施設長が死亡時に、施設全部改修したものは施設長にすると言う遺言のため、レイおよび製造番号30001010101010.10階級博士を階級施設長見習いとなります。」
両親がくれた名前と旧世界で馴染みのあるわたしの『番号』をシバがつげる。
わたしの名前はレイだ。今この名前を言ってくるれるのはシバしかいない。
何も感じらないホログラムの揺らぐシバの体を撫でる。
「旧世界の知識で荒稼ぎしてやる」
自分が伝えた技術や知識による影響なんて知るもんか。
よくもわたしの家族を奪いやがって。
そんなに旧世界に戻りたいならその知識、技術を伝えて荒稼ぎしてやる。